二級建築士 独学合格体験記 その3 ~実務経歴書と証明書~
実務経歴書を書いてみよう
自分に実務経歴での受験資格があることが分かったら経歴をまとめておくと良いでしょう。
例年4月上旬の受験申込みの際に用意するのですが、事前に作っておくと申し込みで慌てずに済みます。
申込期間は2週間ほどしかなかったので、準備しておくに越したことはありません。
R4年度当時は実務経歴書は印刷して手書きか、配布されているエクセルで作成する必要がありました。
エクセルファイルの作りが謎過ぎて、結局手書きで提出した思い出があります。
今は試験のサイトを見ると実務経歴書と実務経歴証明書の作成サイトがあるようなので、少しは楽になったのかもしれません。
実務経歴書の内容
まず一般的な履歴書の内容があります。
住所、氏名、勤務先、学歴、職歴等です。
そして実務を行った
・現場名(〇〇様邸改築工事、〇〇市新築工事など)
・現場の住所
・工事期間(R〇年〇月~R〇年△月)
・建築実務の割合(上記の期間中どれだけ実務経験に換算できる業務を行ったのかの割合。一式請負の場合は100%になることが多い)
・年月数(工期。ただし期間が他工事と重なっている場合は重複して換算できない。後に詳しく解説します)
・業務の内容(構造、延べ面積、新築か改築か、どのような工事をしたのかの説明)
を新しい順に記入します。
確か、記入欄が8つしかなく足りなかったので、最後の8つ目の欄には記入できた業務よりも古いものをまとめて記載しました。
例えば、
・新築の施工管理業務 8件(4年6ヵ月分)
・躯体露出状態からの戸建て改築工事 6件(2年5ヵ月分)
という具合で、細かな住所や現場名は書きませんでした。
というか、書けませんでした。
もっとも、現在では作成サイトがあるため指示に従えば書けると思いますし、最後のまとめ記入欄も簡単に作成できそうです。
ただ、直近7件の案件は住所や工期を記載する必要があるため、申し込み直前に慌てないように、やはり事前に調べておくことをおススメします。
ちなみに、転職で複数の会社に在籍していた場合はそれぞれで行った業務に分けて書類を作成する必要があった記憶があります。
私は転職がなかったので、ここでは1社に勤めていたり、1人の親方さんの下で働いたことを前提に進めていきます。
工事期間と年月数の落とし穴
先ほど、年月数の注釈で
「ただし期間が他工事と重なっている場合は重複して換算できない。」
とした解説をします。
例えば
工事期間 R6年1月初~R6年3月末
のAという工事があったとします。
この場合工期は3か月です。
工事期間 R6年3月初~R6年5月末
のBという工事も行ったとします。
こちらの工期も3カ月ですね。
このまま単純に工期を足すと6カ月の実務を行ったように見えますが、
これではいけません。
この場合R6年3月はAとBの工事を同時進行しており、
実際に働いていた期間は
R6年1月~R6年5月の5カ月なので、
実務経験年数に換算できるのは「5カ月」です。
あくまで、実際に働いた年月数をカウントするので、
単純に案件ごとの工期を足したものではないことに注意してください。
これを間違えて考えてしまうと、後になって実は経験年数が足りなかったとう事態になってしまいますので、お気をつけてください。
実務経験証明書も必要
実務経験で受験資格を得る場合は、経歴を証明する「実務経験証明書」も必要です。
証明書に所属している会社の上司や、お世話になっている親方さんなど、責任者の住所や名前を頂戴して、実務経歴書に間違いがないことを証明します。
この場合、署名を貰う方が二級建築士の資格を持っているかどうかは関係ありません。
また、転職で会社が変わったり、親方さんが変わっている場合で、経歴書に以前の会社や親方さんの下で行った業務を記載する場合には、そちらからも署名をいただく必要があったはずですので、お気を付けください。
ズルはダメ
近年、経歴詐称が問題となり実務経験に虚偽があった場合、当面の間受験資格を失うなど、不正申し込みの対応がとられています。
更にそれを証明した責任者に対しても処分が行われます。
当然のことですが、ルールを正しく理解し、守って受験に挑みましょう。
本稿のおわりに
実務経歴書の作成は思っているよりも大変で、意図しないミスがないか心配になった記憶があります。
昨今は学歴要件での受験も多く、実務要件の情報が少なかったので、勉強や試験そのものよりも申し込みが一番苦労しました。
資格学校に通えばこのあたりのケアも手厚いと思うのですが、独学での挑戦では自ら調べなくてはならないところは難点ですね。
とにかく疑問があれば事務局に問い合わせて、確実な申込書類を作成しましょう。