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言葉が斥ける誹謗中傷
誹謗中傷の話題がやや感情的に盛り上がっているよね。有名アカウントのなかには法的対応を堂々宣言するひとまでチラホラ現れ、「こっちに一歩でも近づいたら撃つからな!!(ブルブル」みたいなタイムラインである。まあ少し落ち着けよと思わないでもない。さんざん腹に据えかねてきた気持ちも分かるんだけどね。俺だって陰湿な誹謗中傷を受けたこともあるしさ。
もう当時のあれこれを正確に思い出すことはできないんだけど、俺を誹謗中傷してきたアカウントは、過去には人気アカウントの自撮り画像を貶めて叩いてみたり、個人情報を暴き出しては叩いてみたり、あきらかに一線を超えているやり口が神経にさわった。俺も2回ほどちょっかいを出されたことがあったんだけど、そのときは共通の知人を使ってそいつを呼び出して、少々乱暴な方法で解決してしまうことも考えた。本人のアカウントから刺激的な動画に出演してもらうとか、大人げないことも考えていたんだよね。
ほかの被害者が絡まれていた理由は知らないけど、俺がちょっかいを出された理由はたぶん、単純に俺の人気が自分の周辺に邪魔だったからだと思う。ごまかしても仕方がないからそのまま白状すると、ちょっとTwitterでモテていたんだ。中傷者たちからは、あいつと仲の良い女アカウントはどうのこうのとか、あることないことを喧伝されていたらしい。そいつの仕業かどうかは知らないけれど、匿名掲示板に個人スレを立てられたことまであった。
なんというか、この手の怒りは胃にくることを知った。ずっと胃の奥に静かな怒りが溜まっていく感じだった。
当時仲の良かった有名アカウントとくだらない理由で絶交するとさらに状況は悪化する。そいつのまわりで腰巾着のように媚びていた雑魚たちが、パワーバランスの変化を察知して、ちょくちょく悪口を小出しにするようになったらしい。とくに敵対した覚えもなかったので不思議だったんだけど、どうやら絶交したアカウントの影響力が、自分へのヘイトを防ぐ防波堤になっていた構造に気が付く。結果、川を一本挟んで向こう岸の連中と石を投げ合うような面倒な構図になった。当時流行っていた質問箱のようなサービス「Ask.fm」にも連日のように大量のファンレターが届く。匿名のカスからの誹謗中傷を、全身で浴びに浴びまくった。
そのとき俺はどうしたか─?
1コ1コ、律儀に反撃したんだ。
ひとりでね。
当時のツイートをちょっと検索してみた。
2014年から2016年くらいかな。
俺のフォロワーも5000くらいだった気がする。
検索できたものだけ抜粋する。
紹介の順番はバラバラだ。
わざわざログインしなければ質問できなくなったAsk.fmなんだけど、匿名のアホを嘲弄して遊べるお楽しみは健在で、悪意の質問を逆に笑われて顔を真っ赤にして食い下がってきた光景がこちらになります。 pic.twitter.com/m0wMJak7pu
— 朧 (@OB_RT) June 10, 2015
「ツイッターで女と馴れ合うのは許せん!」みたいな主義だったdis芸のクソ雑魚が、やっとフォロワーが1000人超えたあたりで囲いの女ツイッタラーとベタベタ馴れ合うようになる“変節”に名前をつけたい。
— 朧 (@OB_RT) August 10, 2014
俺がTokyo graffitiの編集者なら、仲の悪いアルファ同士をならべて掲載、お互いへの痛烈なエアdisを矢印付きで紹介し「ほんとに大人げないですよねwww」という構成にするし、なんなら“界隈”の人物相関図も付ける。
— 朧 (@OB_RT) October 2, 2014
※注 このころはお互いに対立する界隈(仲の良いグループみたいなもの)がいくつかあって、少し過激なネタ系のアルファツイッタラー同士が馬鹿みたいに喧嘩をしたりしていた。俺もネタ系のアルファだと思われていたらしい一時期があったし、フォロワー数千くらいのレンジではよくある光景だったのかもしれない。
悪口が連帯を強めることはあるんだけど、不用意な悪口を言う馬鹿者は、誰かを嫌うことの表明が、同時に弱点の告白でもあることに気付いていない。気に食わないやつに悪態を吐くなら、気に食わないやつ以外にも悪態を吐くほうがいい。この方法はマジでおすすめで、気付けば周りに誰も味方がいなくなる。
— 朧 (@OB_RT) March 20, 2014
なにやら孤独に戦っていたっぽい。
かつて「裏垢を作って馴れ合うのはけしからん!」みたいに言ってたやつが裏垢を作り、さらに露骨なかたちで「構ってください!」しているのを知ると、小金を手に入れた貧乏人の振る舞いとよく似ているな、と思う。
— 朧 (@OB_RT) June 12, 2014
底辺のヒキニートってツイッターしか他者にアクセスする窓口がないから、必死に界隈に媚びてはアルファ()を目指すんだけど、本当にダメなやつはツイッターすら面白くないというか、それでもなおツイッターで尊厳を慰撫するしかない状況がむごすぎて笑える。
— 朧 (@OB_RT) July 6, 2014
けれども当時は、アカウント同士の“disり合い”が、どこか過激な文化としてギリギリ成立していたような気もする。群れて悪口をいうような連中はいまと変わらず多かったけどさ。
「あいつは〜〜なやつだから一緒に嫌ってくれ」って言われても、俺が目障りじゃなければどうでもいいし、知らねえよハゲということになる。嫌悪も親愛も個人的に取り扱うべき感情で、それが嫌悪の場合は特に、連帯のツールに使われている様子は一層みすぼらしい。
— 朧 (@OB_RT) August 27, 2014
なんでそんなに上から目線なんですか? — 上から目線?靴の下にいるやつに下から話しかける方法があるなら教えてくれよ。笑 http://t.co/n6SZgSrawC
— 朧 (@OB_RT) October 31, 2014
垢消しから転生したやつが相互だったアルファにRTをキメまくって存在感をアピールしていく姿、産卵のため必死で川を遡上する鮭の姿を思わせる。
— 朧 (@OB_RT) April 23, 2015
匿名の相手に対するものは別として、この手のツイートのほとんどは、一般論に装いながら、実は攻撃する相手を明確に見定めた“エアdis”だった。また、誹謗中傷する連中は必ずターゲットからネタを拾いにくるので、読んだ瞬間に致命傷を負うようなツイートをよくバラ撒いておいた。
あの人が、あなたの悪口を
— 朧 (@OB_RT) October 30, 2015
言っていたよ、と伝えるやつ。
ひとまず三者のなかで、
いちばん下劣な人間はそいつだ。
自分よりフォロワーが多いやつを捕まえて「最近の〜〜がつまらない」と評論したがるやつのツイートが面白かったケースは一度も見たことがない。
— 朧 (@OB_RT) June 11, 2015
悪口には愉快なものも多いんだけど、RTが欲しそうな顔で“繰り出してみた”悪口の、なんとあさましきことよ。
鍵垢で極端にフォロワーが少ないやつって静かに狂気を育てていく傾向にあって、しかもそれを検証する目も少ないから延々と届かぬエアリプを繰り返すようになり、ついにはフォロワー全員にミュートされた無音の地獄に幽閉される。
— 朧 (@OB_RT) September 9, 2015
こうして振り返ってみると、当時の自分は悪口ばかりだったことに気がつく。群れて悪口を言う連中への悪口ならいくらでも掘り出せそうな気配だ。とはいえ実に不毛だった。仲の良かった女の子を送り込んで、ハニートラップまがいの情報収集までしていた。いまにして思えば、とても大人のするような真似ではない。けれども、「弁護士に相談します!!」みたいな真似だけは、どうしてもダサくてできなかった。
ところで、川の向こうで悪口を言っていた連中はその後どうなったのか─?
どうやらいつのまにか仲間割れをして分解していたらしい。どんぐりの背比べじみたお仲間のひとりが、フォロワー数で頭ひとつ抜けると、こんどはみんなでそいつを叩く流れになったという。
なんだか笑える幕引きだった。
不毛な戦いの果てにようやく分かったことは、当時の俺が受けていた誹謗中傷には、どこか階級闘争めいた側面があった、ということだ。
まったくTwitterはくだらない。
人間はなお、くだらない。
少しまとめようか。
誹謗中傷を言葉で斥けるためには、実はいくつかのポイントがある。
まずは分類から。大きくわけて3つある。
たとえば、女の子の自撮りを改変して貶めるような一線を超えた真似をするやつ。これは本人以外からも通報されるべきケース。言葉の出番ではなく、すみやかに法律で対応すべき。本人が公開していない個人情報などへの攻撃もこれにあたる。
次に、ある程度素性を知っている集団からの直接的でない誹謗中傷。単純に陰口や悪口ともいう。基本は無視しろ。相手をしても不毛だからだ。どうしても許せない場合は、巧妙に狙いすましたエアdisで討て。ツイートが集めた「いいね」で、“間接的に叩く”わけだ。直接噛み付いてきたようなときのみ果敢に応戦してボコれ。このときは通知欄がゴングになる。リプライや引用RTのほか、リスト登録やタグ登録でも喧嘩を売ることができる。
ちなみに、巧妙なエアdisには以下のようなものがある。
変なプライドをこじらせたやつには特有の謝り方があって、それは「〜したつもりはありませんでしたが、そう思わせてしまったのならすみません」というやつ。
— 朧 (@OB_RT) June 28, 2017
これ、自分の落ち度をひとつも認めていないし、謝っているように見せて実は謝罪を回避しているんだよね。
卑怯なやつだなと思う。
ただし、一般論を装ったエアdisは、その爆撃範囲や火力に応じて「どちらさまですか?」としかいいようがないクソリプの雑魚たちも釣れる。これが意外と愉しかったりするのはさておき、要するに誹謗中傷の3つめのケースはクソリプだ。
たとえば、いきなり引用RTやリプライで「うわ、こいつアホだわwww草不可避www」のようにかましてくる典型などがそれにあたる。
この手のクソリプを面白おかしくボコり倒すのは実はそう難しくない。それほど頭が良くないからだ。だれにも読まれないからクソリプを繰り返す亡者と化すわけで、かれらを慈悲の心で供養するのは、ツイッター上級者にとっては大切な清掃業務となる。とはいえ、数が集まると面倒になる。雑魚同士が連携するまえに速やかに狩れ。
コツは、相手の発言をうまく引用して自分の馬鹿を理解してもらうことだ。この手の雑魚のやっかいなところは、どんなに言い負かされても言い分の負けを絶対に認めない認知の歪みにあるんだけど、これはオーディエンスを利用するのが基本となる。素人は1対1で真面目に向き合おうとするから延々とクソリプに付き合う羽目になるんだけど、引用RTかスクショで殴るのが早い。オーディエンスに向け面白い馬鹿を紹介するイメージだ。日光にさらせばダニは死ぬ。
とはいえ、いちばん大切なことは、みんなと仲良くすることだったりする。自分と仲のいいだれかが誹謗中傷や悪口の抑止力になっていたりすることはあったし、あなた自身が抑止力になることもある。ひとりで戦うことは基本的におすすめできない。だれかと仲がいい理由で攻撃されたときのみ、ひとりで戦うべきだ。なんというか、いつも自分を読んでくれているフォロワーから愛されておくことが、誹謗中傷に対する最大の防御になるのかもしれない。そういう意味では、謂れなき誹謗中傷を斥けるのは、やはり言葉なのだろうと思った。法律ではない。言葉には言葉で逆襲するのが本来の筋道だ。
しかし、フォロワーや味方がいない場合はどうすればいいのか─?
ほんとうに困っているひとは相談してください。
タダでは動きませんが、かならず力になります。
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