"さいごの"文化庁メディア芸術祭にいってきた #メディア芸術祭終わらないで
はじめに・おねがい
先日(2022/9/21)ボランティア活動として、「メディア芸術祭2022終了宣言に対する意見収集」フォームを展開開始させていただきました。
短縮URLはこちら https://ivtv.page.link/ma921 (拡散歓迎)
意見収集の結果はこちらで見ることができるようにしておきました。
☆ご意見の収集はメディア芸術祭が終了する2022年9月26日(月)23時を予定しています。まだまだご参加、拡散歓迎です。
さて、自分としてはこういう想いがありました。
昨年功労賞を受賞した、草原真知子先生の影響もあって、1年目から参加していたので。
8/31に公開された来年度の文化庁予算の概算要求では本当にメディア芸術祭の予算が申請されていないのでびっくりしました。
まあでも社会活動ばかりしていて、そもそも「さいごのメディア芸術祭」をちゃんと見ておかないと…と思ったので行ってきました。
文化庁メディア芸術祭 第25回受賞作品展。
https://j-mediaarts.jp/festival/
あまりにひどい展示だったら、応援する気もなくなるじゃないですか。
でもそんなことは全然なかったです。むしろ全人類に行ってほしい。少なくとも日本国民全員が観に行ってほしい。
☆お値段的には「ひとり3円の税負担で継続できる」というところです。
さて行ってみよう!文化庁メディア芸術祭 第25回受賞作品展
まず最初に日本科学未来館のエントランスであるシンボルゾーンですばらしい出会いがありました。
コミュニケーターさんの勧めに従い「うちわで de ドン!」という鑑賞方法を体験しました。上下軸が「好き/苦手」で、左右軸が「理解/モヤモヤ」で、これを同行者と「せーの」で見せアイマス。最初はちいさいシール「コミュニケーションする前の印象」で、大きいシールが「対話した後の印象」です。
中2病がまだまだ終わらない中学3年生の息子と参加したのですが…普段めったにアートに対して語ったりはしない息子氏…最初に見たものもど真ん中、つまり右にも左にも上下にもない「心は無風」という感じでスタートした息子氏ですが……さいごに出口を出る頃にはとてもいろいろ語るようになっていました。すばらしい。
タップタップラボ、NPO法人アート・コミュニケーション推進機構(PARC)という方々が運営されていたようですが、ホームページ等は存在しないようです。ナビゲーションしていただいたコミュニケーターの方、ありがとうございました。
さて。お礼から入ってしまったのですが、作品紹介です。
カテゴリーとか授賞作品とかを気にせずに見るタイプなのですが、気になる方は公式のこちらをご参照ください。
「太陽と月の部屋」
https://j-mediaarts.jp/award/single/sun-and-moon-room/
福岡で活動されている anno lab という方々の活動記録です。
大分県豊後高田市に設立された「不均質な自然と人の美術館」にある、自然と触れ合い身体性を拡張することをテーマにつくられたインタラクティブアート、のメイキング。ものづくり現場の再現。緻密に計算された建築物でレーザーカッターを使ったモックアップや資料写真の山が印象的。
なお、anno lab 代表・藤岡さんからもこちらのフォーム経由でご意見をいただいておりますので紹介させていただきます。
・メディア芸術祭に変わる新しいイベントにはワクワクしています。ただ、メディア芸術祭の過去のアーカイブにもきちんと力を入れて欲しいです
・学生の頃からこれまで18年、作品制作のモチベーションになっていました。商業的な制作に追われながらもアート作品の制作を続けてこれたのは、毎年秋に訪れるメディア芸術祭への応募期限があったからです。憧れの大賞を頂いたのが最後の芸術祭になってしまったのは寂しいですが、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。世界から日本がメディア芸術の大国であると注目されてきたのは、日本では民間だけではなく国がメディア芸術の公募展を主宰してきた、という事実があったからだと思います。海外で出会ったアーティストの友人達が熱心に話してくる日本の漫画やアニメの話題は、メディア芸術祭の受賞作品が中心でした。これからも、世界中のメディア芸術を目指す人達が日本に憧れるような未来が訪れると良いな、と願っています。(anno lab代表 藤岡 定)
Uber Existence
花形 槙/Shin Hanagata
Uber Experienceではなく"Uber Existence"
これも対話によって作品の意味や価値がグッと高まった体験だったな。
他人に何かをさせる、という行為の解像度が変わっていく。
ポスターの右上のほうにあるキャプション「指示している人間の意思だけでなく動いている人間の意思、記憶が混ざり合って行動に現れていく」という1行がまさにそれ。
この話をナビゲーションをしてくれた方と話していたら「ぼく介護の仕事しているのですが『ただカレーを作ってください』というコマンドでも、人によってどんなカレーでもいい人もいれば、本当にこだわって作ったカレーじゃないと嫌な人もいて…」なんて話になった。
現代美術はこういう「自分事」との接点をきちんと許容できる作品が好きだな(ファインアートとしての美術ならちがうのかもしれないけど)。
「あつまるな!やまひょうと森」
https://j-mediaarts.jp/award/single/yamahyo-crossing/
メディアパフォーマンス 山内 祥太[日本]
ふざけたタイトルで不真面目な作品かと思いきや実際に見ると
全くそんなことはなく
本当に真剣な作品で感動しました
こちらのサイトから「集まらずに」参加できます
http://yamahyo-crossing.com/
体験は、タブレットから「やってほしいこと」をコマンドで打ちます。何人も待っているのでしばらく待ちます(この時間が楽しい)。基本それだけなのですが、パントマイムではなく、メタバースと現実空間をハイブリッドに接合したシステムで行います。
動画撮影禁止だそうで…静止画で紹介。
この作品、そこはかとないメタバース感、Webとゲームと舞台芸術で、加えてあつ森のパロディやコロナ禍という時代性、加えて目の前のUber体験の前でやってるのがメディア芸術祭らしくて最高…。
ときどき「ヒョーッと叫ぶ」というコマンドがあるらしく、会場に雄叫びがこだまします。
マンガで書くとこんな感じ…。
Bio Sculpture
Bio Sculpture
メディアインスタレーション
田中浩也研究室+METACITY(代表:青木 竜太)[日本]
土くれにしか見えない人には見えないかもしれないけど、「えっ?土って3Dプリンターできるの?」とか「サンゴ構造をもった土とかできる?」とか思いを巡らしていける人にはオススメ。
浦沢直樹の漫勉neo 〜安彦良和〜
https://j-mediaarts.jp/award/single/naoki-urasawa-presents-manben-neo-yoshikazu-yasuhiko/
テレビ番組
上田 勝巳/倉本 美津留/内田 愛美/塚田 努/丸山 恵美[日本]
やすひこよしかず先生の神回ですよ。大画面で原稿付きでダイジェストを拝見しました。
神回だったEテレ「浦沢直樹の漫勉neo 〜安彦良和〜」
下書きほとんど無しいきなり筆で人物やら空間やらを描いていく番組ダイジェストの横で「さあ描いてみましょう」というコーナーがあって良かった。
巨匠の前で最高に恥ずかしい気持ちで一発描きをする体験…
拡大しないでください、描きなおしたい…描きなおさせて…削用筆だけでガンガン描いていく安彦先生まじで神…。
サイバーパンク2077
https://j-mediaarts.jp/award/single/cyberpunk-2077/
第25回 エンターテインメント部門 優秀賞ゲーム
『サイバーパンク2077』開発チーム[ポーランド]
エンターテインメント部門が海外作品…というのはこれまでも何度かありましたが、「Cyberpunk2077」なら納得ですよ(めっちゃ日本入っている)。
実は文化庁メディア芸術祭って受賞すると賞金頂けるそうなのですが(大賞100万円,優秀賞50万円,新人賞30万円,ソーシャル・インパクト賞50万円)その賞金は募金されたそうです。
関連ツイート(ぜひ見てください)
https://twitter.com/cdprjp/status/1572091746313699331?s=46&t=0cpZ13Lx7cMmZGbzH-4ptg
https://twitter.com/cdprjp/status/1572103265663307777?s=46&t=0cpZ13Lx7cMmZGbzH-4ptg
「エッジランナーズ」をNetflixで見て帰りました。すばらしいアニメーションです。世界に誇るレベル…。https://twitter.com/cdprjp/status/1572501346179493892?s=46&t=0cpZ13Lx7cMmZGbzH-4ptg
そのあとSteamでゲーム本編買いました。売れ行きも伸びているそうです。すばらしい作品群です。まさにメディアアートここに極まれり…。
紹介しきれなかった作品たち…続きはまた書きます!
というか会期中に行ってください!台風に負けずに!
mEat me
第25回 アート部門 優秀賞
バイオアート Theresa SCHUBERT[ドイツ]
見事なバイオアートでしたね…
観測していたのですが意外とキャッキャ言いながら観れる女性来場者が多くて感動
Project Guideline
第25回 エンターテインメント部門 優秀賞
プロダクト
『Google Project Guideline』チーム(代表:湯河 テッド)[日本]
マンガ部門ゆっくり見たかった
アニメーション部門
作品としての解説はまた追記していこうと思いますが、アートコミュニケーションとして良かった作品をひとつ紹介。
「Yallah!」
短編アニメーション
Nayla NASSAR / Edouard PITULA / Renaud DE SAINT ALBIN / Cécile ADANT / Anaïs SASSATELLI[フランス]
1982年、レバノンの首都ベイルートを舞台とする本作は、内戦を逃れるため故郷の町を離れようとするニコラスと、スイミングプールに行くことを固く決心したむこうみずなティーンエイジャー、ナジの交流を描く。泳ぎにいくというただそれだけの理由で進んでいく少年を、戦闘機や戦車の爆撃から守るため、ニコラスは戦争に巻き込まれながらもベイルートの町を横断する。しかしたどり着いた廃屋のようなプールの水は枯れており、少年は落胆する。内戦で荒れ果てた町並みを背景にしていながら、カラフルな色使いと2人の高揚感あふれるアクションによって、不思議な明るさを持ったアニメーションになっている。
この作品は息子と対話が深まったな…「戦争の描かれ方」その色、その手法について。
子供達は戦乱の中で日常を作り上げていく。そしてメイキングがとても丁寧にコロナ禍のアニメーション製作の現場を描いていた。飛び込みシーンのビデオからの手作業、表情そしてアニメーターのおねえさんのうまく行った時のガッツポーズ笑顔が好き。
いい話や…
ナビゲーターさんのおすすめ。
こういう出会いをしなかったら、普通に手に取らないと思う、自分。
マンガ部門は「デデデデ」に直筆イラスト入りサインが(好き)。
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」
浅野いにお[日本]
しかもデジタル作画作品の展示、史上初ではないでしょうか?
まとめとお願い
行ってみたからこそ分かったのですが、
メディア芸術祭は成熟しており
アートコミュニケーションも重要であり
これを終了させるのは「ご乱心」としか思えなかったです
(会場で偶然会った業界関係者とも一致した見解…)
文化庁の賢い皆様におかれましては、長年作り上げてきた信頼とブランド、そしてコミュニケーションをうまく生かしていただける取り組みを切にお願いします。
皆様のご意見お待ちしております→ https://ivtv.page.link/ma921
みなさまのご意見を拝読して、さらに実際に受賞作品展に行ってくることで、その「終わる」という事の意味が「明らかにおかしい」という気持ちに変わりました。みなさまのご意見もこのnoteにまとめて紹介させていただきたいと思います。
(とはいえまだ14件しか意見は集まっていません)
ハッシュタグはいろいろありそうで
#メディア芸術祭 #文化庁メディア芸術祭
なのですが「終わらないでほしい!」という方が100%なので
#メディア芸術祭終わらないで で共有していけたらと思います。
なお、たくさん集まるようでしたら、もう一度アンケートを実施して、
「メディア芸術祭」という名前については「公募展の必要性」、
それから現在の分野感の見直しなどについても問うてみたいと思います。
文化庁的な動きによると、概算要求が国会で承認される12月までが勝負、できるだけ早いほうがよいそうです。