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アンリ・ベルクソン『道徳と宗教の二つの源泉』レポート (2020年度金沢美術工芸大学「芸術と批評」担当教員:同大学教授高橋明彦)
本稿は、アンリ・ベルクソン『道徳と宗教の二つの源泉』(ちくま学芸文庫、合田正人・小野浩太郎訳、2015年)を用いた2020年度の講義「芸術と批評」(担当教員:金沢美術工芸大学教授 高橋明彦)の内容をまとめたものである。
20世紀フランスを代表する哲学者ベルクソン(1859-1941)は、デカルト以来の心身二元論を時間論に展開した上で、「自由はいかにして可能か」という問題に取り組んだ。ベルクソン
「幻影制作術」としての
わたしは以前「表現について」というテキストで「情報」を意味する"information"という語を持ち出したのですが、今回はその背景にあった「フォーム」ついて、谷川渥『美のバロキスム 芸術学講義』(武蔵野美術大学出版局、2006年)https://www.musabi.co.jp/books/b163174/の一章「絵画のフォルムとアンフォルム」を参考に、古代ギリシャの哲学者プラトンのイデア論か
もっとみる令和二年度愛知県立芸術大学卒業・修了制作展:イソムラミキ作品に寄せて「#25歳女性の場合」
西洋占星術では、2020年12月22日に所有が尊ばれた従来の「土の時代」から、共有に重きを置く「風の時代」に移ったとされてる⑴。こうした星々の節目以前に、個人所有の住居の空き部屋等を他人に貸し出すインターネット上のサービスであるAirbnbや、自家用車を利用した配車サービスであるUber、Lyft等のシェリングサービスが中心に利用者を増やしている⑵。SNSの発達や地球資源の限界もあいまって、時代
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