精神回復期にはAIの全能感があぶない #ともに生きる
※本投稿には精神障害(精神疾患)に対する偏見を増強する要素がありますが、偏見を増強する目的ではなく、社会がそれを理解する目的で書いています。詳しくは医療機関などにご相談ください。
先日、技術書典17に向けて、こんな本を書きました。
現代社会にはさまざまな精神障害や精神疾患があります。生まれつきの障害や、生育や成長、お仕事など大人になっていく過程で精神障害が見つかる方もいらっしゃいます。今回はうつ病や双極性障害について扱います。うつ病は頻度が100人に10人弱と比較的多く、厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」によると、平成8年には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、平成20年には104.1万人と12年間で2.4倍に増加しました。また双極性障害(躁うつ病)の患者数は、日本においては人口の0.4~0.7%、世界的には100人に1人程度とされています。うつ病や双極性障害だけが精神障害ではありません。統合失調症や気分障害、依存症、精神疾患として精神の傷をつけられた方や、それをきっかけとして脳の障害を発見される方もいらっしゃいます。
米国で障害として分類されるパーソナリティ障害なども奥深いですが、今回は「精神疾患の回復期とAI」を中心に話をします。11月のこのような、急に寒くなったり日照時間が短くなったりする環境の変化に、精神疾患を持つ人々は敏感に反応します。
精神疾患の回復期について、生成 AIに訊くとこんな回答を返してくれます。
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うつ病や双極性障害などの精神障害の回復期とは、急性期に出ていた症状が落ち着いてくる時期です。
回復期には、次のような特徴があります。
・調子の良い日と悪い日があり、一進一退で治療が進む
・気分や体調の波がある
・とにかく眠い、寝込む
・意欲が湧いて行動するものの、すぐ疲れる
・焦りを感じる、そわそわする
・何もしたくない、やる気が出ない
回復期には、次のようなことに注意しましょう。
・気分が良いからといって、油断して無理をするのは禁物です。
・主治医と相談しながら、活動量を増やしていきましょう。
・薬は命綱と考えて、体調が良くなっても飲み続けましょう。
・自分の判断だけで話を進めるのではなく、主治医によく相談しましょう。
・回復期にかかる期間は、症状や病気の種類によって異なります。
例えば、うつ病の場合は、診断されてから順調に治療が進めば4~6か月ほどの期間を回復期と呼びます。統合失調症の場合は、回復期前期の期間は短くて半年、長いものになると2、3年かかる場合もあるそうです。認知機能障害が目立つ場合もあります。認知機能障害とは言葉を記憶したり、物事に注意を向けたり、それに基づいて行動を組織したり、実際の作業を行うことに困難を来す状態です。 つまり、知覚機能、記憶機能、注意機能、実行機能などの脳機能における障害と言えます。
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回復期は、急性期に出ていた精神症状が落ち着いてくる時期ですが、日によって症状に波がある場合があります。
こういう時期こそが、危ない時期でもあります。
元々仕事をしていたひとは一刻も早く「現場に戻りたい」と思うかもしれませんし、現場に戻りたいとは思わないまでも、「自分が(最悪の時期に比べて)元気になったんだよ!」と伝えたい時期になるかもしれません。
そもそもうつ病の抑うつ状態になると、何もできなくなります。急性期(診断~3カ月程度)→回復期(4~6カ月以上)→再発予防期(薬物治療:1~2年)があり、一時的な状態なのか、適応障害なのか、別の病気なのか、本人の特性なのか、といった診断が専門の精神科医によって投薬やカウンセリングとともに実施されますが、実際のうつ状態になると、そのようなロジカルな思考や客観的な分析すら難しい状態になったりします。
最近、障害者に関わる仕事とをしているので、さまざまな障害を持つ方々と接することがあります。さらに、生成AIの仕事をしていると、その接点について考えさせられることがあります。
具体的な事例や人物と紐づけて話をするのは酷なので、あえて抽象的な話をしますが、ChatGPTをはじめとする生成AI、LLMには「全能感」、つまり「なんでもできそう!」という感覚を人々に与えます。
ですが、その「全能感」はこの種の精神疾患にはあまりよくないな、と感じています。
ここから先は、精神疾患の方々を責めたり偏見に満ちた目で見るのではなく、逆の視点、つまり精神疾患からみた社会の視点で見ることをおすすめします。
まず障害や職場環境、パワハラ、カスハラよってメンタルブレイクされた側の視点で、それ自身は何も悪いことではないと考えましょう。自分を責めるのはやめましょう。
交通事故と同じく、それは「一定の確率で発生する事故」だと考えましょう。
世の中には多様な人々が生活しており、ルール違反をしている人も往来にはたくさんいらっしゃいます。また人々の脳の特性は性格やコミュニケーションとして表出します。人間が言語を獲得し、言語として他者に発露する情報は、時に未成熟であり、誤解もエラーも生じます。さらに仕事や業務といった立場としての正しさやミッションと、その双方の立ち位置や実力、学習能力といった齟齬が、人々の摩擦や衝突を大きくすることがあります。ときに、人は傷つき、場合によっては精神を破壊されます。これを「メンタルブレイク」と総称して呼ぶことにしていますが、まずは自分を愛するために、「自分(だけ)が悪いんじゃない、これは事故だ」と考えることにしましょう。公共の往来において、ルールがあっても守れていないひとはたくさんいますし、信号があっても見ていない人はたくさんいます。アナタがそうであったかは別として、信号を見ていないひとが、青信号で横断しているアナタに向かってぶつかってきた、そう考えましょう。
アナタは避けられなかった、それだけのことです。
致命傷をなんとか回避したアナタは、まだ動ける状態です。
なんとか安全地帯に移動し、回復させましょう。そして二度と同じような交通事故には遭わないように自分を改造するべきでしょう。
私自身はこのような社会の交通事故の被害者である精神疾患を受けた方々が、社会に復帰したい形で復帰する、社会復帰のためのプログラムがどうあるべきか、当事者目線で社会を変えていきたいと考えています。
ほんとうに悪い存在は
そういう「破壊された人々」への不理解です。
目を向けない、隠す、は実は復帰の社会的チャンスを作る阻害にもなっています。
そして本稿では、精神障害とリモートワーク、ChatGPT等のAIサービスの難しさも指摘していきたいと思います。
AIの全能感は新たな事故を生む
だれでも罹る可能性がある精神疾患
まず、精神疾患のうち、うつ病や統合失調症は、誰でも罹る可能性があります。ストレス(環境変化、人間関係のトラブル、喪失感など)が原因になることが多いですが、その原因はわかっていません。うつ病の回復期や双極性障害や気分障害の気配がある方が家族や仕事仲間といった同じチームにいる時、いわゆる「躁鬱の躁」、つまり元気で活動的な時にChatGPT等を使うことはよくない結果を生むかもしれません。
具体的には以下の作業要素です。
・システムの仕様を考える
・この先数ヶ月の予定を立てる
・毎日やる作業を決める
例えば「締切を守る」とか「システムの仕様を考える」といった開発活動は非常にあぶないです。抗うつ、抑うつ状態では頭の中に黒い霧がたくさんかかっている状態です。何も見えていない状態で、世の中の系を考えるといった行動は難しいですし「やれるような気がしている」という状態が良くないです。
ここでAIを使うのも、一見良さそうです。自分自身でも「全力肯定彼氏くん」などを作っているのでポジティブな面もいっぱいみています。
ですがワーカーを管理する管理者や経営者の仕事の視点だけで見ると「良いことだけではない」という感触があります。ChatGPTを使うと誰もが「全能感」を味わえるのですが、仕様や計画をChatGPTを使って構築できたとしても、それを進めるのはアナタです。それを自分の力で計画したのであれば、やれることもあるとは思うのですが、社会がアナタに期待するのは「どん底状態の能力でもやれる作業」です。このあたりの話はあとに書きますが、うつ病に混ざって双極性障害である方は、このあたりの動画を見ておくと良いと思います。。
例えば、ネットのトラブルで鬱病になった人は療養中はネットから引き剥がされます。残酷なようですが、医療の視点では当たり前です。そしてネットに依存がある方をネットから引き剥がすのはとても難しい。AIも躁鬱などの影響を拡大させる、投薬や治療を阻害する要素があるということをこれから書きます。
そもそも「精神疾患の回復期」と呼べる時期は療養中のはずなので、開発業務のような建設的な作業を行うことは難しいはずなのですが、世の中は複雑なので、そういう杓子定規な視点はいったん忘れましょう。世の中には子育て期のうつ病や、精神疾患を表出させずに就職活動や仕事を続けている人もたくさんいらっしゃいますし、メンタルブレイクの状態から医療機関に通ったり、休職したりせずに療養をしている方々も沢山いらっしゃるからです。
大事なことは「周囲がそれを見抜き、やさしさと適切なマネジメントで事故を起こさない」というムーブを、いかに本人を傷つけずにやるか、ということだと考えています。
「毎日やること」それこそが無理
まず「毎日やること」が丁寧にできる、例えば毎日会社に行くとか、筋トレができるかとか、散歩ができるかとか、そういうレベルの「毎日できる」ができる人が「健康な人」です。では、精神疾患状態の方はどんな状態になるのでしょうか。まず「毎日やる」これが一番むずかしい。「精神疾患と認められるような状態」、例えば抑うつ状態になると、延々と眠りつづけたり、ベッドから起き上がることができなくなります。歯を磨いたり、スマホゲームのログボをもらうことも難しくなるそうです。11月のこのような「突然寒くなる時期」というのは特につらい時期で、みなさんも「朝は寒くて布団から出たくない」とおもうことがあると思うのですが、それに加えて「今日の地球の重力重すぎでは…」というぐらいの重圧が布団かかって、さらに「外に出ても何も良いことがない」むしろ「寝ていても何も良いことがない」という思考のループが続く状態になるそうです。なので、こういう方々に「気分転換したら」とか「散歩したら」とか「好きなことやってたら」みたいなのは、(優しい言葉であったとしても)全部「死ね!」と言われているような感覚すら受けるそうなのでおすすめしません。そっと寝かしておくのが一番で、心の傷を癒やす時期なので、下手に気分転換させるというよりは、とにかく食べて、寝て、休むことに専念しましょう。周囲も焦らさないことです。
回復期には「世界が輝いて見える」
回復期になると、すこし人間としての感情が復活してきます。具体的には「世界が輝いて見える」といった事を言うようになります。植物の芽吹きだったり、食事だったり、健康や、生命活動、建設的な行動に対するプラスの感情が芽生えてきます。「全部"死ね"と言われているように聞こえる」という状態だったことは覚えていますが、すこしづつ「やってみようかな」という気持ちに変わってくるそうです(人によって、状態によって違うそうです)。ただ、この回復期というのは危なくて、まだ自力で立って歩ける状態ではありません。例えれば「立って歩く喜びを知った状態」なのであり、まわりからみると、まだフラフラしています。精神的に不安定、つまり、感情のコントロール、認知の不安定、そして気分の制御が不安定になっていますので、『さっきまでとても元気だったのに、とても落ち込みやすい』といった見え方になるかもしれません。本人としても時々、ふとしたことでトラウマとして恐怖がよみがえってきたり、そもそも恐怖があって、対人関係に怯えている、その怯えが余計にあぶなかったりします。
「独りで、毎日、絶対、できる」
こういう時期は、徹底的に、散歩なり、筋トレなり、「独りで、毎日、絶対、できる」ということだけを一生懸命やり続けて、それを周囲が褒めてあげるぐらいがちょうどよいです。独りでできることが大事です。他者が関わる要素、つまり「ひとのせいにする」を徹底的に減らしましょう。むしろそれを繰り返し繰り返しやり続けることができれば、そのへんの職場にお勤めの方々よりもしっかり働けるぐらいのフィジカルが出来上がりますが、これがなかなか難しい。誰でもできる、毎日できるといったことを積み上げる、という簡単なことですが、やはり認知的に弱っていて、先のことを考えるのが難しい状態にあるので、数カ月先のことなど考えると、焦りしか出なくなります。他者が関わる要素も難しい。他人のせいにできてしまうと、複雑になり、トラウマや、過去の傷や、脳の特性や、療養ならではの環境が邪魔をするかもしれません。ですので「この先数ヶ月の予定を立てる」、「業務的に毎日やる作業を決める」といった行動は向いていません。ぜひ、信頼できるお医者様とご家族などが寄り添いながら、ノートやカレンダーにわかるように書いていくことをおすすめします。
回復期も後半になってくると、これがまた難しいです。元々能力が高い人は、回復の山も大きく、フィジカルも、精神力も大きな山になっていきますし、精神科に通っている状態では、視界に入る周囲の方々も、精神的に極度に弱っていらっしゃる方や、わかりやすく依存症になっていらっしゃる方々が多いので「自分は(それらに比べれば)やれる!」と思うのも当たり前です。一方では、人と話をすることもできるようになりますし、リハビリもはじめていけるかもしれません。例えば就労移行支援といった施設においては、同じように、傷つき、長い時間をかけて、就労という状態にたどり着く事を、集団の中でトレーニングしています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shingikai01/pdf/5-2i.pdf
就労移行支援には雇用型と非雇用型があります。
もちろんこの種の施設の方々には専門のケアスタッフがいらっしゃいますので、当事者の方は、見学や相談などをしてみると良いと思います。
思ったよりも、明るくて、とても雰囲気のいい場所であり、優しくて賢いスタッフさんが、みなさんの再チャレンジを応援する環境を作ってくれているはずです。
AIも「毎日、自分で、勉強できる」ならやっていい
回復期のみなさんがAIやっちゃダメ、と言っているのではありません。
「AIの全能感」によって脳からドーパミンやアドレナリンが出ることは(生化学検査ではなく体感として)感じられると思います。また躁鬱や双極性障害はノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質がうまく調節されず、それにより特徴的な症状が生じるとも考えられていますので、「AIの全能感」によって必要以上に分泌されている可能性はあります。筋トレなどで積み上げるべき回復期に、比較的簡単に脳が全能感を得られる行動は、リハビリにとってはよくないでしょう(何故よくないのかを本人が考えられなくなる)。AIを「毎日、自分で、勉強できる」のであれば、むしろ推奨できるとは思います。
なおこの問題を生化学検査として研究するアプローチがあるなら、私は喜んで参加したいと思います。
精神疾患の敵は「ある種の精神疾患」であることも
回復期に接触する人物については十分に吟味したほうが良いと思います。家族のような信頼できる人物ならともかくとして、次に信頼できる人物は、その精神疾患の経緯や療養状態を認識できている人です。ただし利害関係がないほうがいいでしょう。例えば「元職場の上司」といった方は、アナタの復帰を待ち望んでいるかもしれません、という意味では天使かもしれませんが、同時にデビルなのかもしれません。
精神疾患の敵は「ある種の精神疾患」である、という視点も育てておくとよいかもしれません。例えばアナタが「パワハラの被害者」であったとしたら、その加害者は、完璧な健常でしょうか?もしかすると、精神医療で診断されていないだけで、パワハラの加害者は何かしらの適応障害を持っている可能性があることに気づきましょう。冒頭に解説した通り「アナタは青信号にも関わらず、車に轢かれた」とすれば、赤信号なのに突っ込んできた人は、どんな人でしょうか。世の中には、ルールを守る人と、ルールを守らない人が居ます。ヒツジもいればオオカミも居ます。オオカミの特性上は、「障害」つまり「人に迷惑をかける状態」として認識されづらい特性であり、例えば他者と会話をするのが苦でないという特性が、ASDやADHDであることを隠していることも多くあります。反社会性パーソナリティ障害、依存性、自己愛性パーソナリティ障害など人格障害がある可能性もあります。『彼らこそ病院に行ったほうが良いのでは?』とおもう気持ちもあるあるなのですが、パーソナリティ障害それ自体に対して保険適用のある薬物はありません。つまりパーソナリティ障害は分類はできても、日本の医療の中では「分類」つまりレッテル貼りでしかありません。そういう車種のクルマが公道を走っている、という認識をしましょう。問題は「世の中はヒツジ型の人間だけで構成されていない」ということに気づき、学び、自分を改造し、「同じ事故を二度と自分から起こさない」もしくは「事故に巻き込まれない」という行動ではないでしょうか。
人間関係において「適切な距離」を取る
まず人間関係において「適切な距離」を取りましょう。「距離を取る」ということは、「誰とも会わない」とか「障害を持った人々を排除する行動」ではありません。「誰とでも仲良くなろうとする、をやめる」ということです。これは公道と同じです。前述の通り、鬱病患者経験者は10人に1人ぐらい確実にいらっしゃいます。つまりこれは「往来がある公共の道路での出来事」なのです。見ないことにする、偏見をもって接しているうちは、回避も難しいでしょう。まずは自分と相手のタイプを見ぬきつつ、どのような事故を起こしやすいかを見抜くことです。物理的な距離だけではありません。人間関係は双六ゲームのような要素があります。付き合い始めの段階で何でもかんでも知り合いになろうとする人が居たら「なにかの障害かもしれない」と思うぐらいがちょうど良いでしょう。私のように長い文章を書く人や、お話が上手な人も「何かの特性」でしょうし、それが役に立つこともあります。そうやって人類はその特性を活かして生き延びてきたのです。傷つき、壊された側からすれば「僕のこんな特性、次世代に生き延びる意味なんてないよ!」と思うかもしれませんが、それは早計過ぎます。オオカミ型の人間がヒーローではなく、加害者になる世の中という現代社会においては、既にヒツジ型のアナタが、喰われずに傷を癒やして立ち上がった時点でヒーローです。これから先は、誰よりも人の痛みに共感できる人類として世界を変えていく側になりましょう。
「NOをいえるようになる」
まずはきちんと「NO」が言えるようになりましょう。人間関係においては「YES」ということで好まれますが、今のアナタに期待される能力は「自分の能力を判断したうえでNOと言える管理能力」です。それに、そのような管理能力を持った人間が「NO」と言う行動は「こちらは青信号だけど、そちらは赤信号ですよ」という意味でしかないので、失礼にはなりません。遠慮なく「NO」を言いましょう。むしろ失礼なのは「赤信号なのはなんとなくわかっているのに入り込んでくる」という側なので。まず「赤信号なのはわかっているのにYESと答えてしまう」という状態をやめましょう。
AIにお伺いを立てても良いが「YES」を言う道具に使わない
ChatGPTのようなAIを使うことで楽をすることができますし、ADHDやASDといった「ニューロスパイシー」な方々にとって「Goblin Tools」は是非体験していただきたいAIの活用事例です。
https://goblin.tools/
ですが、タスクを分解整理して助けてもらうような使い方ではなく「他者にYES」を言ったり、本人が考えるべき直接的なアウトプットを出すために使うことはよくない結果を生み出すループに入る事が多いなと感じています。
「YESを言うために、それらしい文言を並べてしまう」、その行動自体が、実力から乖離しているという状態であることを認識しましょう。「みんながAI当たり前のように使う時代」だからこそ、「YESを言うために推論させる」のではなく「NOを丁寧に伝わるように言うために作文推敲を代理してもらう」という使い方なら良いと思います。
ちょっと冷静な脳で考えてみてほしいのですが「実力から乖離している作業」を業務としてやり続けられますか?たとえば小学生が大学生のレポートの採点をするようなものです。あってるのか間違っているのか、知識や判断のベースになるようなエビデンスを持ち合わせていない業務の責任を、文書生成AIの力を借りたとして、あなたはとり続けることはできますか?
「AIを使って平気で嘘をつく人がいる」を知ろう
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