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毎日料理が作れるならビジネスも同じ感覚で作れる。「日々の営み」を獲得する方法について

僕はビジネスをやって生活してます。個人で生計を立てて9年です。「あなたみたいな生活がしたい」と言われることも多いのですが、「難しくないからやったらいいじゃん」といつも思っています。

でもみんな「難しいですね」って言います。難しくないものをやる前から「難しいですね」って言います。

「難しいって言うから難しくなるんだよ」と思うのですが、そんなこと言ったって仕方がないので「あなたにもできると思いますよ」以上のことが言えません。



僕は自分で仕事を作って生きることを9年やってきてるので、「自分でビジネスをやって生計を立てることが難しい」と考えている人の気持ちを完全に理解することがもうできません。当たり前になっちゃってるからですね。

だから僕がいくら「簡単ですよ!イージーではないですけどシンプルではあるので!」と伝えたところで、意味がないわけです。うーん、なんとかこの感覚を伝える方法はないかな。

と、いうことで今日は「自分でビジネスをやるってこういう感覚に近いよ」と小話をひとつやりたいと思います。





「ビジネスを作る」に最も近い感覚は『料理』


基本、うちの家庭の料理は僕が全てやります。買い出し、献立(男料理なのであんまり数ないけど)、調理、後片付けと皿洗い、調味料の補充、ごみすて、買い物先の選定や仕入れ金額の最適化など、『料理』に付随したタスクは基本全て僕が行います。

料理の担当というより「家族の飲食の担当」が僕なので、「今日は料理をしないで外食する」という判断も、外食先の決定、店への移動の運転、支払い、などなど全て僕。うちの家庭の「たべる」という行為は責任を持ってやっています。


「たべる」というのはそこに点として存在する行為ではなく、「つくれる状態を準備する」と「つくる」を繰り返し行うことで成立します。単体のタスクではないのです。

料理を日頃しない人は「つくればいいんでしょ、そんなの簡単だよ」と思うかもしれませんが、レシピをみて「つくる」のは「つくりつづける」と全く違う行為です。




「料理をその瞬間つくる」ことと「料理を毎日の営みとしてつくりつづける」ことは全く違います。

例えるなら日曜の午後にお父さんがドヤ顔でつくるスパイスカレー。あれは『料理』ではあるけれど『営み』ではありません。

なんでいきなり料理の話をしたかというと、ビジネスを作ることも全く同じだからです。ビジネスは『営み』であり、下準備があり、仕事をしたらすぐに次の準備がはじまる。同じです。


素人はレシピを求め、レシピ通りに作れたら「それが料理だ!」と思う。そりゃ材料が揃ってて、美味しく食べて後片付けもしない、明日の献立も考えなくていいなら料理は楽しい以外の何者でもないですよ。

なぜ夕食を食べて間もないお母さんがダイニングテーブルでゆっくりお茶を飲まず、すぐに腕まくりをして皿を洗い始めるか知ってますか?今洗っておかないと明日の朝が困るからですよ。


家族が「夕食の余韻」に浸っている瞬間にお母さんだけが「明日の朝食の準備」を始めている。これが『営み』です

でもお父さんだって会社では同じことをやっているわけです。仕事で疲れて帰っている最中だって明日の仕事のことを考えている。準備と根回しを繰り返しながら『仕事』を営んでいる。

営むものが違うだけ。




「営み」に必要なのは「レシピ」ではない


「料理をつくるという営み」を日常的にやっているあなたに質問です。あなたがその「営み」を手に入れるためにやってきたことはなんですか?きっと「レシピが手に入ったから」ではないと思うんですよね。

ちなみに僕が料理を営むようになったのは、『約束』でした。僕が料理を始めたのは起業してからなんですよね。25歳くらいだったと思います。


売上が出なくなって家賃が払えなくなったから、妻に交換条件として「ご飯を作るから家賃を出してくれませんか」と交渉したことがきっかけ。

別に元から料理が好きだったとか全くなくて、単純にお金に困ったからでした。唐揚げも焦がすし業務スーパーに行っても何を買って良いのか全くわからない。

その状態から「でも約束したから作らないとな…」という気持ちだけで、毎日料理していたら、気づいたら営めるようになってました。




レシピなんて検索しても意味がないんですよね。僕だって仕事してて時間がないし、「レシピを見る→買い物に行く」なんてことを繰り返していたら営みにならない。

「とりあえず使えそうなもの買う→とりあえず作れそうなものを作る」を繰り返して、買い物に行く回数や経済的なバランスを取れるようになってきました。

これはビジネスを作る時も全く同じで、とりあえず使えそうなものを使って稼ぎ、稼いだお金で使えそうなものを持ってくる、この繰り返しでしか営みは身につかないんですよ。

料理を作る習慣がない夫にレシピを渡したらどうなるか?良くて「今日の晩御飯が楽」くらいでしょうね。営みは発生しない。



「ご飯を作った後はお皿を洗ってね」と言われても、なんで洗わなければいけないのかがわからない。だから後回しになって、「なんで洗ってないの!?」と喧嘩になり、「後でやろうと思ってたんだけど?!」と反論され、「後で、じゃ意味がないんだけど???!!!!!」と争いになる。

争ったおかげで余計なタスクが増え、「こんなことならもう自分でやるわ」と不貞腐れて終わり。ああ無情。

後日別のことで喧嘩した時、「あなたはこの間の料理の時もそうだった、私がどれだけタスクに追われてるかわかってないでしょ???!!!」「俺だって必死に家族養ってんだよ、自分ばっかり大変だと思うなよ!!!!!」はい、妖怪大戦争です。



家庭のいざこざは「営み」の感覚がわからないことで9割くらい起きてると思います。



営みはやってみないとわからない


少々話がそれましたが、ビジネスも料理と同じ『営み』なので、外から見ているだけじゃ何もわかりません。旦那さんに料理を営ませたいなら、奥さんはレシピを渡してはいけないのです。

ではどうするか?


営みを経験してもらうしかありません。

「私はもう1週間料理しない。あなたに任せる」と言う。これは一例ですが、営まざるを得ない状況を作らないといけないわけですね。

任せる側も大変ですよ。自分で作った方が100%早いし、味も美味しい。食べ終わった後のシンクもぐちゃぐちゃでしょう。



それでも任せ続けられるか?

そんなこと普通はできないですよね。旦那さんも仕事があるし。できないから『つくる営み』があなたの手元にあるってことです。

あなたが営まないと困るから、あなたが営んでいる。


つまり営みとは「あなたがやらないとあなたが困るから、仕方なくあなたがやっていること」であるとも言えるんじゃないでしょうか。

ビジネスに置き換えて考えるなら、「あなたがやらなくても誰も困らないし、あなた自身も困らない」なら、営みは発生しなくて当然です。




営みは「仕方なく」起こるもの


起業の難しさの本質ってここにあると思うんですよね。誰もあなたの自己実現なんて応援していない。「お願いだからあなたに起業して欲しいんだ、あなたのために」なんてことは誰からも言われないわけです。

起業しようと思ってブログ書いた。誰からも反応がない。書かなくても誰も文句言わない。

むしろ一生懸命書いている姿を見て「そんなことやってる暇があったら子供の面倒見てよ」「起業なんて夢見てないで働けば?」なんて言われる。

さあ人間はこの状態で営みを獲得できるのでしょうか。



だから僕は「1秒でも早く売りましょう」って言ってます。お客さんができてしまえば、「営まざるを得ない」ので。

僕は早い時期からお客さんを獲得したおかげで、「やめたいと思っても多少のことではやめられない」という状況になりました。強制力が働くからですね。

「辞めたいなら会社もすぐに辞めましょう」とも言ってます。会社を辞めちゃったら、ビジネスで稼ぐ理由ができるじゃないですか。

会社を続けながら細々と副業で〜というスタイルは経済的には合理的ですが、営みを作ると言う視点では不向きです。稼ぐ理由がないから。


「独立したい〜」と思いながら3年も4年も経って、ダメージがなんもない。この状況で営みは発生しにくいです。



「稼ぐ→好きなことをやる」という発想を逆にする


僕は起業の相談を日常から受ける生活をしているので思うことなのですが、「起業したい」と思っている人の多くは「起業したら好きなことができる」という考えであることがほとんどです。

起業して稼いだら会社を辞めて独立したい。好きなところに住みたい。時間に余裕のある生活をしたい。

でもそれが叶わない(と本人は思っている)から、今の生活スタイルをやっているわけです。そこにも『営み』が発生しているわけですね。「いやだなあ」と思いながら働いて、自由な時間がなくて、それでもこの生活を続けるという営み。




つまりこの状態は「起業」はしていないけれど「起業ではない営み」は発生しているわけです。この営みを変えずに「起業して稼ぐ」という結果だけを変えるのは難しいわけなんですね。

「起業しないと死んじゃうかも」と思ったら誰だって起業するわけです。つまり人は『強制力』に突き動かされて生きている。

だから好きなことを先にやっちゃって、会社を辞めちゃって、好きな場所に住んじゃえばいいんです。今までの『営み』が破壊されてしまえば、新しい『営み』を再構築するしかないから。




稼げてもないのに会社辞めたら困っちゃうじゃん!


そうなんです。困るんですよね。困っていいんです。いや、むしろ困らなきゃダメなんです。困った時にしか「新しいことをする必要性」って生まれなくて、『営み』は獲得できないから。

僕が「つくるという営み」を獲得した時もそうでした。家賃が出せないから、つくるしかなかった。



「ビジネスという営み」も同じことが言えます。売っちゃったからサービス提供を続けるしかない。お客さんに損をさせるような取引は継続できないから、自分を高め続けるしかない。生活があるから売り続けるしかない。

獲得している『営み』の全ては「やらないと困る」という状況があったから獲得しています。

同時に「獲得できていない営み」の全ては「やらなくても困らない」から獲得できていないとも言えます。




新しい『営み』を獲得したいなら困るしかない


なのでこれから新しい『営み』を身につけたいのであれば、「やらないと困る」という状況を作る必要があると僕は考えているんですね。

いつも美味しい料理を作ってくれる奥さんが急にキッチンに立たなくなったら、旦那さんは嫌でも食事のことを考えるようになる。

逆にいつも働いてお金を稼いでくる旦那さんが急に働かなくなったら…?奥さんはお金を稼ぎに外へ出ざるを得ないでしょう。


営みを獲得するためには「営まざるを得ない方法」を作ることです。

そこまでしてビジネスやりたいわけじゃないんだよな…と思うのであれば、今の生活を楽しんだらいいと思います。嫌味とかじゃなくて。


ビジネスで生計を立てている人たちは「ビジネスで生計を立てないと困る状況にあった人たち」です。

やりたくてやりたくて仕方ない人たちがひしめき合っている世界なので、基準値も全然違います。片手間でどうにかなる世界ではない。

それでも「ビジネスをやりたいんだ!!」と意思を曲げない愛すべき馬鹿野郎さんへ、同じ馬鹿野郎からメッセージを送って今日の文章は終わりにしたいと思います。



今の生活を捨てる覚悟がありますか?


これから起業したいあなたの人生は、起業しなくても成り立つ人生だったはずです。だから今起業しておらず、「起業したい」と願っている。

今のあなたは「起業したい人」です。ずっと思い願ってるだけ。思い願っているだけで何も変えなくても生活が成立する人。誰もあなたの起業の成功を願っていない。


だからまずその状況を変えたらいいんじゃないすかね。時間がないなら仕事は変えるとか。無職になれって言ってんじゃないからね。必要最低限のお金だけ稼いで、ビジネスに投下する時間を作ることが目的。

どうせ起業して稼げたら辞めるつもりの職場なんだったら、早く辞めるのもありだよね。生活を少しずつ「起業したい人」から「起業している人」に変えたらいいね。


あとはコストを投下すること。主に時間とお金。ビジネスとは「先行投資をして大きくリターンを得るもの」なので、リターンが得られそうな場所に自分の持っているリソースをぶっ込む。

起業して稼いでる人はみんな当たり前にそうしてる。そういう視点で見ると会社員は「約束してもらってから時間を投下する」なので先行投資じゃないね。

逆に会社側は社員に「働いてもらう前から給料を約束してる」わけだから、先行投資してる。どっちがリターンデカいのって話だね。


僕も日々先行投資をしている。この文章だってそう。この記事は無料で読めているはず。でも僕の時給は結構高いよ。直接お金は払ってないけど、人件費として数万円単位のコストがこの文章にはかかっている。

それでもあなたが無料で読めるのには理由がある。なぜだか考えてみて。



「これだけ投資してるんだから、成功できないと困る」という状況まで自分を追い込むのも、個人的には良きだと思う。ただ、人にはお勧めしづらいかな。

公の場だとどうしても「あなたのペースでやればいいんですよ!」と言わざるを得ない。でも自分は「突っ込むところまで突っ込んでから回収」ということを繰り返してきたタイプなので、ほんのり伝えておく。

限界を越えないと見えない世界はあるので…




以上!今日の営みはこれで終わり!

参考になったらスキしてね!それでは!


今日のブログは1歳児が書いていました。
おはなし屋なおとだと思った?あおいちゃんでした!



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【おはなし屋なおとのプロフィール】

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