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いつか夢の舞台へと


M!LK CONCERT TOUR 2023「CHECKMATE」
お疲れ様でした。
最終公演まで全員で完走できたこと、まずこれが激烈に嬉しい。当たり前ではない。このことに改めて感謝しないといけないなと気づけたのは、コロナ禍で得た数少ない副産物かもしれない。
「ドームへの王手をかける」。正直この言葉を聞いてからずっと、きっと最終日にスンゲ〜お知らせがあるんだろうな♪ とぼんやり予想はしていた。横浜アリーナが♪ 家で冷えてる♪ 心ウキウキワクワク♪ 冷やすな。

ツアー最終日である5月7日。本編が幕を閉じ、アンコールもお手振りタイムもあっという間に過ぎ去った。舜太くんの掛け声で最後の挨拶を終え、五つの玉座を残し誰もいなくなったチェス盤の床を、バルコニー席から眺めていた。
昨年の夏、EBiDAN THE LIVEが開催されたこの会場に、M!LKだけで立っていたということ。自身最大のキャパとなるこの東京公演を含め、全公演、全席(注釈指定席まで!)チケットが完売したこと。色とりどりのペンライトと三年ぶりに解禁された歓声が、彼らを揺らし、包み込み、輝かせていたこと。終わってしまったけれど確かに存在していた夢のような時間に思いを馳せ、手のひらがぴりぴりと痺れ真っ赤になるほど、ひたすらに拍手をした。
そこからの記憶は殆どない。




YouTube ティザー映像より













横アリって、横アリ?









横アリ。



















気づけばわたしは規制退場の列に揉まれ、出口でスタッフの方に頂いたチラシを片手に、これしか言えないマシーンになっていた。天を仰いだら涙でグチャグチャになった自分の顔と、色とりどりの傘が鏡張りの天井に映っていた。
そのままわたしは雨でビッシャビシャに濡れながら、満身創痍でホテルに戻った。ライブ直後のくせに元気いっぱいのM!LK御一行が生配信をしてくださるとのことなので、開始予定時間の22時までに "風呂済み" にならなくてはいけない。わたしは服を全部脱ぎ、無心で湯船にお湯を張り始めた。たきたさん、脱ぐの早すぎませんか? こうでもしないと永遠に風呂に入れないんです。

浴槽を眺めながら、わたしは「何がM!LKのライブをキラキラたらしめているのか?」と考えてみることにした。キラキラな方々が歌って踊っていれば問答無用でキラキラするものなのだが、そういうことじゃない。それ以上の何かが、M!LKのライブにはある。

太智くんが手がけるライブ演出はまさにテーマパークそのもので、彼の原体験がそのまま柔軟な発想と構成に反映されているように思う。カラフルで楽しくてワクワクして、終わりが近づくにつれてちょっと切なくて。でもきっと、また会えるよね。そんな淡い希望を抱かせてくれる。「楽しい」というエネルギーが内側から溢れ出て、ステージに立てることへの喜びがひしひしと伝わってくるのだ。
彼の頭の中にある物語を実際のセットや映像に落とし込む作業は、きっと我々が思っている以上に大変だろう。しかし一切妥協をせず、一緒にこだわり、最高のものを作り上げてくれる演出チームには頭が上がらない。

お洋服が大好きな柔太朗くんがかねてから夢のひとつとして挙げていた「メンバーの衣装をデザインすること」。さまざまな立場に立って物事を考えられる柔太朗くんだからこそ生み出せる唯一無二の衣装も、彼らにより一層強い輝きを纏わせる。
デザインはもちろん、一人一人の好みや体型、静でも動でも綺麗に見えるように、スパンコールのひとつひとつまで計算し尽くされたそれは、生で見てもモニターで見ても写真で見ても、息を飲むほど美しい。ただ派手なだけでなく、強さの中にM!LKらしい上品な華やかさがある。

メンバーが制作チームに加わったことで、思い描いているものをより高い解像度で実現できるようになったこと。そして、ライブを作り上げることの大変さをより身近に、肌で感じるようになったこと。そのことが、M!LKというグループ全体がライブに対して抱く「愛着」を増強させ、それがキラキラに顕現して、ステージを彩っていたのだろうとわたしは思う。
(今回は太智くんと柔太朗くんにフォーカスを当てて考えてみたが、もちろん二人に限ったことではない。一流企業M!LKはすぐに会議を開くから、夜遅くまでみんなで意見を交換し、一緒になって考えていたのだろう。毎日忙しいのに。人としてレベルが高すぎる)

2時間ちょいで終わってしまうあの一瞬の輝きのために、チームM!LKは2ヶ月も3ヶ月も、もっともっと前から、「来てくれる人を楽しませること」「み!るきーずをドームに連れて行くこと」を原動力にして動いている。
自分たちが作り出す空間に矜持とたっぷりの愛着を持って、満を持して届けてくれることがとても嬉しい。
M!LKは今日も、絶え間なくキラキラを生み出している。アイドルでいてくれて、輝き続ける日々を楽しんでくれて、ありがとうございます。

本音を言うと、M!LKになりたい。(この発言は、女児の言う「あたちプリキュアになりたい」「あたちはシンデレラがいい」等と同義なので、どうか石を投げないでください)でもなれるわけがないから、それならせめて、自己満足に過ぎないが、M!LKのキラキラを受け止められる資格のある人間になりたい。彼らが与えてくれるキラキラを「美しい」と思える心を育て、磨いていきたい。そう思わせてくれるM!LKって、やはり最高の、自慢の推したちなのだ。アイドルでいてくれてありがとうございます(二回目)

こんなことを呑気に考えていたら普通にメチャクチャ生配信の時間が迫っており、せっかくお湯を張った湯船には10秒程しか浸からずに出た。


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