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47都道府県、ゆるり旅⑤山口県

2025年2月19日(日帰り)

福岡県から関門海峡を渡って、山口県に向かう。

博多から小倉に向かう特急列車に飛び乗る。
満席だったので、人が少ない車両の連結部分にスペースを確保。
ぐらんぐらん揺れる。
福岡旅からの疲労も相まって、酔う。

しかも乗務員さんの見回りで、特急券を買わずに乗車してしまっていることが発覚。
車内でカードは使えず、現金がなくて詰む。

もうなんかダメな気がしたので、小倉に着いたらそのまま大阪に帰ろうと決意。

小倉駅の窓口で、特急券の支払いや色々な処理をしてもらう。
「で、このあと下関まで行かれるんですよね?」
駅員さんに問われる。

え。いや、やめようかなと思ってたんですけど…


来ていた。


海が見えると、酔いは冷めてお腹がすいてきた。

山口県に来るのは3回目だけど、まだ行ってない場所がある。
かの有名な、唐戸市場である。
下関からバスが出ているけど、早く着きたいのでタクシーに飛び乗る。

「はい、市場ね…」
寡黙な運転手さんだ。
うきうきした気持ちで、車窓から海を眺めていたら、あっという間に市場が見えた。

「あら?今日は…」

運転手さんの様子が変わった。
いやな予感。

「休みだね…」

ガーーーーーーーン!!!

なぜ私は、今の今までこの状況を予測しなかったんだろう。
なぜ最悪の場合を考えず、事前に調べることを怠ったんだろう。
あぁでも、これが私。
愚かな人間………。

「カモンワーフに行く?回転寿司、あるよ…」
運転手さんの言う通り、隣の商業施設で昼食をとることにする。

海の近くで海鮮を食べれば、それで良いのだ
関門海峡、透明度良好

市場の寂しさとは正反対で、店内はたいへん賑わっていた。
カウンターではなく、広いボックス席にひとり案内される。
こんな広い席にいいんですかと店員さんに尋ねると、
「もちろん!いいんですよぉ〜!!」
と満面の笑みで言ってくれたのが嬉しかった。

こうなったら、豪遊するぞ。
当店イチオシ!とか、限定!って書かれてる、スペシャルなネタばかり頼んだ。

国産"生"本まぐろ五種盛
968円
関門たこ(唐戸市場産)
396円
下関北浦・特牛イカ 572円
とらふぐ(下関産)  693円
国産うなぎ(鹿児島県大隈産)
693円

人間は本当に美味しいものを食べると、瞳孔が開くことを知った。
醤油の味になってしまうのが勿体無くて、塩で食べたりもした。
最後に、大好物の鉄火巻きも食べた。
いつか背伸びして行った、ホテルのカウンターの1万円のお寿司より、記憶に深く刻まれる美味しさだった。


すぐ目の前にある、亀山八幡宮に行ってみる。
何かとやらかす私ですが、今回の旅も無事に終えれるよう、どうか見守っていてくださいとお願いする。

鳥居の向こうに広がる海を見て、力が湧く


バスで下関まで戻り、JR山陽本線で、新山口に向かう。
午後の日差しがあたたかい車内でうとうとすること、1時間。
新山口からJR山口線で向かったのは、湯田温泉。

この温泉街には、いたるところに狐がいる。


駅前や公園に、さりげなく足湯が沸いている。
公園で遊んでいる子どもや下校中の学生が、ちょっとあったまるか的なノリで入っている。
足湯が日常に溶け込んでいる光景が、とても良い。


「狐の足あと」という、足湯を楽しめる施設に行ってみる。
疲労と冷えで浮腫んだ足に、やさしい湯の温もりが心地良い。

カフェが併設されていて、足湯をしながらドリンクやアイスをいただける。
私は迷わず、中也ラテを頼んだ。

「汚れちまつた悲しみに」の、中原中也である。
その姿を拝見するのは、小学校の国語の教科書以来のような気がする。
この辺りは彼の故郷らしく、何かと中也がピックアップされていた。
中原中也記念館もあるし、この狐の足あと施設内にも、中也になりきるための黒い帽子とマントがあったり、「中也に大好物のういろうを食べさせてみよう!」的な木のおもちゃがあった。
中也はこの光景を、どんな気持ちで見ているだろうと思った。

https://www.yuda-onsen.jp/


山口で食べずに帰れないものといえば、瓦そば。
あらゆる麺類の中でかなり上位に位置するくらい、瓦そばのファンなのだ。
熱される瓦とともに、高まる私のテンション。

このビジュアルの強さ。
日本一カッコイイそばではなかろうか。

パリッっと焼けた麺に卵と牛肉のパワーが加わり、甘めのタレにレモンの酸味や紅葉おろしの辛さが相まって、美味しい。
タレの味は、さっぱりしてたり甘かったり、お店によって少し違うんだと知った。
自宅のホットプレートで作るセットも売っていたけど、やっぱりこの大きな本物の瓦で食べたい。

帰りの電車が来るまで、駅の足湯を楽しむ。

足だけ熱くなりすぎて、赤い靴下を履いてるみたい。
少し軽くなった足取りで、帰路につくのだった。


新山口から新大阪へは、たったの2時間。
また来よう。
次は、下調べを怠らず。
現金と酔い止めも忘れずに。



以前の山口旅行記も、ぜひ!

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