二級建築士 独学合格体験記 その2 ~受験資格について~
受験をするための資格が必要
二級建築士試験は誰でも受験できるわけではありません。
受験資格を得るには主に2パターンあります。
① 学歴要件
建築系の学校で受験に必要な科目の単位の取得や卒業
② 実務経験要件
受験資格に該当する実務経験7年分以上
他にも建築設備士であるとか、海外の大学を出ているとかありますが、ほとんどの方がこの2パターンの受験資格で受験を検討されているかと思われます。
①の学歴要件に関しては、通われている学校に問い合わせれば受験資格の有無を確認できますが、問題は②の実務経験要件です。
実務経験とは
私は②の実務経験要件で受験でしたので、ここからは実務経験について解説をします。
二級建築士試験のサイトによると、実務経験要件とは「建築に関する実務としての国土交通省の省令で定める実務」とあり、詳細がPDFでアップされています。
ここに記載されている業務を行った期間が、実務経験に換算してよい年数(月数)ということになります。
私が受験を決めた際に、実際に行った業務がこれに該当するかの判断がとても難かったです。
以下で細かく説明をしましょう。
「勤務年数=実務経験年数」?
工務店や建設業に就職し、勤務した年数がそのまま実務経験年数になるのかというと、必ずしもそうではありません。
先ほどの出てきた「建築に関する実務としての国土交通省の省令で定める実務」のPDFを言い換えると「この仕事は実務経験としてカウントしていいよ」というリストです。
逆にここにない業務はカウントしてはならないのです。
大工さんを例に挙げてみましょう。
PDFの内容をざっくり言うと「躯体(家の骨組み)と全体に関わる工事をしていたら実務経験としてカウントできる」と書いてあります。
例えば、
・新築物件の建て方(骨組みを作る作業)から内装木工事を一貫して行った
業務
・改築において柱や梁、床根太が露出するまで解体し、レベルや通りを直し
て床や壁を綺麗にした業務
は実務経験として認められるということです。
一方で、
・建て方大工さん(骨組みを組む専門の職人さん)
・内装大工さん(床やボードなど内装専門の大工さん)
・ボード・床屋さん(ボードや床貼りが専門の職人さん)
・ほぼ解体を行わず床やクロスを既存の上から施工するリフォーム
といった大工工事の一部に特化している業務や躯体に関わらない業務は実務経験として認められないことが多いです。
そのため「勤続年数10年」であっても、建て方専門、内装専門業務を続けていた場合は「実務経験0年」になってしまうのです。
そのため私の場合は勤続年数10年でしたが、ボード貼りだけ頼まれた仕事や、床貼りだけのリフォームなどをしていた期間を除くと、受験資格に認められる実務経験年数は8年少々になりました。
自身の業務が実務経験として認められるかは、試験のサイトをチェックしたり、事務局に電話して確認すると良いでしょう。
実際に私は何度か「こういう業務は該当するのか」を電話で問い合わせましたが、丁寧に回答をいただき無事に受験資格があることを確認できました。
本稿のおわりに
今回は実務経験とは勤続年数ではないということをお伝えしました。
この解釈を間違えて「7年勤務したから受験できる!」と思い、頑張って勉強したのに受験資格がなかったという悲しい事態をさけていただきたいです。