Laval Virtual 2025公募+IVRC2024 LEAP Stageのお知らせ
本日のブログは
IVRC国際化担当委員およびLaval Virtual評議委員として、
いくつかのお知らせを同時にお送りします
Laval Virtual 2025公募のお知らせ
XRコミュニティの皆様、
没入型技術に特化したヨーロッパ最大のイベントである Laval Virtual が、2025年4月9日から11日まで、フランスのラバルにあるエスパス・マイエンヌで開催されることを発表できることを嬉しく思います。1999年以来、Laval Virtual はヨーロッパおよび国際的な XR コミュニティを結びつけ、イノベーションとネットワーキングのハブとしての役割を果たしてきました。
第27回となる今回は、現在、2つのプロジェクト公募が開始されています。
ラバル・バーチャル・アワードを受賞しよう!
ラバル・バーチャルは、現実の産業および人間的課題に取り組むVR/AR/XRソリューションを表彰する第27回ラバル・バーチャル・アワードを開催します。授賞式は2025年4月10日(木)、ラバル・バーチャル開催期間中に開催されます。
応募可能な各カテゴリーの詳細をご覧ください。
応募締切:2025年1月24日
最終候補者発表:2025年2月12日
ラバル・バーチャル授賞式:2025年4月10日
ラバル・バーチャルでブースを獲得しよう!
ラバル・バーチャルは、コンテストを通じて開発者、研究者、スタートアップ企業、学生、企業を表彰することで、イノベーションの支援に尽力しています。参加することで、展示スペースを獲得し、専門家のフィードバックを受け、世界的な注目を集める機会を得ることができます。
応募可能なさまざまなカテゴリーをご覧ください。
応募締切:2025年1月17日
最終候補者発表:2025年2月10日
ラバル・バーチャル展示会:2025年4月9日~11日
ラバルでお会いできることを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
Laurine Guesné
プロジェクトマネージャー Laval Virtual
IVRC2024におけるLaval Virtual Prize
世界最大の歴史を持つ日本の学生VRコンテスト「インターバース・バーチャル・リアリティ・チャレンジ(IVRC)」はLaval Virtualは、2004年以来、相互合意の下、学生プロジェクトを交換することでVR/ARの人材育成に貢献してきました。
IVRC と Laval Virtual は、パートナーシップを維持しています。ラバルバーチャルでのIVRC賞受賞者は、日本で開催される IVRC のファイナルステージ(LEAP Stage)にチャレンジャーとして招待されます。
同様に、IVRCでのLaval Virtual Prizeの受賞者は、Laval Virtualの「ReVolution #Research 」または「ReVolution #Students 」にチャレンジャーとして招待されます。Laval Virtualは、プロジェクトリーダーの航空券を2500ユーロまで払い戻し、受賞チーム(最大3名)に国内交通費と宿泊費を提供します。
※IVRCでのLaval Virtual Prize エントリーフォームは対象チームに連絡予定です。
詳しくは X@IVRC にて、もしくはLEAP Stageにてお会いしましょう!
SIGGRAPH ASIA 2024にも参加します!
Laval Virtual はIVRCだけでなく、ACM SIGGRAPHとも長年の提携関係を築いており、お互いの優秀作品を交換しています。
8月にアメリカ・デンバーで開催されたSIGGRAPH2024においては慶應義塾大学KMD Embodied Media Project「FEELTECH Wear」がSIGGRAPH 2024 Emerging Technologies "ラヴァル・バーチャルの公式セレクション"に選出されました。
SIGGRAPH ASIA 2024 Tokyoにおいても、有力な作品のレビュー及び公募への参加のお声がけをさせて頂く予定です。
そう、Laval Virtual 2025での展示と採択が、SIGGRAPH 2025 (カナダ・バンクーバーでの開催)への最短コースになるかもしれません!
配布物のPDFを先行配布します!
IVRC2024 LEAP Stageのお知らせ
LEAP STAGEの概要
SEED STAGEを通過したチーム、LAVAL VIRTUALから選出されたチーム、およびメタバース部門SEED STAGEを通過したチームが、サイエンスアゴラ内で一般公開されます。サイエンスアゴラ参加者はどなたでも体験いただけます。
日時:2024年10月26日~27日 10:00~17:00
(26日の13:00-15:00は審査コアタイムのため一般の方は体験できません。ご了承ください)場所:テレコムセンタービル
IVRC2024: Laval Virtual 招待作品 「4DEscape」
(Polytechnique Montréal / UCO Laval)
複合現実では、実世界がVR要素で拡張されるのが普通ですが、このプロジェクトのコンセプトは複合現実の力学を逆転させることです。私たちは、VR世界が実世界の要素によって拡張される体験を目指しました。そこで、実世界とVRそれぞれ1名が参加する2人用の体験を作りました。
2名の参加者は、実世界のユーザー(RWU)とVR世界のユーザー(VRU)に分かれます。VRUは制限時間内に課題とパズルを解きますが難しすぎます。そこでRWUが支援します。テッセラクトいう特殊な装置を使って、RWUは実世界の物体をVR世界に送り、VRUが進み続けられるようにします。
https://www.youtube.com/watch?v=7LXjjeKyy2U
今年のIVRC2024 LEAP Stage作品
SEED STAGE通過作品一覧です
I vs. Me
(東京大学大学院情報理工学系研究科システム 情報学専攻)
本企画では過去の自分とチャンバラを行う。このとき、相手に攻撃する現在の自己身体は主体的に経験されるため、その動作を明確に認識・記憶することはできない。よって、時間経過後に対戦相手として現れる過去の身体動作は、自分にとって予期せぬ動作となる。この主体的/客体的な身体体験のずれを利用し、自己との白熱した戦いを実現することを目指す。具体的には、体験者はまずノンプレイヤーキャラクターと戦う。その際の身体動作は記録され、次の相手アバターの動きとなる。そしてその後は、現在の身体動作が次の相手アバターの動きとなる、という手続きを繰り返す。
未来潜影〜宝を拾ったら太陽を操れる最強ハンターになった件〜
(北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科)
本システムでは、仮想空間上において影の上を高速移動する体験を提供する。仮想空間上では、体験者は太陽を自在に動かし、オブジェクトが投影する影の形状を変化させる。自身の足元にオブジェクトの影が到達したとき、特定のポーズをとることで、そのオブジェクトにむかって影の上を高速移動する。視覚情報と身体感覚の統合による高度な没入感を実現する。
耳研澄装置製造工場
(情報科学芸術大学院大学メディア表現研究科)
誰もが一度は海や川、プールなどで水中に潜り、水中と陸上との音の乖離を経験したことがあるのではないでしょうか。それは、音が、空気よりも密度の高い水を伝達することで、陸上の全ての音が遠くに聞こえ、普段とは異なる音の聞こえ方になるためであります。水中に一気に潜り、一瞬にして陸上から隔離され静寂を感じるその瞬間、人は初めて自身の音の聞き方に意識を向け、無意識の内に耳を研ぎ澄ますのです。そこで、我々、株式会社耳研澄装置は、そんな体験をあらゆるシチュエーションにおいても実現する「耳研澄装置」を開発致しました。体験者は、この「耳研澄装置」を通じて音の聞こえ方に対する意識を深める絶好の機会を得ることができるに違いでしょう。
次元切断刀
(電気通信大学1類メディア情報学プログラム)
この企画は刀で一瞬にして敵を切り倒す体験をしてもらうものである。体験のリアリティを上げるために今までのVRゲームのように刀からも様々なフィードバックを行うが、今回は切られた相手の動きによる振動や鎧の金属音、風圧などの切られた側からのフィードバックにも重きを置いている。これにより今までとは異なる角度からVR体験のリアリティを向上させる。
グラビティ・パラドックス
(工学院大学VRプロジェクト)
もし、重力が物理法則に反するような体験ができたとしたら、それはどのような感覚になるだろうか。本企画では、エッシャーの『相対性』のように異なる向きの重力が共存する空間を仮想空間上に再現する。その中を移動することで、自身に働く重力の向きが変化する、摩訶不思議な感覚を体験できるようにする。
引っ張る!切る!ハタ揚げVR
(熊本大学工学部情報電気工学科,熊本大学 薬学部薬学科細胞生物学分野)
本作品は「ハタ揚げ」と呼ばれる長崎県の伝統芸能の凧揚げをVR環境で楽しむことができる作品である.凧が風に引っぱられる牽引力や糸が切れるハタ揚げならではの感覚を再現するために,サーボモータによるロープの巻き取りや装置の取り外しを行う独自の装置を製作した.
中継を止めるな!~究極のF1中継体験~
(岐阜大学大学院自然科学技術研究 科知能理工学専攻)
あなたはフォーミュラレースの中継を見たことはありますか?人間の眼ですら追えないフォーミュラマシンが近くを通り抜けていく恐怖の中、専属カメラマンはマシンの姿を一瞬たりとも逃すことなく映して迫力ある映像を届けています。我々は彼らに注目しF1中継を行う体験を提供します。間近をマシンが300km/s以上で走り抜ける風と音を全身で感じながら、独自のデバイスである大きなカメラを操り生中継を成功させよう!
Fighting of Shield
(明治大学先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻)
本企画では、ゲームの戦闘シーンで盾によるアクションをVR内で擬似的に行える体験を提供する。我々が制作したデバイス内には衝撃提示装置と温風提示装置があり、それらによって敵から受けた攻撃を再現する。衝撃提示装置によって、剣、弓矢、魔法による攻撃からの異なる防御感を提示し、魔法攻撃では衝撃提示に加えて温風も提示することで温度変化を提示する。また衝撃提示に変化を与えることで、盾の材質が変化する演出も行っている。このような様々な攻撃に対して盾で防御するという体験を提供する。
バーチャル脱皮
(東京工業大学工学院情報通信系)
本企画では爬虫類が行うような「脱皮」をする体験をつくりだす.HMD(Head Mounted Display)による抜け殻の視覚情報提示と腕に取り付けた脱皮感覚提示デバイスによる触覚により,体験者へ自分の腕を脱皮させる感覚を与え,一皮むける体験を提供する.
寝台列車ですやすや
(立教池袋中学校高等学校数理研究部)
通学中や帰宅中の電車内でいつのまにか寝てしまっていること、また寝ている人を目撃することなど、日常生活で睡眠不足を感じる場面が多くなっている。なぜ人々は電車の中で眠りにつくのだろうか。そこには振動が関わっているとされている。今回私たちが作る作品は、寝台列車を模した空間をVRによる視覚・聴覚の観点と、縦横小刻みに動かして発生させた振動の観点から再現し、人々を快適な睡眠に誘うことが可能となるVRである。
なお今年はIVRCメタバース部門も審査対象になっています
2024年度はメタバース部門の作品はサイエンスアゴラでは一般展示は行わないそうですが、IVRC経由のエントリーは審査員からの何かしらのフィードバック(仮に予選落ちなのか、最終選考なのかでも!)が得られますし、一般公募での応募時の判断もしやすくなると思います。奮ってご参加ください。
過去の資料から
IVRC-Laval Virtual 友好10周年で制作した動画です。
2024年は20周年にあたります!
#VRSionUp !12 「Laval Virtual 2023直前特集」 2023/3/22 17:00~
在日フランス大使館科学技術担当官からJean-Baptiste Bordes先生を審査員としてお迎えしました。
昨年のLaval Virtual Prizeは「お前は今から鵜だ」が獲得しました。
以下は近年のIVRC-Laval Virtual交流を記録する懐かしいツイートです。
数多くの学生さん、教員の方々がIVRC-Laval Virtualの交流を通して世界を体験してきました。
VR界のレジェンドからのメッセージを共有してこのブログを締めたいと思います。
巻頭言 「VRコンテストの国際化~新たなる展開~」(IVRC2018)
https://ivrc.net/archive/wp-content/uploads/2018/03/IVRC2006開催報告書.pdf
舘 暲(IVRC実行委員長) 東京大学
1993年に始まった国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト( IVRC )も今年で第14回を迎え,いまでは恒例となった岐阜県各務原市で2006年11月10日と11日の両日にわたり開催された.当初は国内の「学生の学生による学生のための」コンテストとして発足したこのコンテストも,21世紀となり国際化の道を歩み始めている.例えば,米国SIGGRAPHには,総合優勝作品が2002年のVirtual Chanbaraから連続してe-tech等に選ばれている. 一方欧州に於いては,フランスと密接な関係が保たれている.すなわち,ラバル市で行われるヨーロッパ最大規模で最高の水準を誇る展示会でありシンポジウムそしてコンテストでもあるラバルバーチャル(Laval Virtual)との提携である.2003年5月のラバルバーチャルに招待された時に最初の話し合いが持たれ,ラバルバーチャルのディレクターであるフォンテイン氏(Jean-Francois Fontain)が2003年の岐阜大会に来日し,FragraとDis-Tanceの2作品を2004年のラバルのコンテストに招待したのが始まりである.それを受け,正式な協定(Agreement)が作成され調印されたのが,2004年5月13日のことであった.その期限が2007年には切れることから,第二期の提携を2007年から2010年にかけて行うべく新しい協定が作成され,その調印が会期中の11月10日に行われた. これにより,フランスの大会での優秀作品を日本がGifu IVRC Awardとして選定し,その作品を日本に招待すると同時に,日本の大会での優秀作品をフランスがLaval Awardとして選定してフランスに招待するという学生交流が,さらに3年間延長されることとなる. 言うまでもなくバーチャルリアリティの3要素である3次元の空間性,実時間のインタラクション,自己投射性の実現が競われる.今回の大会ではフランスからの2チームも含め6チームが,オリジナリティの高い作品を競った. 作品の出来栄えは無論であるが,ここまでチームの実力が伯仲してくると,どうも審査当日にシステムがしっかりと動くかどうかが勝敗を分けるようである.チーム一丸となっての協力で締め切りに間に合わせて思ったように動かすということの重要性が,最後に笑うものと泣くものの明暗を分けている.しかし,この大会に出場すること自体が高いハードルを越えてきた結果であることを鑑みると,本大会に出場したということ自体が栄誉であると思う.出場の栄光が今後の人生の良き糧となってゆくものと信じている. 参加者全員のこれからの国際的な活躍を祈念してやまない.