葛飾区児童相談所を視察しました
【2024.5.16】
親子・子育て応援ラボメンバー、中央区議会議員の高橋まきこです。品川区議会議員の横山ゆかりさんと2名にて、2023年10月にオープンした葛飾区児童相談所を視察させていただきました。視察の受け入れ、ご案内、調整など、関係のみなさまありがとうございました。
【葛飾区児相の設置まで】
H28年の児童福祉法の改正を受け、特別区の児相設置が可能となりました。葛飾区では、R2年に葛飾区児童相談所基本構想と基本計画を策定して、設置へと向かいました。R4年には、子ども総合センターの運営計画が策定され、区児相と両輪で支援をしていくことが示され、R5年の10月に葛飾区児童相談所が開設されました。
【課題は人材の採用と育成】
葛飾区でも人材の採用と育成が大きな課題となったそうです。長期的に継続的に人事部門と共有をして採用を続けるとか、都内に留まらず、他県の施設にも研修派遣をするなど、職員の経験値を高める工夫も続けてきたとのことです。若い職員が多いため、本人がキャリアプランを描けるようにすることも大切とのことです。
※支援者支援コーディネーター
育成したスタッフの心が折れないように支援することも重要として、第三者的に相談ができるコーディネーターを配置しています。
【区児相を設置して良かったこと】
良くなっていると実感できることについてお聞かせいただきました。
1)区内の連携強化
子ども総合センターや保育所、学校などの関係施設と情報や対応の共有がスムーズだと言います。職員同士も顔が見える関係性や、経験したことのある職場など、近い関係性だからこそできる、きめ細やかな対応が魅力だと感じました。特に児相に関わる子どもたちは、通学の困難や不登校傾向など、
学校との連携が求められることも多いそうです。福祉と教育の連携のためには、区だからこそできることが、より多くあるとお聞きしました。また、場所は立石にあり、区の中心に位置していて、区役所や警察署とも近く、連携しやすいと感じるそうです。
2)里親が増える傾向
児相の仕事をより身近に知ってもらったり、伝える機会が増えることにより、里親の意義や必要性を共有できることで、里親が増える傾向にあるそうです。国や都が里親を増やす目標を示す中、これはとても大切な点だと思います。
これからはこの「良さ」を地域と共に共有していくことで、その良い連携を広く展開していく方向性もお聞かせいただきました。地域に役割と意義を知ってもらうことも大切だということです。
【子どもの意見表明「わたしの気持ちシート」】
R4年に改正された児童福祉法において、意見表明等支援事業が法定化され、R6年から努力義務となっています。
・社会的養護に関わる子どもの意見聴取等措置義務
・意見表明等支援事業
これを受け、葛飾区児相でも「わたしの気持ちシート」や意見箱を通じて聴取の機会を大切にしているとのことです。
【区児相は8箇所】
葛飾区の児相が23区では一番新しく、8番目の開設となりました。これまでは東京都児相である、足立児相が葛飾区と足立区との2区を担当していました。結果として、足立児相は足立区だけを担当するように変わりました。
区児相:世田谷区、江戸川区、荒川区、港区、中野区、板橋区、豊島区、葛飾区、品川区(R6予定)
都児相:新宿区、北区、品川区、杉並区、江東区、足立区にあります。