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ハロウィーンなので、ちょっとホラーな暗黒星雲 Helping Hand Nebula
はじめに
本格的な撮影シーズンが我々の観測所にもやってきました。春から9月までは満月期以外は全くもって夜になると曇りが続く状況で、TELESCOPIUSのMy Observing Listに撮影したいリストもたまる一方。ほんまに、もう、SCWをみる習慣も忘れていました。
前回のブログではOSCカメラを導入したことは書きましたが、カメラの限界を知るためにも、難易度の高い分子雲や暗黒星雲などを撮影してみようと考えて、今回の暗黒星雲です。国内でも発表されている作品数で言うと数作品ぐらいかなあ?Astrobinでも100作品程度とかなり少ないほうです。
構図
縦構図でこんな配置です。
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最近知ったのですが、このTELESCOPIUSの画面において、暗黒星雲や分子雲も、明るさやコントラストや彩度を変更することができます。(もっと早くに知りたかった)
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撮影データ
暗い暗い暗黒星雲ということもあり、覚悟をもって長時間露出に挑んだのでした。南中が午前2時ごろということもあり、23時半ごろから取り始めて薄明開始時間まで5日間に渡って露出を稼ぎまくる。結果的には、200枚近く撮影して、合成に利用したのは150枚ぐらい。
[Technical Data]
Main Object Name: Helping Hand Nebula
Date: 2022/09/25, 2022/09/26, 2022/09/30, 2022/10/01, 2022/10/03
Location: Fujigane Remote Observatry, Yamanashi, Japan
Scope: Astro System Austria 8N + 3“ Wynne Corrector
Focal Length: 720mm
F-Ratios: 3.6
Mount: iOptron CEM60EC
Auto-Guide: ASI120MM, KOWA LM100JC, PHD2
Camera: ASI 2600MC Pro
Exposure:
IDAS LPS-P3: 1x1 300sec x 150, -5C, Gain 100
Imaging SoftWare: Sequence Generator Pro
Processing: PixInsight, Photoshop
画像処理後の作品
半切りで印刷することを前提にしていたので、上下でトリミングをしています。暗黒星雲の何かもの寂しいというか、薄気味悪い感じを出したかったので、暗い背景のなかに恒星に照らされて浮かび上がっている感じを表現した仕上げにしています。
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画像処理
いろいろと苦労してたので、忘れないように書きます。
子午線判定前後の画像で光条の角度が違う、、、そのまま合成すると綺麗な十字の光条にならないとう課題が発生
マジで悩んだので、「たのしい天体観測」のサイトの質問コーナーでもぶつけてみました。
南中前の画像ではこのように綺麗に光条がでます。
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子午線反転前後の画像を合成すると、このように角度が違うので扇形に広がってしまっています。これでは使えません。
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本来は子午線反転前後でキッチリ合うはずです。それが合わないということは、機材に何か問題があるのかもしれませんね。
ちなみに、子午線前後の画像において、PixinsightでStarAlignmentするとこのように位置合わせされます。
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2つの画像において、2.5度ほどXの回転方向のズレが発生しております。たぶん、これが光条がズレる原因と考えております。
丹羽さんから、ありがたい回答をいただきました!
丹羽さんからは上記のサイトにて、ImageIntegrationでのPixel Rejectionで解決する方法と、マスクを上手く使う方法の2つのアイデアをいただきました。前者の方法については、私のほうで検証を行った結果、うまくいきそうということが分かりました。
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まず、28枚に対して5枚については1本の光条が現れて上手くいったのですが、子午線前の画像を10枚、14枚と増やすとダメでした。
そこでデフォルト値”3”のSigma Highを少しいじってみたのですが、子午線前を10枚にした場合、”2”に設定すると成功、14枚にした場合、”1.5”に設定すると成功。ただし弊害として、SNRが下がってしまいました。
配分と、Sigma high値のバランスの塩梅については、もう少しパラメータをいじる必要がありますが、なんとかできそうだとわかりました。
でも、面倒くさいから子午線前後のどちらかだけを使っちゃった!
ごめんなさい丹羽さん、面倒なので、StarXterminator2で星だけを抽出しちゃいました。図に示すと、このような合成となります。
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これでフィニッシュしたのがその作品画像となります。
最後の星ありと星無しの合成は、Photoshopで合成しています。
星無し画像に対して、星だけ画像を「覆い焼き(リニア)加算」にて合成するようにしています。
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さいごに
OSCカメラのポテンシャルですが、枚数を稼ぐことでモノクロカメラに負けないSNRを得ることができる可能性を見出すことができて安心しました。
ただし、光条がズレる原因については、何らかの課題が機材に発生しているので、それを問い詰める必要がありそうです。可能性として、
赤道儀への鏡筒の固定が弱い?
フォーカサーに問題がある?
が考えられるので、どこかでテストしてみようと思います。
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