パーキンソン病の姿勢制御・転倒特性について
パーキンソン病における転倒のカットオフ値に関して,BBS,TUG,Mini-BESTestの評価指標の結果を以前投稿しました.
僕は病院で勤務をしていますが,実生活場面での転倒状況を把握し,自立や転倒予防へ向けた介入や環境調整を図ります.
実際に転倒が起こった状況を把握・再現したトップダウンでの動作評価を行います.
しかし,
☑︎病院という環境の特性上,完全な再現が難しいこと
☑︎在宅と病院で生活スタイルが異なること
☑︎活動量が異なること
☑︎予後を見据えた上で,転倒のない状況ではあるが,転倒リスクの高い動作への介入も必要
ゆえに,トップダウンでの動作評価のみでは不十分であり,バランス評価によるボトムアップでの問題点の吸い上げも同時に行っていく必要があります.
ここに,前回報告したカットオフ値も参照します(退院後を考えると.前向き研究を参照が良い).
では,われわれリハビリテーション職種が評価するバランス評価指標は,パーキンソン病における転倒特性を網羅できているのか?
といった疑問が残ります.
答えは,できている! が正解なのですが,網羅しているバランス評価指標は1つだけなのです.
「BESTest」これは前回でも取り上げた指標ですが,網羅するということは,それだけ評価に時間を要するということです.時間にすると40〜60分ほど.
なかなか,臨床場面で,全ての症例に,一評価指標だけにこれだけの時間をかけるのは,難しい環境もあるかと思います.
そのため,パーキンソン病はどのような姿勢制御特性や転倒特性があるのか,
知識として持っておくことができれば,其々の評価の一部を組み合わせることで,転倒リスクの把握は可能となるのではないかと思い,今回の記事投稿としました.
過去一番に,前置きが長くなったような気がします(笑).
早速,本題です.
今日お伝えしたい内容は大きく4点.
☑︎側方の重心動揺が独立因子である可能性
☑︎側方の姿勢応答が,サイドステップ,もしくはクロスオーバーステップで,転倒リスクが異なる
☑︎外乱時の筋活動は早期から,かつ大きな同時収縮を呈する
☑︎姿勢によって注意機能の動員は異なる
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