まるでタイタニックのジャックドーソンのような生き方
26/12/2021 ホステルの食堂にて
"I'm from Mexico"
ソファーの上でくつろぎながら作業をしていると、食堂からそんな言葉が聞こえてきた。
一年間チリにいた経験があるからか、僕の耳はスペイン語圏の国名にはよい反応を見せる。
久しぶりにスペイン語が話せる!と意気込んで食堂に向かい、彼女に話しかけた。
彼女と話したのはわずか1時間ほどだったが、その内容はかなり刺激的で面白かった。
スペイン語を話そうと思って食堂に向かった僕は、しばらくすると英語で話していることに気づいた。
彼女の話があまりに面白かったので、より深いところまで話せる英語に自動的に脳が切り替えたのだ。
彼女は現在は自国でセラピストとして働いており、今日はバンコクについてすぐにパタヤに行った後だったらしい。
今は普通に働いているが、コロナの前までは数年間世界を飛び回っていたそうだ。
それは彼女と話した瞬間に分かった。
僕が日本から来たと自己紹介すると
「前に東京、大阪、名古屋、福岡行ったよー!」と即座に返してきた。
日本と言った瞬間にここまで地名が出てくるのは、よく旅をする人の特徴だ。
気になってより深く聞いてみると、各地で仕事をしながら日本を始め、アメリカやヨーロッパの国々など、気持ちの赴くままに世界を飛び回っていたそうだ。
何でもやったそうで、ウェイトレスやマッサージ師、歌手、ダンサーなどなど、飛び込みで自分を売り込み少しだけお金を稼ぎ、十分にたまったら次の国へ行く。
ここで勘の良い人は気づくだろうが、彼女はビザなしで働いていた。(今は違う)
が、ここではそれに関しては話さないことにする。
僕は彼女の生き方に魅せられた。
まるで、「タイタニック」のジャックドーソンのような生き方。
気の向くままに行き先を決め、根なし草なしの生活をする。
もしかしたら、宿がなくて橋の下で寝たこともあるかもな、、なんて妄想もしたくなる。
そんな寛恕からのメッセージは
「人生どうにかなる!好きなことをやって生きな!」
だ。
こんな生き方をしている人から言われたら説得力がありすぎる。
そして、何より彼女は心から楽しそうなのだ。
久しぶりにこんな人に会った。
旅ってやっぱり最高。