〇〇なら、という思い込みを手放すとやってくる豊かさについて
以前通っていたヨガ教室がヒーリングを始め、シータヒーリングというセッションを個人レッスン扱いで提供していた。
セッションを受けているうちに「もっとシータのことを知りたい」と3日間のセルフケアが出来るようになるコース（5万くらい）を受講。
受けてみたいなと思う人気の先生は皆土日クラスで、当時サービス業だった自分は仕方なく平日コースを選択した。残念なことにこれが教科書を読むだけの先生に当たってしまい、3日間ほとんど居眠りをして終わってしまった。
コーチングやカウンセリング・ヒーリングといった何とかイングがつく系のものは、講師育成コースで事業を安定させると言われている。
例えばアロマセラピーであれば自分でアロマを楽しむ「セルフケアコース」、家族や友人をマッサージする方法を学ぶ「アロマケアコース」、そしてアロマを教える人を育てる「インストラクター養成コース」。講師養成コースが一番期間が長く料金も高いため、この３つのクラスを展開させると黒字化するらしい。
ただこうしたビジネスが流行った結果、先ほどの教科書を読むだけの先生のように「なんちゃってインストラクター講師さん」が量産されてしまった。
つまらないヒーリングクラスに通っていた当時、電車の中で「暖簾分けというのは、難しいのだなあ」などとぼんやり思ったりした。
時は流れ、ある時ウィキッドというミュージカルを見に行った。当時は主役のオリジナルキャスト（日本初演を務めた俳優のこと）の濱田めぐみさんの評判がとても高く、自分も「めぐ様のエルファバ、楽しみだな」と思っていた。
ところが劇場について本日のキャストボードを確認して驚愕。その日のエルファバ役は当時二番手だった樋口麻美さんに急遽変更となっていた。ヒーリング講座で痛い目に遭っていたせいか、自分は当時オリジナルキャスト信仰病になっていて「なーんだ、めぐファバじゃないのか」とガックリ。
しかし幕が開いて早々に樋口さんのすばらしい歌唱力・演技力に圧倒され、休憩時には席を立てないほど感動した。「これで二番手？？どれだけ四季の俳優層は厚いの？？」とすっかり樋口さんの魅力にやられてしまい、ずっと入るか迷っていた四季友の会に即刻入会、樋口さんにファンレターとバラの花を送りつける立派なオタクに、あれよあれよという間に出来上がっていった。
人は「〇〇だから大丈夫だろう」という安心感で、色々なことを判断したりする。
先日など私は大河ドラマべらぼうについて「スタッフはあの名作・大奥を手がけたチームだから大丈夫だろう」と思っていたら、性的な描写で違和感を感じるところが多々あり、ドラマの出来栄えはともかく「〇〇だから大丈夫」と安易に信じるのはちょっと危ないなと思ったりした。
過去のことは過去のこと。今この瞬間、相手のそのまんまをまっすぐ見る。
まあまあ難しい時もあるけれど、忘れないようにしたほうが、多分人生は豊かだ。
お知らせ🌟
1月19日（日）文学フリマ＠京都にて、エッセイ集を販売します。
当日無料で配布するフリーペーパーも、50部ほど用意しました。
今週末は、みやこメッセにてお待ちしております✨
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