見出し画像

新しい時代がやってきた

あけましておめでとうございます。

2022年 新しい時代の幕開けです。

一年の計は元旦にあり、

ということで、

毎年、年のはじめには、計画をたてたり、
一年の抱負を語り、習字などに書いたりしますが、

今年一年の抱負は決まりましたでしょうか?

私が今年、まず最初に取り掛かったのは

トゥプテン・ジンパ博士の

「恐れなき心 慈悲心を持つ勇気が人生を変える」

という本の原稿を読むことからでした。

今年2022年の春先にOEJ Booksからの出版を予定している本です。

昨年のクリスマスに、その翻訳原稿を受け取り、
一通り目を通して、

今日から、早速その校正に取り掛かることにしました。

和尚アートユニティでは、昨年、

「コンパッション育成トレーニング」(CCT)として
そのコースが始まりましたが、

トゥプテン・ジンパ博士は
このコースを創り上げた中心人物のひとりで
この彼の本は、CCTの教科書とも言える本になります。

オーラソーマがヴィッキーさんの本によって、
世界の人々に知られるようになったように、

CCTは、このトゥプテン・ジンパ博士の本によって
日本に知られるようになるでしょう。
(世界ではすでに知られています)

この本を読んで、

ひとことで感想を言うとしたら、なんだろう?
と思っていると、ふと頭にひらめいた言葉が、

「新しい時代がやってきた」

という言葉でした。

この本は、

新しい時代の価値観が変わった、

ということを、

明確に、言葉として認識させてくれました。

この2年間というもの、世界はコロナに明け暮れました。

新型コロナウイルスのおかげで、世界はパンデミックの恐怖に陥り、
ロックダウンや緊急事態宣言で、世界は分断されました。

そしてこれからはポストコロナに向けて、

どのように世界をたて直していくのか、
どのように生きていくのか、ということが問われています。

そんななかで私たちは、新しい時代に向けて、
どのように、新たな歩みを進めていけばよいのでしょうか?

そんなことを考えながら、

この本はこの今の時代に、どのような意義をもたらしてくれるのだろう?
と思いながら読み始めたのですが、

この本は、まさにこの今の時代に必要な考え方をもたらしてくれる本だ、
ということがわかりました。

ジンパ博士は、まえがきで次のように書かれています。

少し長くなりますが、その箇所を引用します。

「社会全体で、私たちは慈悲の本能が人の性質や行動の一部として果たす基本的役割を長らく無視してきた。
そして競争と私欲という見地から人の行動を説明するという、よくあるストーリーを掲げてきた。
自分たちのことを、そんな風に言い聞かせてきた。
 そのようなストーリーは、往々にして自己達成的予言となる。
 私たちのストーリーが、人は本質的に利己的で攻撃的な生き物だと言えば、
 人は誰もが自分のために生きているとみなすようになる。
『食うか食われるかの世界』にあって、
 他者は競争相手であり、敵対していると考えるほうが論理的に見えてくる。
そうなると他者を見る目は、連帯感や絆ではなく、
 不安や怖れ、疑惑に満ちたものになる。
これとは対照的に、
もし私たちを語るストーリーが、
人とは生まれながらに慈悲心と親切心に恵まれた社会的動物であり、
 私たちの幸福は他者と分かちがたく絡み合っていて、
 根底から支え合う存在だとするなら、
私たちの世界の見方、そしてそこでの立ち居振る舞いはまったく違ったものになるだろう。
その意味で、人が自分についてどう語るかは、極めて根源的なレベルで重要になる。」

  トゥプテン・ジンパ「恐れなき心」より

私たちはこれまで自分たちの世界をダーウィンの目で見てきました。

この世界は、野生動物の世界のように、食うか食われるかの適者生存の世界であり、
そのような競争に生き残ったものだけが進化できる、と。

しかしジンパ博士は言います。

慈悲心は本能なのだ、と。

人とは生まれながらに慈悲心と親切心を持って生まれた社会的動物であると。

だから私たちの幸福は他者と分かちがたく絡み合っていて、
お互いの相互依存の中にある。

だから、自分だけの幸せというものでは不十分で、
他者も幸せであってこそ本当の幸せがあるのだと。

そのように私たちの見方が変わったら、世界はどうなるだろう?

私たちは資本主義社会の中での適者生存を強いられてきました。

しかし、それで果たして私たちは本当に幸せになれるのでしょうか?

どんなにお金持ちになって、物質的に豊かになっても
どこかに満たされないものが残ります。

それは心の豊かさが欠けているからです。

その心の豊かさとは思いやりの心であり、
慈悲の心なのです。

それは私たちの本能でもあり、それが満たされない限り
本当には幸せになれないようにできている、

とジンパ博士は語ります。

ジンパ博士は、自分の数奇な生い立ちから、西洋と東洋の融合
古典的チベット仏教の伝統を現代の世界に伝えることが自分の運命だと
語っておられます。

それは物質主義的な西洋の価値観と、
精神主義的な東洋の価値観の融合でもあります。

それがこれからの新しい時代が求めていることであり、

現代社会が今直面しているコロナの苦難を克服して、
私たちがさらに先の人生へと歩んでいく道だと思われます。

和尚アートユニティは、私たちが、そんな新しい時代へと
歩みを進めていくためのものを提供していきたいと願っています。

昨年中はお世話になりました。
今年もよろしくお願い致します。

2022年がすばらしい一年になりますように。

最後になりましたが、

コンパッション実践回(朝の1時間)を1月5日に開催します。
慈悲心を練習する機会です。

無料で誰でもご参加できますので、よろしければ、ぜひどうぞ。

OAU
えたに


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?