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藤井風さんのライブ「Feelin Good」に参加した


8月25日、日産スタジアムで開催された藤井風さんのライブ「Feelin Good」に参加した。

席は西ゲートのメインスタンド1階、17列目。
ステージへの距離は近くもないけど、それほど遠くもない。

いよいよ開演時間を迎え、BGMが静まる。

突然背後から、今まで聞いたことがないほどの大きな歓声と、ただならぬ空気の揺れ動きを感じる。

その先を必死に追いかけると、すぐそこに、風さんがいる。

肉眼で、その姿をはっきりと捉えることができる距離に、風さんが立っている。

ふわりと、客席に舞い降りる風さん。

突然訪れた桁外れの幸運に、驚きと興奮が最高潮に達する。


「 Oh my god!!!! 」
隣の外国人女性が、声を上げる。

神様だ。
ほんものの、神様だ。


風さんが纒うあたたかい光に照らされた人は、みんな笑顔になる。

心のネガティヴが一瞬で吹き飛び、喜びと感動と感謝に満ち溢れる。

風さんが歩く道は、明るい色とりどりの花が、一斉に咲いていくみたい。


Summer Grace

スタジアム中央の芝生で待っていたグランドピアノに座り、美しいメロディーを奏で始める風さん。
夏の青空のように一点の翳りもない幸福を、全身で喜んでいるようなピアノのメロディーが、マジックアワーの日産スタジアムに、清らかで静かな風を吹かせる。

誰もいないこの場所で、たったひとりで弾き語る姿を、テレビの前で膝を抱えて見守ったあの日から、約3年。
こうして今、風さんと同じ空の下にいれることが、とても嬉しい。


Feelin’ Go(o)d

虹がかかり、シャボン玉が気持ちよさそうに漂う、自由でピースフルなステージ。
カジュアルな衣装のダンサーたちと、軽やかにステップを踏む風さん。
肩の力が抜け、リラックスできる雰囲気が心地よい。

心は言葉を失くして
感じられるは愛だけ

夏の終わりの夕方の風に乗って、その言葉が心に届く。

約1分間、ステージがぴたりと静止する。
無の時間に比例し、ぐんぐん高まる観客のボルテージ。

再び時間を動かしたのは、過去や理想に囚われず、他人と比べず、自分だけの花を咲かせようという、風さんからの強く温かいメッセージ。





「どこにおっても見てます。
どこにいっても感じてます。

これは、僕のコンサートではありません。
これは、みんなのコンサートです。
だから、こんな風に歌って欲しいんです」




ガーデン

Uh〜 Uh〜 Uh〜・・・♪

会場に優しく響く、みんなのハミング。

曲の終わりに向けて演奏が盛り上がり、まるで空に向かって泣いているかのようなギターの音色に心が震え、涙が出た。
音楽を聴くことと、肌で感じることは、全く違った体験だ。

いつまでたっても、忘れたくない大切なこと。
自分が自分であるための、大切な心の場所。
この命が果てるまで、守り続けたいもの。

今日の思い出も、そのひとつ。



「次の曲は、手拍子or指パッチンする曲なんですよ。
みんなが抱えとるモヤモヤした気持ちとか、ネガティブな感情全部、この日産スタジアムの空に飛んでいくようなイメージを持って、やってほしいんです。」




特にない

日産スタジアムの空に響く、7万人の手拍子。
この場にいる全員のネガティブが、弾けて溶けていく。

Ah〜・・・とゴロゴロ転がる風さん。

のたうち回りたくなるくらい辛くて、暗くて、先が見えない日々が続いても。
運命に身を任せ、歩いていく。
私は十分満たされてるから、大丈夫。

この歌に何度も何度も救われ、今日ここにいる。


さよならべいべ

「ちょっと、会いに行きます」
バイクに見せかけた自転車にまたがり、広大な日産スタジアムを一周しながら、のびのびと歌う風さん。

「バイバーイ!また明日!」と放課後、同級生に笑顔で手を振るような風さんと、距離がグッと近づいたような気持ちになる。


きらり

気づけばすっかり日は沈み、夜空色のブラウス纏った風さんが登場。

クールで、鮮やかで、ダンサブルなステージ。
パイプ椅子を使ったドライブダンスが、かっこいい。

こんなに踊って歌えるなんて、すごい。
風さんはいつも挑戦と進化を遂げていて、きらきらしてる。


キリがないから

夜風がサラサラと流れる、日産スタジアム。

メカニックなロボットダンスに、キラキラ煌めくグリーンの照明。
最高にチルな、ディスコかクラブにいるような時間。(どちらも行ったことないけど)



燃えよ

ステージに映える夕焼け、常夏を思わせるパーカッション、噴射される火炎放射。

燃えよ
あの空に燃えよ
明日なんかくると思わずに燃えよ

メラメラと伝わってくるエネルギーが、すごい。
涼しい夜風が吹いているのに、心が芯から熱くなる。
歌とダンスとキーターから、そのパッションが会場全体に燃え広がる。





「ちょっと座って休みー」
ヒートアップした私たちに、冷たい麦茶を出すようなテンションで言う風さん。




風よ

「デビュー前と、何も変わらない気持ちでやります」
暮れなずむ夕日を背に、しっとりとピアノを奏でる風さん。

ステージの真ん中で高らかに歌う姿も、キレキレのダンスを踊る姿も、すごく素敵だけど。

まるで体の一部のように、小さい子どもが遊んでいるかのように、ピアノで自由自在にメロディーを奏で、幸せそうに歌う風さんの姿が、私は一番好き。


ロンリーラプソディ


「ちょっと、深呼吸しましょう。
いいことだけ吸って〜・・
いらんもん全部吐き出して〜・・」

みんな一人でしょ
みんな一つでしょ

肺にいっぱい吸い込まれた空気は、風さんの言葉のフィルターで浄化され、吐き出されたみんなの息は、夏の夜空に混じり合い、溶けていく。




「夏の終わりの恋時雨」
この最後の歌詞で検索し、湘南乃風の「恋時雨」だと知った。

年代、国籍、ジャンル等問わず全ての楽曲とアーティストに、愛とリスペクトを持っている風さんを通して、私たちもたくさんの素晴らしい音楽に出会える。





死ぬのがいいわ

煌々と輝く満月。
息を呑むほど幻想的な、夜闇に浮かぶ真紅のステージ。

わたしの最後はあなたがいい
あなたとこのままおサラバするより
死ぬのがいいわ

これが自分自身への熱烈なラブソングだと知った時、どうしてこんなにすごい歌詞が書けるんだろうと思った。

自分に最後まで添い遂げる自分自身を、心の底から愛せているだろうか。
それが簡単にできたら、もがいて苦しむこともないんだろうな。
でも、もがいて苦しむから、風さんの言葉が、心の奥底まで沁み込んでくるわけで。

多くの魂を救済する言葉を紡ぐ風さんは、何周目の人生なんだろう。

現世に生まれて、風さんの音楽に出会えたことは、素晴らしい体験だと思う。
大袈裟じゃなくて、本当にそう思う。

Workin' Hard

ゆるりとスーツを着こなし、サックスを吹く風さんが登場。

うっとりするほどJAZZYな空気から一変、稲光のようなエレキギターで始まったこの曲。

ヘヴィで力強いステージのモニターで、コンベアーに乗って流れているwindyちゃんたちが可愛くて、全てから目が離せない。

ずっずさんのスタッフダイヤリーから

キリリとしたカッコ良さと、ふんわりとしたかわいさ。
醸し出される色気と、ほころぶ無邪気なあどけなさ。
色んな風さんから、目が離せない。

damn

軽快にどこまでも走っていけそうな高揚感と爽快感で、最高に盛り上がる。

さりげなく織り交ざるコーラスが「帰ろう」「きらり」「燃えよ」のフレーズで、ライブならではのアレンジがとても楽しい。

2日目の変顔は1日目よりパワーアップしていて、ピカソの絵みたいに芸術的だった。


旅路

両足で踏ん張って、ポッケに手を突っ込んで、ロックンロール全開な旅路。

そっと語りかけるような穏やかで優しい原曲が、ヘドバンしたくなるくらい、激しく熱いビートで大爆発している。

すごく陳腐な表現だけど、音楽の可能性って本当にすごい。



満ちてゆく


夜がそっと帳を下ろし、穏やかな静寂が訪れる。

日産スタジアムの夜に満ち溢れる、7万人の光。

私もスマホのライトを灯し、広大な光の海に溶け込む。
さざなみのように静かに揺れ、みんなとひとつになり、精一杯この夜を照らす。

やがて生死を超えて繋がる
ともに手を離す
軽くなる
満ちてゆく

常に助け、決して傷つけない。
自ら許し、与えられるものは全て差し出し、何も持たずにいきたい。

そんなメッセージを届け続けている風さんは、神様でも教祖様でもない。
笑ったり、泣いたり、悩んだりしながら一生懸命生きて、いつかは空に還っていく人間なんだ。

みんな、おんなじ。
だから、何も怖くない。

自分の墓石に安らかな表情で寄り添う風さんが、そう言ってるように感じた。


青春病

自然あふれる海岸のようなステージで、ダンサーたちと自由に遊びながら、楽しそうに歌う風さん。

すべてが喜びだけで満たされて、みんながごきげんで、まさにfeelin goodな時間。


何なんw

メンバー紹介からのイントロで、夢のような時間が終わろうとしているんだと、少し切なくなる。

そんな寂しさを吹き飛ばすよう、花火のように空に打ち上がる、7万人の「なんなん!!!」
大地が揺れて、空気が踊る。
みんな、この曲が大好き。

最後のピアノソロは、毎度のことながら本当に圧巻!




「まあ、なんとかなりますね。
生きとったら、ね。
まあ、なんとかなります。

それをもう、みんな信じて。
もうどうせ、うまくいくんじゃから。最後は。

全ては心から。
思い・感情からスタートするんで。
あんたがFellin Goodな気持ちでいてくれることは、あんたの周りの全ての世界を変えてくれる思うんで。
マジで、一人一人のパワーが必要なんで。
ここにおるみんな、これからも力を合わせ、ポジティブに頑張っていきましょうよ。」


「Ok♡My darling♡」
隣の外国人女性が、ハートを飛ばす。




まつり

「もう終わりなんじゃけどさ。
でも次の曲やらんと、ワシらの夏、終わらんくね?」


クライマックスを盛り上げるチンドン太鼓の音頭に、ピアノと横笛のメロディー。
この夏最後の、風祭り。

祭り♪祭り♪
みんなで踊る、一体感。

苦しむことは一切ない。
悲しむことも一切ない。

これでもかと夜空に咲き乱れる、彩りどりの花火。
正月、お盆、誕生日、クリスマス・・・
ありとあらゆるイベントをかき集めても足りないくらい、最高に楽しくて贅沢な時間。


全てのものに、祝杯を。
心の中に、いつも感謝を。

祭り♪祭り♪

何にせよめでたい!!!


深々と美しいお辞儀をする、風さんとステージの皆さん。

私たちも、精一杯の拍手を送る。
素晴らしい時間を、本当にありがとう。




最後にゆっくり自転車でスタジアムを一周し、
「ほんじゃ、またね〜」
と言いながら帰っていくように、まるで明日も普通に会えるかのように、退場した風さん。

前日にYouTubeでの配信を見て十分満足していたけれど、日産スタジアムでのライブを実際に全身で体感し、忘れられない夏の終わりになった。

また絶対、風さんに会いに行こう。
帰りの新幹線で、余韻に浸りながら誓った。

綺麗なものを吸い込んで、ネガティブなものは吐き出して。

どうせ最後には、全部うまくいくことを信じて。

フィーリングッドに、ポジティブに。

愛だけを感じて、生きていこう。



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