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文章も料理も、完璧は目指さなくていい

Youtubeを見ていて、思わずメモを取った動画があった。
お役立ち情報とかでは全くなく、ただのVlog(ビデオブログというゆるっとした日常動画)を見ていた時だった。

あかぼしりなさんという、ピアノレッスンあるある動画を主に出しているピアニスト&ユーチューバーさんが、旦那さんとお昼を食べている場面で、見ていて思わずハッとした言葉があったのだった。

この日はりなさんがレッスンで忙しく、旦那さんが昼食を作っていた。
明太子と細切りのしそ、バターと醤油が絡んだ和風パスタ。出来上がったパスタを見たりなさんは大喜び。「わあ、美味しそう!お昼作ってくれてありがとう!」と言うりなさんに、旦那さんは少し冷ややかに笑いながら「いや(パスタと明太子を)混ぜただけだよ」と言ったのだが、それに対してりなさんはちょっと真剣な顔で「それを作ったっていうんやで」と言って、そっかあ、と二人は笑顔になる、という場面があった。

日本では「料理は手間ひまかけて作らなければいけない」「手間ひまをかけないと料理とは言えない」というような無言の圧力がある気がする。
昼食はそこまでではないかもしれないけど、いまだにうちの母などは「夕食は一汁三菜つくらなければならない」と考えている。

でもたとえ明太子とパスタを混ぜただけの料理としても、何を作るか悩む時間、買い出し、冷蔵庫の在庫確認があるし、食べた後はお皿や鍋を洗って、拭いて、台所の元の位置に戻すという一大作業が待っている。

将来私の旦那さんが料理を作ってくれて、もし「いや~焼いただけだよ」「切って並べただけだよ」と言ってきたら私は「それは立派な料理だよ」と言おうと、思わずりなさんの言葉をメモしたのだった。(今のところ結婚の予定はないけれど。。)

思えば文章も料理と同じく、完璧を求められやすいものかもしれない。
読みやすさがないとだめ、お役立ち情報がないとだめ、クスッと笑えるような面白さを入れないと、そこそこのボリュームを書かないと、、
などとがんじがらめに苦しくなって、発信を諦めてしまった人も何人か知っている。

私も100日投稿をしようと決意するまでにずいぶん時間と勇気がいった。ライターを目指すならもっと発信しないといけないのに、量を増やして文章の質が下がって、みんなに嫌われたらどうしようと悩んでいた。

結果、確かに文章の質は下がった。毎日うまくまとめてる風に書いているけど、文章の先生に添削をお願いしたらすごい赤字を入れられる文章だと思う。

でも読者に嫌われるという、最も恐れていたことは起きなかった。毎日発信しても最初はあまり反応がなかったけど、風向きが変わったのは50日を超えた辺りだったろうか。少しずついいねや読んでくれる人が増えていった。
たまに豪華でオシャレな料理を作ってくれる人より、毎日ご飯とお味噌汁を作ってくれる人の方が、一緒に暮らす人としてはありがたい。みたいなことかもしれない。

毎日のことに完璧を求めても、誰も幸せにはならない。
質の高い文章を毎日発信できることを目指して、頑張っていきたい。


りなさんのベートーベンは絶品。

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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。