『細菌のはたらき』
今回も新しい本です。と言っても原書は2018年の刊行物なのですが、これでも新しい方ですよね。
この本はNATIONAL GEOGRAPHICから出版されているため絵や写真が豊富でそれぞれの細菌の姿がどのようなものなのかわかります。
ちょっとグロいものもあるので注意が必要ですがとても興味深いものです。
細菌の姿が見えるというのはなんだか概念が変わってしまうこともあり、ここにあの細菌がいるのかとか考えると気持ちがゾワゾワします。
そして、今までは腸内細菌のことに興味を持っていましたが、この本では身体全ての部位にたくさんの細菌が住んでいることを教えてくれます。
頭皮、顔面、口腔、鼻腔、陰部、脚部などなど、ありとあらゆる場所に細菌がいて重要な働きをしています。
前半は身体各部に住んでいる細菌の紹介。
後半は細菌との共存方法を教えてくれます。
この本を読んでから、日常生活の中で細菌に気を使った生き方とは何なのかと思うようになりました。
何気なく使っているシャンプーや石鹸、汚れを落とし老化した皮脂を洗い流すために使っているのですがどこまで使っていいのでしょうか。
長い間の食習慣によって築き上げられた細菌との共同生活で肉食は細菌が喜んでいるのだろうか。
毎日コーヒーを3杯以上飲んでいるが分解のための細菌は私の腸内にいるのだろうか。
しまいには、人間を構成する細胞の数よりはるかに多い数の細菌を持っている『私』とは一体どんな生き物なんだろうと、すっかり哲学的な気持ちにもなってしまいます。
まだまだわからないことが多く研究の途中でもある、人間と細菌の関係、ひいては、地球上に存在する細菌の役割などが少しずつ解明される事を期待して行きたいと思います。
追記
体内に入り込んだ病原菌を赤血球やT型細胞などがやっつけるわけですが、これは異物を排除することで、つまり『殺す』ということですよね。
人間も同じようなことをしますが、細胞レベルでもこんな行為をしているというのは決まりきった運命なのでしょうか。
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