News Paper
見渡す限りの樹木
空気を充す菌類
地面でふやけた落葉
肌をくすぐる湿度
だのに匂いがしないのが
寂しくってたまらない
毎日を印刷機みたいに
吐き出す吐き出す吐き出す
興味なんてのは毛ほどもない
ただ刷っては吐く、吐き出す
目先真っ暗
手先も真っ黒
味のあるオフィス
だけ自慢できる
若いオナゴのスカートがはだけただ
くさいオヤジの処罰はあーだとか
若人がまたやっただなんて
梅干しが腐るほど興味ない
蜂蜜がカビるほど知ったっこちゃない
相変わらず匂いはしないが
いつも森はそこにある。
私のオフィスもそこにある。