SIGGRAPH 2023 論文ティザー紹介
50年の歴史を持つ世界最大のCG+インタラクティブ技術の国際会議「ACM SIGGRAPH」が、今年の "Technical Papers"のティザー動画を公開しました。Technical Papersはフルペーパーの論文です。SIGGRAPHとひとことで言ってもその採択難度はセッションにより様々ですが、Technical Papersは最大難度です。とはいえ毎年だいたい200本ぐらい採択されます。
会場では初日の夜に、約200本の採択論文の著者が1件30秒で高速紹介する「Technical Papers Fast Forward」というイベントがあるのですが、それをさらにギュッと圧縮した公式のティザーがこちら、ということになります。やや軽いノリで「面白そう!これは行かねば」「詳しくは論文を見ねば」という気持ちにさせる動画のみを扱っています。ざっくり翻訳紹介。
SIGGRAPH 2023 Technical Papersトレーラーへようこそ!今年のTechnical Papersプログラムでは、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の最先端を行く素晴らしい作品をご紹介します。
今年のSIGGRAPH Technical Papersプログラムは、あなたの整理整頓に役立ちます(it will help keep you organized)。
例えば、剛体および変形可能なオブジェクトの有限要素超弾性シミュレーションのための新しいGPUベースのアルゴリズムで、ヘリコプターをメッシュバッグに入れておきましょう。
新しいコース定義曲線フィッティングアプローチを使用して、CTスキャンからかつらライブラリをデジタル化する。
また、イメージスパッツを使用してピクセルを再編成し、補間フレームで最大3分の2のピクセルを再利用できます(訳註; 字幕は reorganize your pixels using image spats allowing up to two-thirds of the pixels to be reused on interpolated frames. とあるのですが詳しくは論文を読まないとよくわからないので文末にリンクしておきます)。
また、高速フーリエ変換を用いてパッキング問題をスペクトル問題に変換することで、荷物を効率的にパッキングできるようにします。
そして、旅に出ましょう!これほど大量の水では無理かもしれませんが…安定で効率的な運動論的二相流シミュレータの流体固体のカップリングにより実現しました。
あるいは、強力な敵対的識別器を用いて学習した、物理的にシミュレートされたキャラクターの動きで目的地まで運ぶとか。
節約した時間を使って、正則化の際にメッシュ上の頂点密度の重要性を考慮する新しい手法を使って、テンプレートベースの形状再構成を試してみよう。
あなたのキャラクターにダンスを教えましょう。学習したマルチキャラクターコントロールポリシーで。
この新しいGANベースの画像変形手法で、ペットを完璧な姿にしましょう。
そして、内部グリッドセルの不規則なブロックを発散のない多項式要素に置き換えた有限差分ベースの粘性流体としてシミュレートされた蜂蜜のようなお菓子でリラックスしましょう。
人間の頭部と、脊椎の椎骨や喉頭を含む首の構造の両方をキャプチャしたこのパラメトリックモデルのような首のモデルになるなど、新しい趣味を開発することもできるかもしれません。
あるいは、複数のGPUと超並列格子ボルツマンモデルを使った仮想風洞でドライブを完成させましょう。
あるいは、巻数とボロノイド図を使用して、生の点群の法線を確実に計算することもできます。これにより、複雑なスポンジをメッシュ化するような下流のアプリケーションが可能になります。
これは、複雑なスポンジをメッシュ化するような下流のアプリケーションを可能にします。
また、複数の参照モーションから学習することで、バーチャルキャラクターがテニスのプロやジャグラーとして新しい仕事を見つけるのを支援するのに時間を費やします。
また、拡散モデルの力で、バーチャルな人間が音声に合わせて踊ることもできる。
SIGGRAPH、50歳の誕生日おめでとう!
これは1974年に開催された第1回カンファレンスのプロシーディングスの表紙です。
そしてこちらは、長年にわたって参加者に贈られてきたたくさんのコレクタブルピンの一部です。
ロサンゼルスで開催されるSIGGRAPH 2023に参加し、これらやその他多くの素晴らしい新しい論文、コンピュータグラフィックスやインタラクティブ技術について学びましょう。
訳者補足・資料等
日本人のSIGGRAPH採択や現地での様子は長年、東工大の中嶋正之先生(名誉教授)と「SIGGRAPH見聞記」という寄稿で2019年までまとめてきたのですが、最近の論文採択の状況はちょうど似たような視点でResearchPortさんがまとめてくれていたので紹介しておきます。
CT2Hair: High-Fidelity 3D Hair Modeling using Computed Tomography
のSunsuke Saitoさん、いまMetaにいるのね。採択おめでとうございます!
Neural Frame Interpolation for Rendered Content KARLIS MARTINS BRIEDIS, DisneyResearch|Studios, Switzerland and ETH Zürich
https://studios.disneyresearch.com/app/uploads/2021/10/Neural-Frame-Interpolation-for-Rendered-Content.pdf
dense interlocking-free and scalable spectral packing of generic 3D objects
特に最後のこれ、すごいよ
Listen, Denoize, Action! audio driven motion synthesi with diffusion models
https://www.speech.kth.se/research/listen-denoise-action/
(時間と需要があったら追記したい)