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高校生がQuest3でMRアプリを作って発表する芸術科学会で、若者たちをどこに連れて行き、何を見せてあげられるか。

芸術科学会NICOGRAPH2024が東京都市大学世田谷キャンパス(最寄り:尾山台)で開催されています。

コロナ禍を明けてしばらく経っていますが基調講演とインタラクティブセッションが大変に価値が高いと思います。

「CGの学会?なんじゃそれ」と思って部屋に引きこもっている学生さんがいたら参加して欲しいんですよね。
学会に経験がない人にこそお勧めしたい。

高校生がQuest3でMRアプリを作って発表。

すごい高校生が発表していた。

[E-3] Tactus: MR空間におけるクロスモーダル触覚インタフェースを用いた直感的音響操作システムの開発
○仲田梨緒(N高等学校),佐々木雄司(広島大学)

デモ・展示, インタラクティブセッション1・2

高大連携じゃなくて「研究部」だそうです。

本人のインタビュー動画も収録したので、
詳しくは芸術科学会YouTubeチャンネルを購読して待て!


「芸術科学会NICOGRAPH」という名前の謎に終止符を打つ


特別セッションがとてもよかったです。

NICOGRAPH40周年、芸術科学会25周年という節目において40年前、30年前、20年前、10年前の「CG研究オタク」が、大学を超え、わいわい集まって毎年続けてきたのがこのコミュニティです。

重鎮たちを前に、誰も質問が出てこないセッションで「バカのふりして質問する」っていうのは勇気もスキルもいることなんだけど
「芸術科学会はなぜ芸術科学?」
「NICOGRAPHはなぜNICOGRAPH」
この質問を発起人である中嶋先生に問いつつ、これからの新会長・渡辺大地先生に問うてみました。

中嶋先生がいつもいっている経緯と「芸術と科学、素晴らしいじゃない?」、というセリフをみんなの前で言っていただいた上で
基調講演を担当した藤代先生からは「ニコニコするCG学会だから」という朗らかな回答が出てきてよかったです。

芸術科学は若者たちをどこに連れて行き、何を見せてあげられるか。


大学でいえば工学や芸術のかっちりした分野から少し離れて、「芸術科学」という「広い視野で物事を伝えてみると救われる大物」ってけっこういらっしゃると思います。活躍する女性も非常に多いし、ギラギラでもキラキラでもなく、ウケ狙いでもなく、「自分が好きなものをやるんだ」っていう信念を突き通してここに辿りついた方々が多いと感じています。

会場質問で、八戸高専の専攻科の学生さんからの質問に、近藤邦雄先生の
「先生方は若者たちをどこに連れて行き、何を見せてあげられるか」
という回答が印象的だったな。ちょっと気合いが強めに入った語気で。
これはSIGGRAPHみたいな学会に連れて行ってあげる、みたいな話もあると思うんだけどそれだけではないんだろうな、どういう高みなのか、とかどういう修羅場なのかとか。

ぼくはこういうとき先史時代の暮らしを思い起こしてしまうんだけど、
ぼくがシニアの狩人だったら、そうだな、若者たちを引き連れて、
より遠い狩場に連れて行ったり、新しい生き物を狩る方法を教えたりするだろうな・・・。隣の集落にご挨拶に行ったり。
そのへんのご近所で、誰でもできるような体験をさせ続けたりはしない。
きっと次の世代に役立つであろう挑戦に連れて行く。

そんな研究者探究者のタマゴたちとしっかり対話する機会をいただきました。


懇親会では、そんな若者を連れ行き、ちょっとお酒が入った渡辺大地先生を囲んで、若い学生さんたちが、言いたいことを言える感じの距離感に出来たのがよかったです。



明日は自分の発表!

[P-23] LLMを用いたQoL向上チャットボットにおける実装手法とRAG利用における完全性評価手法の検討
〇我妻翔(デジタルハリウッド大学大学院), 白井暁彦(デジタルハリウッド大学大学院)

[P-21] スマートフォン向けメタバースとペイントアプリを使った障がい者向けクリエイティブワークショップの開発:神奈川県2023 年度の開発事例

座長もあります。
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しらいはかせ(AI研究/Hacker作家)
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