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ご自愛はぜいたくではなく、生き抜くための大切な術

最近、よもぎ蒸しに通っている。

よく行くマッサージ屋さんが突然スピ系に転向し「仁美さんの子宮、すごく怒ってますよ!」と説教されてからというもの、なんとなく行きづらくなってしまった。
しかし大きい子宮筋腫がある以上、何かしらのケアは続けたい。そんな時に友人から勧められたがよもぎ蒸しだった。

よもぎ蒸しとは、穴の空いた椅子に座って、椅子の下で焚いたよもぎの湯気で下腹部を温めるというもの。
身体を外側から温めるのではなく、直接内側から薬草の湯気で温めるという点で、他の温活セラピーと一線を画しているように思う。

というわけで最初は下腹部を温めるために都内のよもぎ蒸し店に行ったものの、よもぎの香りというのも自分に合ってるらしく、気に入っている。

セラピスト時代は様々なアロマに接する機会があったが、正直アロマの香りでお客様が劇的に改善したケースはあまりなく「香りというのは人の健康について、あくまで補助的なものなのだな」という意識だった。

しかし身体の上からも下からも(訳:鼻からもお尻からも)ただ30分よもぎの湯気を浴びていると、その日は左脳の機能が強制停止されるのを感じる。
なんだか気持ちがふんわりしていて、何かが起きてもいちいちカチンとならず、スッと受け流している。母親には「やさしい顔をしている」と評され、夜は井戸に落ちたようにぐっすりと眠れる。

思えば女性性というのは、こういうものなのかもしれない。
社会では冷房の効いた部屋で、金属入りの下着で身を締め付け、男性と同じように深夜までバリバリ働き、食事は抜いたりコンビニのものをささっと食べたり・・

適度な緊張感の和服で、汗をかきながら仕事をしていた昔の女性の時代を考えると、現代で女性が何かしらの婦人科系疾患を持っているのは、個人の責任というより社会のそれによるところが大きい気がする。

セラピスト時代も今も、生理痛やら子宮内膜症やら、子宮関係が万全ですという女性に私は会ったことがない。

私にはよもぎの香りが合っていたけど、アロマだったりヨガだったり、自分が無理なく楽しく続けられるセルフケアをするというのは、女性の身体に決してやさしいとは言えない社会で生きる上で非常に重要なことだと思っている。

セラピスト時代はよく「ここに来てること、家族には内緒にしてちょうだい」という女性のお客様がいた。セルフケアというのは、部外者からするとぜいたく品のように捉えることも多い。

しかし心身ともに限界の人がなんとか自分を大切にしようと、もしくは自分を奮い立たせようとするものを一概にぜいたくと決めつけるのは、炎天下で喉が渇いている人から水を取り上げるにも等しいように私には見える。

生きているといばらの道を通らないといけないことも多くある。だからこそ生き抜く知恵の一つとして、ご自愛の方法をいくつか持っておくのは大切だと思う。

・・と言い訳しながら、先日Amazonでかわいい口紅をポチってしまった。

こ、これもセルフケアの一環ですっ!


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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。