見出し画像

逃げたのではなく、それは歩く必要があった道のり

貧血改善のために「甘いもの・小麦・お酒・乳製品」を控え始めて3週間ほど。現在お酒はノンアルにして禁酒成功、甘いものと乳製品もほぼ抑えられている。

以前はミスドのドーナツの2つくらいはペロリと食べられたけれど、今は甘過ぎる気がして1日1/4個で十分になってきた。最初は甘えるものを控えるなんて想像もできなかったけど、慣れればあまり辛くない。アイス一口、ヨーグルトカップ半分くらいで満足するようになってきた。

問題は小麦である。朝しっかり食べたい派なので朝は納豆ご飯、夜もご飯とおかずをしっかり食べていると「自然とお昼は麺にしようか」となってくる。

蕎麦にすればいいのかもしれないけど、実はあまり好きではない。申し訳ないが大好きな天ぷらがあれば一緒に食べられる、くらいのポジションだ。すると寒いことも合わさって、ラーメンやうどんに手を伸ばしてしまう。ラーメンやうどんは財布に優しい上に美味しい。しかし食べ終わった後「また食べてしまった・・」と罪悪感で凹んでしまう。

そんなとき、味にうるさい知人に紹介してもらったのが「おこめん」という商品である。米粉で作った麺で、知人曰くトマトソースに和えて食べるのがおすすめとのこと。こうした代替品はあまり美味しくないイメージがあったが、知人がアップしていたトマトソースおこめんの写真が美味しそうで、お試しセットを注文してしまった。正直味にあまり期待はないのだが「また小麦を食べてしまった」の罪悪感からは自由になれそうで、ちょっとウキウキしている。

丸源というラーメン屋さんでは、プラス110円支払うと糖質50%オフの麺に変えてくれるサービスをしている。以前は「そこまでしてラーメン食べたいのか・・?」とあまり理解できなかったけど、最近は「丸源がカットしているのは糖質ではなく客の罪悪感ではないか」と考えて合点がいった。

先日は本屋さんで「砂糖を使わないお菓子の本」が結構並んでいるのを見た。読んだところレシピのほとんどが、砂糖ではなくはちみつを利用していた。砂糖もはちみつも確かに糖分をとることには変わりないのだが、はちみつの高栄養価は「甘いものを取ってしまった」罪悪感をうまく隠れみのにしてくれそうだ。

こうやってみていくと、世の中には罪悪感をカットするためのサービスが多いことに気づく。経営の本を読むと「世の中のニーズをどれだけ掴めるかが大事」と書いてあったりするが、砂糖や小麦を食べたいけど食べられない人のニーズというのは世の中に確実にあるようだ。

もちろん根本的な原因を解決するのも大事である。おこめんなんかに頼らず小麦は食べない、はちみつに頼らず甘いものは食べない。それが健康の正攻法なのかもしれない。

しかし物事は往々にして正攻法だけでは立ち行かない。ダイエットしている人は、食べなければ痩せることなど頭では十分わかっており、それでも食べてしまうのである。その心の奥深いところにある繊細な気持ちを無視して「食べてるから痩せないんですよ!もっと節制して、運動して!」なんてアドバイスしたところで、大きなお節介でしかない。

どうしても食べてしまう、飲んでしまう、やめられないことがある。たいていその行動の奥には癒されるべき大きな傷があり、その傷をいっとき癒すための行動として飲んだり食べたりしてしまう。

本来はそこにアプローチした方が本質的な解決には早いものの、物事にはタイミングというものがある。人生を振り返ってみると、自分も大きな傷が癒えた瞬間というのは「あれがベストタイミングだったんだな」と思う時である。本当に必要なことは時が満ちた時にやってくる。

そう考えると、そこに至るまでの期間を助けてくれる砂糖不使用の甘いスイーツ、米粉の麺などはごまかしの商品などでは決してなく、その人がよりよい人生に歩めるように寄り添ってくれる、ひとしずくの水のような存在のように感じる。
それ一つだけを見ると小さいことかもしれないけど、一滴の水が何年も落ち続けることで岩が割れることもあるように「健やかになりたい」と願いながら起こす行動が、結果的にいつかはその人の身体と心を自由にするように思うのだ。

ちなみにこの記事を書くために丸源のWEBサイトを見ていたら「主役級のサイドメニュー」という謳い文句があった。鉄板チャーハン、特製タレに合う絶品餃子、新鮮ソフトクリーム。。

私は内向的でサイドメニュー的な存在になりがちだけど、いつでも主役級の美味しさを提供できるように生きていきたい。











文章講座をしています。オンライン(平日クラス・土日クラス)とリアルのワークショップの募集をしております。


今日もご覧くださりありがとうございます。
何事も適当にしっかりで参りましょう〜〜


いいなと思ったら応援しよう!

小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。