「地層化」現象と「原記号化作用」

「地層化」について、その本質は、物質に形を与え、安定したシステムのうちに強度を閉じ込め、特異性を固定して、地球というこの身体に大小の分子を構成し、それらの分子をさらにモル状の集合体へと組み入れていくところにある、そうドゥルーズ=ガタリは説明している(「道徳の地層学」、『千のプラトー』)。

かつ、地層とは捕獲である、という捉え方が面白い。これは読み進めている「チベットのモーツアルト」の、作者の中沢新一(敬称略)が、ジュリア・クリステヴァの「原記号化作用」の現場に迫りながら記述している部分と、同じようなことを言っているのじゃないか、と思った。