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魂の修行とは、自分でかけた絶対の呪いを一生かけて解いていくこと

思い込みへ10回問いを書き出してみると、より自分の中にある深い想いにアクセスできると聞いた。

例えば「私はお金がない」という思い込み。

①「私はお金がない」「お金とは?」
 →心を自由にさせるもの

②「自由とは?」
 →伸び伸びとさせるもの

③「伸び伸びとは?」
 →リラックスさせるもの

④「リラックスとは?」
 →安心させるもの

・・という風に、10回問いを投げかけて最後に出てきたキーワードが自分にとって大事な意味を持つらしい。

自分の場合、最終的に「ひとりぼっち」というキーワードが出てきた。自分が何よりも恐れている事態は、一人になって誰にも頼ることができない状態に陥ることみたいだった。

自分は中高オーケストラ部にいた時、当時9名いた同期は、「ちゃんとゴミ捨てとけよ!」と言葉を乱暴に扱う気の強い人たち4名と、「・・ゴミ、片付けよっか」と自分の捨てたゴミでもないのに片付ける、心根の優しい人たち5名の、2つのグループに分かれていた。

後者に属していた自分は、最初の2年間は仲良しの同期がいてそれなりに平和だった。でも自分のグループの他4名が退部してしまい、ひとりぼっちになってしまった。

こういう時すかさず気が強いグループの人たちと仲良くするのが女の処世術というものだろうけど、自分はどうしても言葉を投げつけるように話す人たちと、仲良くする気になれなかった。

高校になって転入生が2名来るまでの1年間、自分は同期の誰とも話さないことにした。そうなると頼れる人はいない。ちょっとした伝達事項も教えてもらえない。これが週6日で続いた。自分から心を閉ざしているので当然だが、トイレに行くのもグループの誰かと一緒に行くような女子社会で一人ぼっちになるのは、社会的な死を意味していた。

人は辛くなると原因を求める。「私がこんなに辛いのは〇〇のせいだ」、つまり「X=Y」の方程式を見出して楽になろうとするきらいがある。
当時の自分は「自分は演奏技術が下手だから、役割を果たしていないから、みんな私を無視するんだ」と必死で思い込もうとしていた。

その後、たまたまではあるが演奏技術が向上してきたタイミングで少しずつこれまで嫌っていたメンバーとも話せるようになったこともあり、自分の中では「役割を果たせば、ひとりぼっちにならない」と思うようになった。

そうして大人になり社会人になると、その傾向は強まる。大人の社会とは「多少問題があっても、役割さえ果たしていれば存在を認められる」モノである。誰かのニーズさえ果たしていれば存在価値を認めてもらえる、という私の思い込みは強固なものになっていった。

先日、母の誕生日にうなぎ弁当をご馳走した時「こんなのご馳走しなくていいからさ、早く手術して子どもを産んでよ」と言われた。この言葉を受けて自分は母親に「人を子どもを産む道具のように扱うな」と大声で怒鳴ってしまった。

なぜこんな大人気ない反応をしてしまったのだろう。きっと「自分は母親のニーズを満たせていない=ひとりぼっちになってしまう」を咄嗟に恐れたからだと思う。人がカンカンになって怒っている時というのは、大抵心が泣いている時でもあるのだ。

まだ自我が十分に出来上がっていない時に「そうか、私は私のままでは存在しちゃいけないんだ。役割を果たさないと、ここにいてはいけないんだ」と信じて出来上がった恐れは、人生のあらゆる場面で自分を不安に駆り立てる。この恐れを一生かけて克服するのが、自分の今生の課題なのだろう。

全く違う話になって恐縮だが、自分はディズニー作品の中で『美女と野獣』が一番好きで、ジブリ作品の中では『紅の豚』と『もののけ姫』を愛している。どれも共通するのは呪いからの解放である。

美女と野獣は、野獣がどんどん人間らしくなっていく(それに対比してガストンがどんどん人から獣のようになっていく)物語だ。
紅の豚は最後の最後に自分でかけた呪いを解くし、もののけ姫はラストシーンで、ハンセン病だったと思しき女性が治癒される場面で毎回泣いてしまう。

恐れから自由になって自分らしい人生を歩むためにまず必要なのは、不安に駆り立てられた時、それに自分で気づくことである。
「これ進研ゼミでやったあの問題だ!」のように「ああ、また私は一人になることを恐れてるんだなあ」と気づく。そうすることで怒りの津波から一歩抜け出すことができる。

そして「怖かったね、でももう一人になることはないよ」と受け入れる。そうすればその後は勝手に次に取るべき行動は見えてくる。人は不安から行動するとその不安の通りの結果になるし、他人のニーズを満たすことと自分のニーズを満たすことはイコールではない。
恐れに気づいて受け入れる、この自己受容は小学校の義務教育にしてもいいくらい、生きる上で大切なことのように思う。

今朝の朝ドラを見ていたら突然うなぎ弁当が出てきて、胸がキュッとした。すかさず「あの時は辛かったね」と自分で自分をハグした。根気よく、受容し続けるしかない。自分でかけた呪いを解けるのは、自分しかいないのだから。













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