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現代は「サイコロの6の目」を出すことが求められている。
ニュースや報道を見ていて、「史上最年少」というワードはよく見るが、「史上最年長」というワードはあまり見ない。
まるで、早いうちに結果を出すことが何よりも素晴らしいことだと錯覚してしまいそうになる。
早いうちに。若いうちに。今のうちに。
そんな思いが僕らを苦しめてしまうことがあるんじゃないのか。
今、この現代は、いかにサイコロの6の目を出すかの競争ゲームと化していないだろうか。
サイコロの1の目を出そうものなら、冷たい目で見られ、バカにされ、笑われる。
あまりにもスピード化された時代で、ゆっくり歩むことが許されない、この息苦しさを感じたことはないだろうか。
現役で一流大学に行くことが、ストレートで大企業に就職することが、ほんとうに正しいことなのか。
それは、あまりにも危険で、いろんなものを見落としてはいないだろうか。
早いうちに、いろんな経験をし、いろんなものを習得し、いろんな力を発揮し、活躍するというものが美とされる世の中で、
時間をかけて、ゆっくりと、じっくりとものごとを堪能し、味わい尽くす生き方も美とされていいはずだ。
泥水すする経験だって美しい。
電車の窓から見る景色も綺麗だなぁと思う一方で、それは秒で過ぎ去っていく故、全てを拾い切ることはできない。見落としているものがきっとある。
その点で、散歩しながら見る景色は、自分の見たいものを、見たいように、見たいペースで見ることができるために、より深みと重みを持って感じることができるのではないか。
人生もきっと同じで、失敗や挫折をした人には人間としての深みが出るとよく言われるが、遠回りして、ゆっくり歩くことにだって、きっと美学がある。
若いうちから、成功ばかりに囚われることは、魅力もあり怖さもある。この両面は自覚した方がいいのではないか。
と、話は変わって、冒頭の文章に立ち返らせてもらおう。
「史上最年少」と「史上最年長」
中学生「なのに」すごいね
高校生「なのに」すごいね
大学一年生「なのに」すごいね
若い「のに」すごいね
この「なのに」って、ほんとうに褒め言葉なのか?
どうしても、引っかかってしまう。
確かに、若さは武器かもしれない。
でも、みんなやっぱり勘違いしてる。
若いうちにいろんな経験と挑戦をすること「だけ」が、正解であるかのように。
「若さ」が注目される影で、「老害」なんて言葉が蔓延っている。
若者は、若者だけで成り立っているわけじゃなくて、たくさんの「先輩たち」のおかげで今があるんだ。
歳を重ねた人に対するリスペクトがあまりにも、この現代欠落しすぎていないか。
大人に不信感を持つとか、大人が嫌い、とか言うのは、ほんとうに大人のせいなのか?
若者が言う「大人は頭が硬い」とか「大人は信頼できない」という発言は肯定され、受け入れられるのに、
大人が言う「今の若者は」発言はなぜ否定され、受け入れられないのか。
さっきも言った。
確かに、若さは武器であり魅力かもしれない。未来の希望かもしれない。
けど、それだけじゃない、年上の経験や知識だって十分な武器であり、魅力だ。
日本は、海外からすごく、すごく人気だ。
国内にいれば、日本の経済状況とか国内貧困とかいろーんな問題があって、日本の未来に希望を持てないかもしれない。日本オワコンだなんて思ってるかもしれない。
でも、日本はほんとうに素敵な国なんだと思う。
この、世界中の人から日本が素敵な国と評価されるようになったことに、今を生きる若者は、何を貢献した?何か成し遂げたか?
長い長い時間をかけて、知恵と経験を費やして、この状況を作ってくれたのは、間違いなく先人たちであるはずだ。
俺らは、その平和で安全で、素敵な箱の中でぬくぬくと生きているにすぎない。自由に、好き勝手生きているにすぎない。
年上の先輩たちに、ちゃんと敬意と感謝を示してから、その自覚を持ってはじめて、俺らは俺らのやりたいことをやる必要があると思う。
その上で、おかしいと思ったことは声をあげればいい。変えたいものは変えていけばいい。
若者も、高齢の方も、同じ人間で、同じ人権を持つから。
「みんな」で、もっとこの社会を、日本を良くしていきたい。
ここまで、読んでいただきありがとうございました!