大成 海

おもしろがってくたさい。 ○ https://linktr.ee/onarik ○onarik2000@gmail.com

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マガジン

  • しかめっ面deレコード収集

    ぼくがいかようにしてレコードを買い集めているか、京都を中心としたレコードショップの話とともに。

  • 僕の京都案内。

    5年ぶりに出たPOPEYEの京都特集「お久しぶりです、京都。」の中の「僕の京都案内。」にあやかって、勝手に京都を紹介してみよう!

  • 今月が終われば、来月がやってくるらしい

    今月の事を、忘れないように、文字にして、残しておくのです。そんな文章たち、ございます。

  • 映画についての極私的な文章

    僕が観た映画と日常の関係性について極私的に。

  • あらゆる看板

    京都を中心に全国各地の看板、揃えます。

最近の記事

大学と放課後 「鶏泉」

京都の北の外れにある上賀茂。そこからさらに北に外れた山の上に、ぼくが通う大学はある。いろいろな事情が重なり、いまだ学生という足かせを外せずにいるぼくは、毎週水曜日の午前中だけ、この山の上まで片道30分ほど自転車を漕ぎ、大学へ通っている。授業は朝の9時から。「動物の社会入門」と「近現代日本文学」という2つの授業をこなすわけだ。 「動物の社会入門」についてはまるで興味がないが、水曜日の朝に頃合いの良い授業がなかったから仕方なく履修をした。この日の授業では、教室の前方にあるスライ

    • 第4火曜日のレコード・ガイド「黄色と車が印象的なジャケットのレコード」

      京都は出町のカフェ・バー・S.O.U.にて、毎月の第4火曜日にBGMがてらレコードをかけるイベントをやっている。そのイベントに合わせてレコード・ガイドの制作を始めた。それがこちらの「第4火曜日のレコード・ガイド」である。ぼくが偏愛している音楽、アルバム、アーティストについての愛と思い出を書き連ねます。第1回は、製作したイベントのフライヤーにちなみ、「黄色と車が印象的なジャケットのレコード」です。 『Magical Mystery Tour』 Beatles ぼくの初めての

      • 思いがけず・ジュテ

        その日、ぼくは朝の8時に岡崎へ向かっていた。ちなみに、自宅のある下鴨から岡崎へ南下しているのではなく、職場のある四条河原町の方から岡崎へ北上している。ここでひとつ言い添えておくとするなら、決して朝まで酒を呑み散らかし、酔いと眠気を引きずりながら自転車でフラフラと走っていたわけではなく、清々しい気持ちで涼しくなったばかりの朝の鴨川沿いの川端道路を疾走していたのだ。夕方になれば外国人観光客が溢れかえって身動きが取れなくなるような道でも、この時間ならば道歩く人はまばらであるので、ス

        • 【前編】次期日本銀行券における肖像人物の予想

          序文 2024年7月3日。この日は、新しい日本銀行券(通称:お札)が流通を始めた日である。お札に描かれている人物と紙幣のレイアウトが一新され、ニュースでの報道や知人・友人との間でも「新しいお札もう見た?」なんて会話で話題になっている。ちなみに、ぼくはまだ見ていない。別に新しいお札がなんだという気持ちの反面、ぼくも早く新紙幣を見てみたいというじんわりとした焦燥感があり、この感覚は数年前に一瞬だけ一世を風靡した「クラブハウス」というアプリが登場したときの感じに似ている(こんなア

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        • しかめっ面deレコード収集
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        • セトゲイなんて最高じゃないか
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        記事

          七夕2024

          京都の出町にある枡形商店街は、7月が近づいてくるたびに七夕を祝っている。商店街の脇にはいくつかの笹の木が設えられ、そこには近隣の老人ホームにいる老人たちや、幼稚園や保育園に通う子どもたちのあまたの願いが吊るされている。一方は健康や安寧を願うばかりだけれど、もう一方は子どもらしい自由な発想で、「けいさつにになりたい」という子どもらしい願いにはじまり、「ほしいものがほしいです」という人間の欲求の心理をついた哲学的な願いから、「たんじょうびがはやくきますように」という、プレゼントを

          さらば、愛しきヌートリア

          ぼくはほとんど毎日、川辺を歩いたり、自転車で走ったりしている。それは鴨川であったり、または賀茂川であったり、あるいは高野川であったりする。京都の町には南北を貫く大きな川があるので、日常的にこの川を使う。鴨川を一度でも歩いたことのある方ならきっとお分かりだろうが、鴨川には信号がないので不毛な停車をする必要がないし、大通りのポイントでは道路に出られるようなスロープも用意されている。それはまるで高速道路のようだ。しかも無料なのである(当然だ)。それだから、たとえば今出川から丸太町ま

          さらば、愛しきヌートリア

          【企画書】「六山の送り火」

          行事題目:「六山の送り火」 日時:2024年8月16日 20時ごろから 場所:京都市内各地 京都の伝統的文化 古くから日本の中心であった京都という町には、さまざまな伝統的な文化が残っている。まずは毎年多くの人を集める祇園祭や葵祭、御霊祭りをはじめとした各神社の祭り。気が遠くなるほど長い間に渡って続いているこれらの祭りの長所と短所をとりあえずまとめてみた。 ○長所 ・古くからの伝統を絶やすことなく次世代に語り継ぐことができる。 ・京都府内だけでなく、全国、世界中からの観光客

          【企画書】「六山の送り火」

          休日は 箱を運んで 銭稼ぎ(後編)

          前編はこちら 公園での休憩から事務所へ戻ると、見るからに大学生然とした青年が元気に立っていた。昼から合流するタイミーさんだ。午前からすでに大量の箱を運んでくたびれている我々の目に比べると、彼の目は輝いている。しかも尋常でない輝き方をしていて、俳優の片桐はいりさんのような輝きを放っている。だから、便宜上、この文章で彼のことは「片桐くん」と呼ばせていただくこととする。 昼からは何やら折りたたみのテントの搬入があるようで、路面に駐車した4tトラックから20kgほどの重量のある段

          休日は 箱を運んで 銭稼ぎ(後編)

          休日は 箱を運んで 銭稼ぎ(前編)

          ぼくはコンビニの棚に陳列された数種類の軍手の前で悩んでいた。手のひらの側が全てラバーに覆い尽くされたものがいちばん好ましいように思うが、価格は500円と少し。今日1日しか使わないのに、軍手ひとつに500円も払うのはいかがなものかと、隣にあった150円の軍手を手に取った。その軍手は、街頭アンケートで「あなたの思う軍手とは」という質問をして、返ってくる答えでいちばん多いだろう、よく道端に落ちているような、いかにも軍手的な白い軍手だ。その手のひら側に黄色いラバーのドットが散りばめら

          休日は 箱を運んで 銭稼ぎ(前編)

          甲子園球児を眺めながら呑むビールの旨さ

          「大きくなったら甲子園に出て、プロ野球選手になるから応援に来てください」と、かつて野球少年だったぼくは、いろんな場所で言っていた。両親に、祖父母に、近所の人に、所属していたソフトボールチームのコーチなどに。結局ぼくは、中学校の野球部で周りの部員たちに身長も体力も技術も情熱も、なにもかも追いていかれ、野球部のない高校へ進学した。今となっては夢は夢のままで終わってしまったのだけれど、それはそれでまぁある程度は幸せな夢であったように思う。 そんな野球少年だったぼくも、いつの間にか

          甲子園球児を眺めながら呑むビールの旨さ

          しかめっ面deレコード収集 第3回「給料日の葛藤」

          今は昔……、と言うには少しばかり最近のことのように感じるけれど、これは今年の6月10日の話である。たいてい、ぼくはお給料が入ると、給料前数日間の、我慢を虐げられる生活の中で溜まった鬱憤を晴らさんとばかりに、レコード屋をめぐることを習慣としている。この日もいつものように、某出版社での勤務が終わると、レコード屋が密集している京都の街の方へ自転車を走らせたのであった。 まず手始めに訪れたのは、“Art Rock No.1”。ここは京都市役所の裏のほうのビルの7階にあるレコード屋で

          しかめっ面deレコード収集 第3回「給料日の葛藤」

          しかめっ面deレコード収集 第2回「VSシュガー・ベイブ」

          給料日がやってくると、多少なりとも経済的な余裕が生まれたのをいいことに、ぼくはレコードを収集する旅へと出る。ひとつレコード屋に入ってみるとだいたい10枚ほどのめぼしいレコードに出会うわけだから、5つのレコード屋に入ればめぼしいレコードの数は、複雑な計算を経た結果、500枚ほどになってしまう。そんな膨大な数のレコードを余すところなく連れて帰ることができれば、そりゃいいのだけれど、いかんせんお金もないし、相変わらず部屋も狭い。なので、膨大なレコードのなかから欲しいものを厳選して手

          しかめっ面deレコード収集 第2回「VSシュガー・ベイブ」

          しかめっ面 de レコード収集 第1回「京都を歩けばレコード屋」

          ぼくは休日になれば、町へ出かけ、いくつものレコード屋をめぐるなどして午後からの1日を潰すことがある。と言うと、なぜ午後からなのか、せっかくの休みならば朝からいけばいいではないかと思う人もいるだろうし、ぼくも実際そう思う。朝から夕方までレコード屋巡りができれば、それはそれは幸せなことなのだろうけれど、あいにく京都の中古レコード屋というのは、揃いも揃って開店が正午以降なのである。それゆえに、朝9時のバスに意気揚々と乗り込んだとしても、9時半になるころには目的地に到着してしまい、京

          しかめっ面 de レコード収集 第1回「京都を歩けばレコード屋」

          和田誠に出会い、和田誠に恋をする。

          和田誠。そうきいてピンとくる人もピンと来ない人もいるだろう。実際、ぼくは2年ほど前までは彼の名前は知らなかった。でも、彼の名前を知るまでにも彼が手掛けた本や彼の作品のいくつかには出会っていたので、多くの人がぼくのように知らず知らずのうちに和田さんのなにかしらに触れていることだろう。 和田さんは1936年に大阪に生まれ、幼い頃は外で遊ぶよりもうちのなかで絵を描くの方が好きで、落書きや漫画を作ったりしていた経験からか、小中高校生のころは科目べつにノートを分けず「オムニバス」とい

          和田誠に出会い、和田誠に恋をする。

          【ポートレート・イン・キョウト】 第2回 タカヤマ ダイスケ

          『Portrait in Jazz』という本がある。イラストレーターの和田誠さんが敬愛するジャズマンたちのイラストを描き、それを気に入った小説家の村上春樹さんが、彼らへの愛を書いたという、ただそれだけの本なのだが、ジャズを好み、和田さんと村上さんをそれ以上に好む僕にとってはたまらない1冊だ。この本を読みながらひらめいた。僕も尊敬する京都の人たちをイラストと文章で紹介しようと。そうして生まれたのが、『Portrait in Kyoto』なのである。 みんなが「大ちゃん、大ちゃ

          【ポートレート・イン・キョウト】 第2回 タカヤマ ダイスケ

          【ポートレート・イン・キョウト】 第1回 タブチ ヨウジロウ

          『Portrait in Jazz』という本がある。イラストレーターの和田誠さんが敬愛するジャズマンたちのイラストを描き、それを気に入った小説家の村上春樹さんが、彼らへの愛を書いたという、ただそれだけの本なのだが、ジャズを好み、和田さんと村上さんをそれ以上に好む僕にとってはたまらない1冊だ。この本を読みながらひらめいた。僕も尊敬する京都の人たちをイラストと文章で紹介しようと。そうして生まれたのが、『Portrait in Kyoto』なのである。 河原町丸太町周辺のお店に限

          【ポートレート・イン・キョウト】 第1回 タブチ ヨウジロウ