VRのタクソノミーに関する研究まとめ
朝起きたら突然Twitterがメンションでバズっていた。
どうやら自分のVR4.0に関するタクソノミー(分類体系)が英語で引用言及されていたのだけど、ちょっと嬉しかった。 たくさん論文書いてきたので… 。
せっかくなのでここ数年のVR4.0やVRSNSとアバタードリブンなメタバースについての論文をまとめておきます この分野の研究のディスカッションの基盤になれば幸いです。
VR1.0 1960-1980 - early lab R&D era
VR2.0 1990s - first commercial wave
VR3.0 2010s - Oculus era, app store paradigm
VR4.0 2020s - Social VR era, avatar society
このへんの定義って2019年ごろから真面目に書き始めています。
「VR3.0 → 4.0 の間に咲いた VTuberという新人類の研究」
白井暁彦 情報処理学会 情報処理リレーコラム Vol.60 No.3 March 2019
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=194346&file_id=1&file_no=1
「リアルタイムバーチャルキャラクターが牽引する VR産業における基盤研究」
白井暁彦 デジタルハリウッド大学紀要 (2020)
https://msl.dhw.ac.jp/wp-content/uploads/2020/04/DHUJOURNAL2019_P82.pdf
「これまでの5年、これからの5年 ――「VR元年」の終焉から世界同時参加のXRライブエンタメへ」
白井暁彦 メディア芸術カレントコンテンツ(文化庁) 2020/10/29
「文化・技術・研究史で読み解く 令和のメタバースの研究開発」
白井暁彦
Research and Development of the Metaverse of the Reiwa era - Read the History of Culture, Technology and Research around 2022
電子情報通信学会ソサエティマガジン2023春号 No.64
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/16/4/16_285/_pdf
“Research and Development for Avatar-Driven Virtual Society in VR4.0 Era”
Talk and report in EMTECH (Oct,16, 2020)
VR Entertainment goes to XR metaverse
Slides - Oct. 26, 2021
Avatar Driven VR Society Trends in Japan
Bredikhina, Liudmila & Kameoka, Takayuki & Shimbo, Shogo & Shirai, Akihiko. (2020). Avatar Driven VR Society Trends in Japan. 497-503. 10.1109/VRW50115.2020.00103.
Conference: 2020 IEEE Conference on Virtual Reality and 3D User Interfaces Abstracts and Workshops (VRW), March 2020
https://www.researchgate.net/publication/341318328_Avatar_Driven_VR_Society_Trends_in_Japan
“Since VR Entertainment, dawn of XR Metaverse - Development and Deployment for next generation of human being”
ICAT-EGVE 2021 Keynote, 2021/Sep/08
https://icat-egve-2021.org/index.php/keynotes/
Entertainment VR to Metaverse - “Creating People who creates”
Cyberworlds2022 Keynote
https://art-science.org/cyberworlds/cw22/#speakers
資料公開はあるかもしれない(公開しようと思って忘れていた)
論文や講演はほかにもありますが、意外と公開するには会社の広報許可など得なければならなかったりするのでなかなか大変(それでもこれだけ公開しているので、弊社広報優秀…ありがとうございます)
それにしても紹介してくれたこの人、何者だろう…?
VRのタクソノミーについての研究、というよりは、日本のソーシャルメディアの先進性に関する研究に言及しているのかもしれない。
欧米の VR 企業と開発者はまだ VR3.0 にとどまっていますが、ソーシャル VR ネイティブ コミュニティ (VRChat など) と日本の VR シーンは VR4.0 に移行しています。 VR コミュニティには、誰も口にすることのない大規模な (そして拡大している) 世代と文化のギャップがあります。
日本とVR4.0。日本が VR の導入で先を行っているのには、いくつかの要因があります。いくつかの素晴らしい本: 「イマーシブ エンクロージャー - 日本のバーチャル リアリティー」@inqualia
「プラットフォーム経済 - 日本が消費者インターネットをどのように変革したか」@msteinbrg
せっかくなのでこのお二人も紹介せねば。
Paul Roquet - ポール・ロケ先生
MITの比較メディア学/ライティング・プログラムで、メディア学と日本研究の准教授を務めています。私は、メディア・テクノロジーが、人々が自分の周りの環境を認識する方法をどのように変化させるか、また、この空間認識の媒介において何が問題になっているのかを研究しています。
私の最初の著書『Ambient Media: Japanese Atmospheres of Self」(ミネソタ、2016年)は、音楽、ビデオアート、映画、文学を利用して、リラックスや内省のための「癒し」の雰囲気を作り出すことを探求しています。本書は、私がアンビエント・サブジェクティヴと呼ぶものの発展、すなわち、社会的ストレス要因を和らげ、同時に独立した自由主義的主体の幻想を持続させることができる、個人的気分調整の間接的形態としての大気メディアの使用を理解するための批判的枠組みを確立する。本書は、アンビエントの美学と日本の都市部におけるその展開の形式的分析を通じて、アンビエント・メディアが、感情の自律性と個別的なセルフケアに対する現代の要求をどのように集約し批判しているかを検証しています。
私の2冊目の著書『The Immersive Enclosure: は、ヘッドマウント型の知覚的囲い込みの一形態としてのバーチャルリアリティヘッドセットに対する新しいアプローチを提示し、アンビエントに関する私の以前の研究を拡張して、空間認識を計算の領域に移行することの意味を理論化したものである。このプロジェクトから生まれた他の著作には、『Visual Culture』で共同編集したVR特集号のエッセイと序文、『Sound Studies』の空間オーディオに関する記事、『Real Life』のVRで周辺視野を探求した短い作品、『Media Theory』のVRテレワークロボットに関するエッセイ(『LOGIC magazine』にも短編が掲載)などがあります。
また、人間の感情、情動、労働がどのように視聴覚空間に変換されるかを理解するためのサイトとして、実験的アニメーションを探求する様々な作品のコレクションがあります。これまでに、『電脳コイル』の拡張現実の未来に関する作品、『銀河鉄道の夜』の宇宙的想像力に関する作品、辻直之、和田淳、久野洋子といったソロのアニメーション制作者の労働に関するいくつかのエッセイがあります。
MITでは、メディア研究、デジタル・メディア、没入型メディア、映画、文学の講義を担当しており、カリキュラムに東アジアの視点を取り入れることに重点を置いています。詳細やその他の出版物、シラバス、ビデオ、ポッドキャストについては、こちらの他のページをチェックしてください。また、メールやTwitter(下記参照)でお気軽にご連絡ください。ご訪問いただきありがとうございました。
https://twitter.com/inqualia
Marc Steinberg マーク・スタインバーグ先生
マーク・スタインバーグは、アニメーション、メディア産業研究、デジタルメディアを研究対象としており、文化的生産と経験を媒介するデジタルプラットフォームの役割に焦点をあてている。
著書に、受賞歴のある『アニメのメディアミックス』(ミネソタ大学)がある: アニメ産業との関連でマーチャンダイジングやメディアミックスの実践を歴史的に位置づけたものである。また、『なぜ日本は「メディアミックス国家」なのか?(東京:角川、2015年)と共に、国際玩具研究会ITRA-BTHA図書賞(上級賞)(2014年)、日本アニメーション学会図書賞(2015年)を受賞しています。
2冊目の単行本『The Platform Economy: How Japan Transformed the Commercial Internet』(University of Minnesota Press, 2019)は、映画、メディア、インターネット文化のプラットフォーム主導の変容を追ったものです。本書は、グローバルなプラットフォーム化の重要な場である日本に焦点を当てたプラットフォーム化の比較研究を提供し、プラットフォーム理論やプラットフォーム実践の経営的、メディア的、社会的機能を体系的に検証しています。
アレクサンダー・ザールテンとの共編著『Media Theory in Japan』(Duke University Press, 2017)は、日本の文脈におけるメディア理論化の政治性とパラメーターを追跡している。
現在、3つの異なるプロジェクトに取り組んでいる。1つ目は、メディアプラットフォームがアニメーションの制作と流通に及ぼす影響について、プラットフォーム化に伴うメディア産業とトランスメディアの実践に引き続き焦点を当てながら検証しています。これには、東アジアにおける「スーパーアプリ」の役割が、アニメとそのトランスメディア流通によって屈折していることも含まれます。彼の論文「LINE as Super App: 東アジアにおけるプラットフォーム化」は、その一例である。2つ目は、経営理論とジャストインタイム・ロジスティクス・システムの交差点をマッピングするもので、2冊の出版物を生み出しています: Rutvica Andrijasevic、Julie Yujie Chen、Melissa Greggと共著のオープンアクセス本『Media and Management』(University of Minnesota Press, 2021)、「From Automobile Capitalism to Platform Capitalism: また、「自動車資本主義からプラットフォーム資本主義へ:デジタル経済の前史としてのトヨティズム」は、最近『Organization Studies』に掲載されました。第3のプロジェクトは、プラットフォーム経済における利便性の役割、特にプラットフォームへの誘い水として働く美学や感覚としての利便性の役割を分析する。その一部には、20世紀後半における利便性を生み出す重要な場所としてのコンビニエンスストアについての考察も含まれている。
また、プラットフォームの研究に特化した研究グループであるThe Platform Labのディレクターでもある。
メディア産業研究、アニメーション研究、アニメ史、ソーシャルメディア、ファン研究、トランスメディア、ストリーミングプラットフォームを含むプラットフォーム研究などのテーマで指導者を募集しています。
教育
博士号(ブラウン大学)、修士号(マギル大学)、学士号(マギル大学)
専門分野
プラットフォーム研究、産業研究、アジアのメディア産業、日本のアニメーション・アニメ、アニメーション研究、物質文化、メディア論、デジタル文化、アプリ研究
https://twitter.com/msteinbrg
お名前は存じているけど、一度お会いしてみたいね…!
僕らは、進みすぎてしまった世界に息をしている……。
ちなみに、自分は現在の生成AIのブームが冷ややかになる頃に、VR4.xは終焉を迎えると考えています。
現在のHCI系の研究やBrain Machine Interfaceといった人間-機械の研究は、この生成系AIの力を借りて、本当に実用的で必要になる時代が来るという考えです。
まあ2019年ぐらいから言ってることなんですが
https://twitter.com/LV_ReVo/status/1076100822197358592
Laval Virtual ReVolution 2019 calls for innovative virtual reality demo projects that fall under the theme, “VR5.0”. Let us bring in the next version of VR. In prehistoric age, the human race had worked by hunting and farming. The extra commodities were used to exchange for other goods which gave birth to commerce, market, and currency. Later industrial and logistics creates new products and opens up new possibilities. We, the human society believes the reality of virtue of economy that contains gold, law, products, companies, and efficiency...etc. However, they might as well felt like imaginary things in the past era. Some virtue, small examples and experiences could bring us to the next era. Now we are living in the internet age, which began from “Web1.0” with static servers and HTML page contents. Today we all have smartphones which connect all people by IPs with a small touchable display. The web technology is going from 2.0 to 3.0 thanks to the personalized filtering and smart contracts by block chains. However, we still have not recognized the new virtue in the history of virtual reality. The VR3.0 were developed by game engine and personal HMD. VR4.0 will be developed by social media and commerce technology that will be faster and more efficient than real commerce. The ReVolution 2019 will try to focus on the cross point of VR3.0 and VR4.0, social + web and the next generation of our virtual reality. Do not forget to recognize the future virtue of reality.
Laval Virtual ReVolution 2019では、テーマ「VR5.0」に該当する革新的なバーチャルリアリティデモプロジェクトを募集します。次のバージョンのVRを導入しよう。先史時代、人類は狩猟や農耕によって働いていました。その際、余った物資を他の物資と交換することで、商業や市場、通貨が生まれました。その後、産業や物流が新しい製品を生み出し、新たな可能性を切り開きました。私たち人間社会は、金、法律、製品、企業、効率......等々を含む経済の美徳という現実を信じ込んでいます。しかし、それらは過去の時代には想像の産物であったかもしれません。しかし、それらは過去の時代には想像上のものであったかもしれません。いくつかの美徳や小さな事例や経験が、私たちを次の時代へと導いてくれるでしょう。静的なサーバーとHTMLページで構成された「Web1.0」から始まったインターネット時代。そして今、私たちはスマートフォンを持ち、小さなタッチパネルですべての人をIPでつないでいます。パーソナライズされたフィルタリングやブロックチェーンによるスマートコントラクトなど、Web技術は2.0から3.0へと移行しつつある。しかし、バーチャルリアリティの歴史において、我々はまだ新しい美徳を認識していない。VR3.0は、ゲームエンジンとパーソナルHMDで開発された。VR4.0は、ソーシャルメディアとコマース技術によって開発され、現実のコマースよりも高速で効率的なものになるでしょう。ReVolution 2019では、VR3.0とVR4.0のクロスポイント、ソーシャル+ウェブ、次世代バーチャルリアリティに焦点を当てようと考えています。現実の未来の美徳を認識することを忘れてはならない。
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