料理で成功体験を積み重ねる
ああ、今日も駄目駄目だったなあ。
とぼとぼ歩く帰り道。
ああ、ずっとベッドに寝転んで重力に従ってしまったなあ。
疲れすぎてなんにもできなかった休みの日。
無駄に過ごしてしまった時間と地にめり込んだ肯定感を取り戻すため、少しでも生産性のある行いをしようとする。
私がよくやるのは「料理」。
といっても手の込んだ料理をする気力はないので、作業が少ないコトコト煮込むタイプ。
時間があるときは煮物、ないときはお味噌汁。
和食が好きなのもあるが、煮物といえばおばあちゃんがよく作ってくれたことを思い出す。
煮物を食べると温かい気持ちになる。おばあちゃんが作る味には敵わないけれど。
野菜をトントン、無心で切る。包丁がまな板に下りるという音が心地いい。
トントン、トントン、トントン、トントンーー。
野菜とお肉とこんにゃく、それから調味料をコトコト、無心で煮込む。
コトコト、コトコト、コトコト、コトコトーー。
煮物のいい香りがして、心が落ち着く。疲れているときは、たとえ夏でも温かいものを食べたくなる。温かい料理は心も暖まる。
食事から身体に栄養が流れ込む。
ちゃんと生活できてる。自分、毎日お疲れ様。
一人暮らしで誰も褒めてはくれないから、自分で褒めて労って機嫌をとる。
たぶん私、味付けの天才。
コレとコレを組み合わせれば美味しくなる!って確信がある。あくまで私の好みの味付けに置いてだが。
料理でもなんでもいい。
何もできなかったダメダメな日に追い討ちをかけるより、成功体験の積み重ねでちょっとずつ自分を受け入れたい。