冬に雨

晴れた寒空を見上げていました
黄昏れなんか気取ったりして

取り留めないことを考えていました
支えきれぬ自分を放り出してゆく

僕はあいも変わらず惰性で生きているよ
しがらみも呼吸の代償だと笑い飛ばしてくれたらいい

遙か遠い冬の月に
君を想ったよ
人恋しさの増した仕事帰りの道
坂を下ってゆく

振り返れば優しさが涙を連れてくる
幾つになったって
きっと 大人にはなれやしないんだ
そばにいてよ


ひび割れた皮膚に瘡蓋が付いた
擦れ枯らした日々
ささくれた言葉 溢れそうになる
抑えきれぬ感情を放り出してゆく

君と出会って なにか変わればいいと思っていた
決めつけることが嫌いだから
誰も救えやしないのかな

傷つけ合って僕達は存在を確かめる
君に抱かれて
ゆっくり眠るように
錆び付いてゆきたくはない

誰もいない交差点で信号機を待つよ
迷い込んだ日常で
僕はなにがしたいんだ?


歩道橋の足下を世界が回ってゆく
いつかの僕はマフラー巻いて歩いていく
外套の襟も立てて

冬に降る雨粒がぽつり体を濡らしたら
暖房の効いた家で僕を待つ 君のもとへ向かう



Feb. 2012; I am younger than that now.

NO MONEY, NO LIKE