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【お茶師日記14】お茶刈りと職工の日々

 2021年5月5日

雨が続くと…

 現在、一番茶の真っ最中でありますが、雨。
 お茶農家さんたちは雨が降れば降ったで機械の整備やら小売り用の仕上げ、発送とお忙しいでしょうが、そういうものが一切なくお休みになるのが私。♪「雨が続くとぉ〜仕事もせずにぃ〜 キャベツばかりをかじってたぁ~」♪という歌詞が浮かんできますね。(こないか)

お茶刈りのお手伝い

 今年はお茶の芽が早かったのですが、その後比較的気温が低い日が続いていて、思ったほど芽が伸びてこない状況です。
 我が社でも、南部の早場所の収穫はとっくに終わったのに、地元の葉は意外に集まって来ません。
 このため、買い葉ライン担当の私は、午後から出勤して、早い日には夕方には終わるという生活。「身体は楽だなー」と思っていたところ、我が社の施設を利用している生産者のMさん、Hさんから「明日から午前中、お茶刈手伝ってくれないか」との依頼があり、3日ほど早起きしてお茶刈りを手伝いました。 

みんな仕事が速い

 初日。まずは、Mさんのところへ。彼の茶園は、ほとんどを乗用型機械で摘採するのですが少しだけ可搬型を使わなければならない場所があります。急傾斜地や被覆棚のある茶園です。
 この日は被覆棚のある「おおいわせ」の茶園。着いてみると、すでに仲間のお茶農家などが集まってお茶刈りを始めていました。彼らは以前から相互に労力を融通する仕組みを作っており、お互いの茶園をよく知っているし、どこから刈ってどこにトラックを付け、どこから搬出するか、など段取りをお互い心得ています。
 メンバー以外にも、お茶時期だけ彼らを手伝う、元銀行員の方とか自営業者の方が一緒に作業をします。
 とにかく皆さん仕事が速い。可搬型のお茶刈りは、二人で刈って一人が補助で袋を持ち、さらに人手があれば、収穫した葉の入った袋を回収してトラックなりモノレールに積み込むという作業になりますが、ほとんどアイコンタクトで各自の役割を察知し、適宜交代しながら効率的に作業を進めていきます。
 私も刈る人と袋を持つ人を順次交代して作業し、あっという間に終了しました。

傾斜茶園はこわい

 次にHさんの茶園へ移動。こちらは3人での作業です。Hさんは農薬・化学肥料不使用栽培を続けておりながら昨年全国茶品評会で上位に入り、一部で称賛されました。
 場所は彼の家の裏を登ったところにある急傾斜の茶園。2本~5本程度の畝が段々になっています。段の端の外側はほとんど歩く場所がなく、しかも滑りやすい。土が浸食されたのか、金属製の部材を利用して細長い足場を設置してある段もあります。
 いや、これ恐いだろう、そうまでして全部耕作しなくても。外側の1畝は抜いたらどう、その分もっと条件のいい茶園借りればいいじゃん。と思いつつ・・・声には出しませんよ、私。
 危険なところはなるべくHさん本人が担当して作業を進めます。
 お茶刈りで体力を使うのは刈ること自体より収穫した袋の運び出しですね。重くて不整形の柔らかいものは、持つのも運ぶのも意外に疲れます。特に傾斜地で、上の道へ搬出する場合は相当のエネルギーが必要です。
 くたくたになってお昼まで作業して終了し、茶工場へ生葉を運び込みました。

私にはきつい


 この日は茶工場の仕事は3時からなので、それまでは、製茶中の施設利用のメンバーと話したり、近くの茶工場へ行ったりして過ごしました。普段顔を合わせても、なかなか仕事中は話もできないので。

 そして夜まで製茶の仕事をして帰るという、この日のような行動パターンを3日繰り返しました。
 午前中お茶刈りをして午後から夜中まで製茶、というのが一般的な自園自製農家のお茶時期の日課ですが、さすがに私にはきついわ。

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