![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159100919/rectangle_large_type_2_1d3eeac770d726478e912f7d12558675.jpg?width=1200)
キャンプ日記*両手いっぱいの秋
母と一緒にキャンプを初めて、4年目の秋。
この季節になると「栗拾いにいこう」という合言葉で、大阪府能勢町にある「杜のテラス」に行くことが恒例行事となっている。
この日は三連休の真ん中でキャンプ場は満員だけど、いつも静かで美しい、最高の癒し空間なのだ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087565/picture_pc_b8b742e1ce6ad497be649c0ca450dbb9.png?width=1200)
腹が減っては、設営はできぬ。
テントを建てる前に、腹ごしらえ。
木陰がとても気持ち良い。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087566/picture_pc_092f9c76399e62f87f923ed9be2fb0c8.png?width=1200)
まずはビールで乾杯。
喉はあえてカラカラに乾かしておくのが、美味しくいただくポイント。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087567/picture_pc_f1ee714ac75bbb694d4fd9e2b482c85d.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087569/picture_pc_58d6e7b56a8a9e3a53908450357c7b2e.png?width=1200)
キャンプ場での昼食は、積極的にカップ麺を食べる。
簡単で美味しいし、キャンプに来た!って感じがする。
お湯を沸かすのも、3分待つのも、楽しい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087582/picture_pc_4f3907d4cc65669353648947ff0bce7c.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087574/picture_pc_892f7cbbc07fd395b329a58542c6e2e4.png?width=1200)
母は栗だけでなく、石も拾う。
拾った石は、時折このように活用される。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087568/picture_pc_a2700632b9c695516b29a8add7c464b0.png?width=1200)
お腹を満たし、テントを建てて、住環境を整える。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159700947/picture_pc_d5498f5026ca92bfc61132b087f73510.png?width=1200)
その後はコーヒーを淹れて、おやつタイム。
キャンプの間は、いつ、何を、どれだけ食べても良い、ボーナスタイムになっている。
久しぶりに食べる、たべっ子どうぶつ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087700/picture_pc_09229f221e1b8e936658fefcf7ec346b.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087701/picture_pc_f5d8dc39a3d68358a8a3b19f029985c2.png?width=1200)
絶対、おんなじ型を使い回されているどうぶつがいるはず。
その仮説を、検証しよう。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087697/picture_pc_3c3c2bb7c6a43b7424307d114f19f099.png?width=1200)
と言い出した頃には、ほとんど食べてしまった後だったけど。
同じ型を使い回されているどうぶつは、いないようだ。
「cow」と「ox」はどちらも「牛」だけど、ほんのわずかに牡牛のoxの方が、がっしり強そうな形をしている。
勉強になる。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087695/picture_pc_c8afdaa6ea0d4421268cf0b4976f2f66.png?width=1200)
その後、私はテントの中で昼寝をし、母はせっせと薪を割る。
太陽が沈み始めると、おだやかな陽気がさっと身を引き、しんと冷たい空気が降りてくる。
夜を迎える準備を始める。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087778/picture_pc_164643445dbb4ee3e364a80b858d5c33.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087776/picture_pc_89224c1b543549a0e298cfe0e332f7cd.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087782/picture_pc_f2241554c1fcf84f7aaec008cff30cda.png?width=1200)
突然ですが、問題です。
私はなぜ、森の中で大根をすりおろしているのでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087781/picture_pc_2a316598b2e9b432c3493b2f6270cc05.png?width=1200)
正解は・・・・
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087785/picture_pc_2c6381abb9328a14c6b938b46b789bb6.png?width=1200)
「さんまを美味しく食べるため」でした!
すだちも絞れば、完璧。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087777/picture_pc_875226e852ca8d836ed949eb5126fcc8.png?width=1200)
きのこを豚肉で包んでラー油で食べたり、焚き火でさつまいもを焼いたり。
今夜の夕食は、質素で贅沢。
静かな森の中、焚き火で温まりながら、こうして秋を噛みしめる瞬間は、ほんとうに幸せ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159087780/picture_pc_d6eddddbe60346531c00fc2cfed95242.png?width=1200)
早々に夕食を済ませ、うきうきした気持ちで能勢温泉まで歩いて行ったのに、この日は混雑しているため、日帰り入浴の受付が予定より早く終了していた。
何もすることがなくなったので、9時過ぎに寝床に入った。
こんなに早く寝れるわけがないと思って目を瞑ったら、朝になっていた。
母がコーヒーを淹れていたので、巨大なウインナーを焼いた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088029/picture_pc_2bc37d670637dfb40aec288232d28944.png?width=1200)
今日のために大切にとっておいた、ちょっと良いパンも焼く。
インスタントのオニオンスープも添えれば、茶色い朝食の完成。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088022/picture_pc_6eff67932faa47e57abc7b6c050d865e.png?width=1200)
「今年は栗、ぜんぜん落ちてない・・・」
昨日はそう言って、少ししょんぼりしていた。
が、決してあきらめてはいけない。
状況は、日々移り変わっていく。
トイレに行った母が、栗といっしょに、うれしそうに戻ってきた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088021/picture_pc_0478d4c2b57b9f71041d187218995c10.png?width=1200)
よくよく見上げれば、これから落ちてくるであろう栗が、まだ少し残っている。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088003/picture_pc_730dc97e2fe82737678e7a87f7805094.png?width=1200)
チェックアウトまでの残り時間は、本気で栗を探した。
昨年は栗のパラダイスになっていた場所も、今年は一つも落ちていない。
しかし、私たちは諦めなかった。
栗のことだけを考えながら、広いキャンプ場を練り歩いた。
時々、きのこに気をとられた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088032/picture_pc_0250de1324e26be8994c2441b731b556.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088025/picture_pc_ebe67395582b81e88f595a1ed72febb8.png?width=1200)
今年はもう、これで終わりかなと思ったとき。
落ち葉に紛れて、さりげなく、ころころと輝く栗を発見。
ひとつ見つけたら、もうひとつ、ふたつ、みっつ・・・
両手いっぱいの栗は、なんだか心にずっしりくる重み。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088034/picture_pc_28969c1d390283514fc4fc5587453253.png?width=1200)
遠くに行かなくても。
多くを持たなくても。
手を伸ばすと触れられるところに、この両手ですくえるだけの幸せは、じゅうぶんに有り余っている。
拾った栗は、その夜に蒸した。
割った栗の実をスプーンですくい、ほくほく食べていると、小学校の運動会を思い出した。
お母さんが、おやつに蒸した栗を持ってきてくれた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159088033/picture_pc_4d23f668ebac836dd03abbf77b5a9da0.png?width=1200)
しかしよく考えると、それは私の記憶ではなく、母の幼少期の記憶だった。
去年の今頃、大量に採れた栗を剥きながら、私に話してくれたのだった。
来年も、こうして一緒に栗を食べれるといいな。