二級建築士 独学合格体験記 その5 ~テキスト選び~
どんなテキストや問題集を買ったのか
今回は私が実際に使用したテキストや問題集を紹介します。
役に立ったもの、要らなかったものなど色々ありました。
最終的には書店やネットの試し読みなどで内容や見た目、書き方などご自身に合うかどうか確認して、チョイスしていただければ良いでしょう。
結論としては法令集、問題集、「過去問.com」は必須。
あとは自分の不足を補うための入門書やサブテキストがあれば十分です。
建築系の学校で学ばれている方で知識があるならば、必須の3点だけでどうにかなる気がします。
未知の領域 構造計算
一番最初に購入したのは構造計算の入門書と入門用の問題集です。
資格学校が出しているテキストを見ても、基礎を知っていることが前提な上に回答が薄すぎて私にはまったく理解できませんでした。
そこで、まずはこれから始めました。
いきなり構造計算に入らず、序盤は方程式の解き方など根本的な計算の仕方からやり直せるので、高校以来数学と縁がなくても取り組みやすいテキストでした。
ちなみに最終章は二級建築士試験では問われないので手を付けませんでした。
好みが分かれる法令集
法規の試験では法令集の持ち込みが許可されています。
法令集とは法律の辞書のようなものです。
試験は問題に対して法令集を引いて正誤を調べて回答するため、持ち込まなくても良いですが、無いと相当に厳しいです。
法令集のページを引き易くするために、認められている範囲で付箋を貼ったり、重要カ所にマーカーを引くといった法令集を「作る」作業は必須です。
法令集は各資格学校の出版社から出ており、どれを使うかは自由です。
ただし、持ち込みが認められているものが決まっているので試験サイトをしっかり確認してください。
私が使用したのはTACさんから出ている法令集でした。
この法令集の良いところはサイズが大きいことです。
本が小さいと開きにくく、文字も小さくなると見にくかったので法令集の中でも大判のこちらを選びました。
2色カラーや文字も横書きで見やすいのもポイントです。
デメリットとしては大きいので机の面積を圧迫することくらいです。
またセパレート型になっており、よく使うパートとサブ的なパートの2冊構成になっておりとても使いやすかったです。
大判かつ分冊になるので、付箋が前後で重なって渋滞しにくいところが良かったです。
地味にありがたかったところは文章中に関連項目が記載されているページの表記があることです。
この書き込みはギリ許される範囲なので、いちいち自分で書かなくて済むこと、書き込んで見づらくなることがないのでとても助かりましたし、追記したいところも同じように書けば問題はないという安心感がありました。
付箋や重要項目の線引き集も付いてきますが自作しました。
自作が面倒という方は使っても良いかもしれません。
受験当時は法令集の線引きカ所を示した「線引き集」は法令集に挟まっているハガキに、住所や氏名を記入し、各資格学校からの勧誘電話を受けないと貰えない仕組みになっていました。
ところがTACさんは線引き集がweb公開されていて、その煩わしさがなく好感が持てたところも、この法令集を選んだ決め手でした。
それでも内容が足りないと感じて、その線引き集は使わず仕舞いだったのですが……
法令集を作るための1冊
先に述べた法令集の線引きや付箋貼りの参考にしたのはこちらです。
少し古いので最新の法令には足りない部分があるかもしれませんが、基本的なところは押さえられます。
不足部は問題を解きながら、線引きされていない箇所が問われるたびに追加で線を引いたり付箋を追加しました。
この本をテキストに実際に著者が線引きをしている動画はこちらです。
書籍だけでは分かりづらいことも解説してくれていますし、実際にどこに線を引いているのか確認できるので、動画も重宝しました。
ただ、時間のかかる作業なので1.5倍速くらいで見て、線引きのときに止めるといった具合で利用していました。
おそらく一級建築士試験の範囲も含まれているので、少し遠回りな気もしますが、法令集に付いてくる付箋や線引き集を活用するよりも使い勝手が良いものになったと感じています。
ざっとでも解説を聞きながらの作業は実際に問題を解き始めて「あのとき話してたのはこれか~」と思うことが多かったので、結構オススメです。
法規のサブテキスト
法規の概要を掴むために読んだ一冊です。
先の法令集を作るための本と同じ著者の物です。
著者が同じなので法令集作りと合わせて使用し、日中で仕事に出ているときにこちらを読んで、帰宅してから同じ単元の線引きをするというように活用しました。
法令集も法規の問題も堅い表現や、付け足した文章が多く一読しただけでは何を言いたいのか分からないことが多いのですが、この本では図やイラストを用いて、法規を分かりやすく解説してくれているので、非常に役立ちました。
何かと試験が近くなっても気になるところを読み直していましたね。
法規に初めて触れるのであれば、読んでおいて損はないかと思います。
問題集とテキストもお好みで
問題集とテキストも各資格学校から発売されます。
これも法令集同様、好みで良いと思います。
私は学校の名前を知っていたからという理由で日建学院の物を選びました。
要らなかったテキスト
前年の12月には発売されていてとりあえず買ってみましたが、1度読んでそれきりでした。
正直無くても問題なかったです。
内容もそこまで詳しく載っていることもなく、特に構造の計算問題に関してはこのテキストで理解するのは相当難しいと思います。
記載内容も難しいのですが、解説も薄いのでこれを読んでも「二級建築士試験は難しそう!」とネガティブな状態になるだけでした。
また、試験ではあまり問われない内容も載っているので、問題集を解いて解説を読んだ方が実になるといった印象です。
問題集は1冊で
この2冊を買いましたが、上のチャレンジ7だけでも良かったかもしれません。
分野別問題集は年度を問わずに「計画、法規、構造、施工」ごとに過去問をまとめただけなので、チャレンジ7と問題が被っているところが多々あります。
それに、そもそも試験問題自体が分野別になっているので、ある分野だけ勉強したければ「R6年の計画、R5年の計画……」という風に解けば良いのです。
追い込み時期とスキマ時間の救世主「過去問.com」
最も重宝した過去問はこちらのサイトです。
どういう訳か無料で過去問と解説が提供されており、スマホでも利用できるので場所を問わずに勉強できます。
このサイトがあれば問題集もいらないかな……と思うほどですが、実際の試験は紙で行うので、1冊くらい書籍の問題集を活用して試験慣れしておいても良いでしょう。
選択肢を選んで回答すると正誤判定され、解説も何パターンか表示されるので分からないままということもなく非常に役立ちました。
特に構造計算において解説が複数あると、より簡単な解き方を知ることができたり、問題によっては計算をしなくても答えを出せることを知れたのは大きかったです。
これは問題集やテキストだけでは得られなかった収穫です。
最終的に正答率や誤答した問題を確認できること、会員登録することで成績を保存できるなど至れり尽くせりです。
買ったけどほぼ使わなかった用語集
当たり前ですが、もはやネット全盛期の時代なので分からない単語はネットで検索すれば済みます。
ましてや写真付きで調べることもできるので、わざわざ用語集を買う必要はありませんでした。
当初はテキスト的に読んでいましたが、それよりも他に時間を割くべきでした。
強いて言うなら、計画で問われる建築史の部分で数ページ役に立った程度ですが、これも問題集を解きながら知らないものは調べれば問題ありません。
単に使わなかったということですので、決して本自体が悪いというわけではありません。悪しからず。
悪い気がするので書籍のリンクは貼らずにおきます。
本稿のおわりに
法令集、問題集と「過去問.com」はマストとして、あとはご自身が足りないと思うものを用意すれば良いでしょう。
現場系の職種の方は構造計算や法規に苦戦するかもしれませんが、紹介した入門書やサブテキストでカバーできるかと思います。
こう見ると意外と用意する物は少ないと感じませんか?
私は手探りだったため、余計なものを随分と購入していしまいましたが、この記事を参考にスマートな準備を進めていただければ幸いです。