かっこよさとは。【2023年6月15日】
かっこいいってなんだろう。
みんなの周りには、かっこいいと思う人がいるだろうか。いるとすればそれはどういう人なんだろうか。
俺には、かっこいいと思う人がたくさんいる。年上でも同世代でも年下でも、年齢は関係なく、かっこいいと思う人がいる。
その中でも1人。すごくすごくかっこよくて憧れで尊敬してる人がいる。
それは中学3年生の時に出会った校長先生だ。
まず、俺が通ってた中学校は1つ上の代がすごく荒れていて、先生に暴力は振るうし、毎日のように喧嘩沙汰が起こるし、校内のあちこちで物の破損は起こるし、放課後には警察が呼ばれることも少なくなかった。
そんな中、自分たちが3年生に進級すると同時に新しい校長先生がやってきた。ちょうど定年退職の年だったので、1年きりの勤務だった。
まず、1番最初の校長挨拶の一言が衝撃的で今でも覚えている。
「私は毎回の集会で話します。ですが私の話は必ず5分以内で終わらせます。全校集会はみんなが中心に作っていくものだから、校長先生の長い話なんて聞きたくないでしょう。要点だけまとめて、さっと話します!」
こんなことを言っていた。それまでは校長先生の話は長ったらしいものだという固定観念があった。でも宣言通り、毎回の集会での話はすごく端的にまとめられたものだった。しかも、スッと入ってくるし、すごく熱のこもった話を届けてくれる。そして、集会の残りの時間は生徒会が主体で作っていった。
当時、自分は生徒会長をやっていて、校長室に何度か呼ばれて、この学校をよくするために作戦会議を重ねた。まずは校舎を綺麗にしなくちゃいけないねという話になって、物の破損を無くしていこう!ということになった。生徒会を中心に物の破損がないかを見回りし、週ごとに成果を報告した。少しずつだけど、破損の数も減っていった。
部活動にもよく顔を出してくれて、俺は野球部だったんだけど、一緒にキャッチボールをしたこともあった。
廊下ですれ違ってもいつも元気に挨拶してくれて、会うだけですごくエネルギーをもらえる。
とにかく、生徒と近い距離で、誰よりも生徒のことを思って接してくれた。ものすごく熱い思いを持って接してくれた。
中体連の壮行式も例年とはガラリと変わった。例年までは、各部活ごとに意気込みを言って、応援団からの応援があって、それで終わっていた。その年の壮行式は、一旦、例年通りのままのプログラムで進み、司会が
「これで壮行式を終わります」
というアナウンスの後に
「ちょっと待ったー!!!」
って先生たちが割り込んできて。先生たちがステージに上がって、ちょっとした劇を交えた応援をしてくれた。「弱い自分」って書いた木の板を割って見せてくれたり、負けそうな時に立ち上がる芝居を見せてくれたり(笑)
最後に、先生たちからの全力エールをもらった。もう会場は大盛り上がり。先生たちもそんなことするんだ!って。
しかも、卒業証書授与式もすごく衝撃的だった。
なんと校長先生は、3年生一人一人にコメントをつけながら卒業証書を授与していったのだ。
淡々と流れる卒業証書授与式なんて、あの場にはなかった。ちゃんと生徒一人一人のことを見てくれてたんだって。
「我らが生徒会長。ほんとうに頼りになりました。ありがとう!」
今でも忘れない。卒業証書授与の時に、校長先生からいただいた言葉。
先生たち、生徒会を上手に巻き込んで、すごくすごく活発でエネルギー溢れる学校を創ってくれた。生徒会長として、より近い距離で校長先生を見ていたから、先生の熱い思いや姿勢や行動がすごく衝撃的だった。前を走るリーダーの姿によって、こんなにも組織は動くのか、変化するのか、というのを身をもって体感した。
たった1年しかいなかったのに、それまで荒れ果てていた学校を新しく創り変えてくれた。その過程を、経験できてほんとによかった。
「かっこいい」っていうのは、俺の中では『言動が一致してる』ってことだと感じる。
世の中には、美しい言葉、かっこいい言葉なんて無限にある。でも、それだけじゃ心の奥底には響かない。結局は、
誰が言うか、誰とやるか
WhatよりもWhoの方が大事なんじゃないのかなって思うんだ。
あの校長先生だったから、学校はあんなにもエネルギーに溢れた場になった。あの校長先生と過ごせたから、あの中学3年生の1年間はすごく思い出深い時間になった。
自分も他の誰かにとって、
「そらが言うから心に残る」
「そらとやるから楽しい」
そう言われるように、『かっこいい』人になれるように頑張ろうと思う。
俺はまだまだ口先だけだ。
校長先生と久しぶりに会って、語りたいな。
実は、高校の同級生のお父さんなんだよね(笑)
あとは、今 大学で仲良くしてる教授の友達だって言ってた(笑)
大学生のうちに話す機会があれば、その時はまたnote更新します!