ヘンプシード(麻の実)の驚異的なパワー
大麻草の種子(ヘンプシード)は栄養の宝庫であることをご存知ですか?
麻の実(ヘンプシード)はいろんな料理にも使える美味しい食べ物。
私たちの健康にとっても非常に重要な栄養素が多く含まれるスーパーフードです。
※こちらの元記事は以下となります
麻の実(ヘンプシード)を加工した製品としては、圧搾で抽出した油(麻の実の油・ヘンプシードオイル・ヘンプオイル)、種子の殻を取り除いた種(ヘンプシードナッツ等)、脱脂した種子を殻まで粉砕した粉末系(ヘンプパウダーやヘンププロテインパウダーなど)などがあります。
ただ、大麻なので法的にも大麻取締法が存在するのに「どうして??」「食べても良いの??合法なの?」と思う人も多いかもしれません。
大麻の種子でありながら、私たちの生活の中に溶け込んでいて身近な存在でもあるのは、何か変だなあ??と感じるのも当然ですよね。
実は大麻の種子(ヘンプシード)は、七味唐辛子などのスパイスにも含まれているように、法的にも全く問題がない合法なものです。
もちろん大麻草の花穂・葉っぱ・根っこなどは全て法的にNGとなります。しかし茎と種子については大麻取締法でもOKとされているのです。
◉麻の実(ヘンプシード)の隠された能力(チカラ)
大麻草の種子(麻の実)は、他の単体の植物には見られない単体植物のなかでは最強の「完璧なタンパク源」といわれています。
特にヘンプシードオイル(圧搾した油)は、我々の健康に優れた作用を及ぼすことでも有名です。
ヘンプシードオイルは飽和脂肪酸の含有量が少なく、油の総容積のわずか8%ほどしかありません。リノール酸を55%、リノレン酸を25%含むとともに、免疫反応に作用するといわれている脂肪酸が多く含まれています。
また脳や血管、美肌などにも良いリノレン酸(オメガ3系脂肪酸)も多く含まれているのは凄いこと。
リノール酸とリノレン酸は、食物からエネルギーを摂取し、体の中を循環させる機能と関係しています。肺の中の空気を酸素に還元することによって全細胞に酸素を供給することを強化してくれるのです。
さらにリノール酸とリノレン酸は、非常に薄くて表面境界層を作る特質を持っています。そのため毒素を皮膚の表面や膵臓や肺などの臓器の表面に出現させて浄化させる効果も期待できます。
実はリノール酸やリノレン酸は繊細な性質のため、精製に伴う処理や保管方法が悪いと、空気や光に触れてすぐに毒素に分解される特徴を持っています。
しかし大麻草の種子は殻に覆われているので、ビタミンなどの栄養素を腐敗から守ることができています。
鉄・銅・亜鉛・マグネシウムなどの栄養もあり、血糖値、血圧、コレストロールを下げるだけでなく、人間にとって大切なタンパク質と脂肪酸を効果的に同時に摂取することができる、まさにスーパーフードなのですね。
ちなみに昔は結核などの治療にも麻の実が使われていたようです。
栄養失調への対策として、安価で良質なタンパク質が得られることが1955年のチェコスロバキアにおける結核の栄養学研究により判明しています。
◉麻の実(ヘンプシード)を使ったオススメのレシピ
白身魚と麻の実を使ったヘンプシードレシピと自宅で簡単に作れるヘンプシードミルクの作り方をご紹介しましょう。
★白身魚の麻の実フライ★
1:白身魚を一口大に切って塩コショウを適度にふってください。
2:小麦粉と片栗粉を合わせ水で溶いてください。
3:市販されている麻の実のナッツを白身魚の全面に手でまぶしてつけてください。
4:その白身魚を170℃の油で揚げてレモンを上から搾って完成!
★自家製ヘンプミルク★
1:市販の麻の実ナッツと水を一緒にミキサーに10秒かけます。
2:それを鍋に移して40℃までしばらく温めます。
3:最後に漉し器でこして完成です。シロップなどで甘みをつけてもOK
クックパッドでも麻の実レシピ例がたくさんありますね。
・クックパッド麻の実を利用したレシピ集
◉大麻(ヘンプ)が禁止されてきた理由
大麻というキーワードは、現在の日本では、危険で法律でも禁じられたダークなイメージが定着しています。
しかし実は大麻は昔から日本でも愛されていた植物であったことはあまり知られていません。
例えば日本の神様の総本山でもある伊勢神宮で頂く御神札(お札)の正式名称は「神宮大麻」と呼ばれており、お祓いなどでも使用される道具(神具)を「大麻(おおぬさ)」 と呼ばれているのです。
そういえば神社のしめ縄も麻で作られていますよね。
お相撲さんが身につける化粧まわしも麻で作られていますし、七味唐辛子(※黒い粒は麻の実です)にもありますね。
意外なところで麻は活用されているのです。
ここ日本で大麻が禁止されるようになったのは第2次世界大戦後のことであり、その経緯については諸説はありますが、米国占領軍が日本人の精神的支柱であった神道の影響力を弱めるためであったり、当時はアメリカでも製紙産業・石油産業・繊維産業を支援するビジネス目的から、お金のかからない植物である大麻から紙や衣服・石油が作られるのを意図的に禁じていたこともあり、そのアメリカの意向もあったのではないかとも言われています。
戦前は貴重な繊維・食糧として日本政府推奨のもとで大麻栽培が盛んでしたが、大麻取締法により減少の一途をたどります。
昭和23年の大麻取締法の施行前に約2万戸あった麻を作る農家は、大麻取締法の施行後約3年でその数は50にまで激減したそうです。
また日本では昔から日本薬局方(医薬品の規格書)でも、「印度大麻草」として大麻草を活用した医薬が紹介されており、ぜんそくなどへの特効薬、鎮痛・鎮静剤として記載されて現場の医師から患者へ処方がされていました。
このように大麻は日本人の生活にごく身近な存在でもあったのです。
さらに詳しく大麻の歴史を知りたい方は下記の記事をお読みください。
・日本で大麻が禁止された謎に迫る!?
世界では医療用大麻の解禁からスタートして、現在では嗜好大麻(マリファナ)まで法的にOKとする国や州などが増えています。
アジアでも韓国がつい最近、医療用大麻の解禁を施行しました。韓国は日本人の医療用大麻のニーズも考えていることでしょう。例えば医療用大麻ツアーなども病気に悩む日本人の患者に対して提供することも可能性としてはあり得ます。
今回の記事で取り上げたのは麻の実(ヘンプシード)でしたが、この私たちの生活に馴染んでいる麻の実(ヘンプシード)を食することで、少しでも多くの人々が大麻の存在を身近に感じていただけたら嬉しい限りです。