思いがけず・ジュテ
その日、ぼくは朝の8時に岡崎へ向かっていた。ちなみに、自宅のある下鴨から岡崎へ南下しているのではなく、職場のある四条河原町の方から岡崎へ北上している。ここでひとつ言い添えておくとするなら、決して朝まで酒を呑み散らかし、酔いと眠気を引きずりながら自転車でフラフラと走っていたわけではなく、清々しい気持ちで涼しくなったばかりの朝の鴨川沿いの川端道路を疾走していたのだ。夕方になれば外国人観光客が溢れかえって身動きが取れなくなるような道でも、この時間ならば道歩く人はまばらであるので、ス