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腹膜中皮腫闘病日記 -vol.6-


前回のお話はこちらをクリック。


クリニックから帰って



帰宅すると、
涙でべしょべしょのとりあたまがいました。

あっけらかんとしていた私ですが、
大泣きしているとりあたまを見たら
私もつられて涙が出てきました。

とりあたまのリアクションを見ていると、

「あれ、もしかしてだいぶやばいのかな?」


「命の危険も結構あるのか?」



という気持ちも出てきました。

とりあたまが落ち着いた後、
改めてクリニックで言われたことを詳しく伝えます。

私は全く気付いていなかったのですが、
とりあたまは

私があと数ヶ月でいなくなるかもしれない


ということを考えていたそうです。

以前もツイートしましたが、
胃がん+腹水が最悪の組み合わせであることを
とりあたまはわかっていたようです。

この極悪コンビを迎え入れてしまうと
余命2~4ヶ月も十分射程圏内に入ってきます。

なので、とりあたまは私に

「もう嫌なこととかしないで、好きなことだけやって過ごしたら良いよ」


と言ってくれました。

なんてありがたい言葉でしょうか。

確かにこんな状況になると

「健康のために配達を」


なんて言ってられません。

早朝に家を出てamazonと書かれた箱に囲まれて過ごす日々とも
嫌でもお別れです。

まさか金融公庫で車両代を借入して1年も経たずして
配送業から足を洗うことになるとは思いませんでした。

5年で借り入れてしまったので
まだまだ車両代の返済は残ってしまうのですが、
まぁ状況が状況なので仕方ありませんね。

軽バンちゃんにはなまけもののイベント出展などで
引き続き活躍してもらうことにします。

さてさて、
絶望の淵にいるような気持ちになってもおかしくないのですが、
この時は自覚症状はほとんどありませんでしたし、
私は命の危険など微塵も感じていませんでした。

きっと医療も進歩しているだろうし、
治療すればそう簡単に死なないだろうと思っていました。

その根拠を得るため、
試しに「胃がん ステージ4 余命」
とか検索してみます。

【5年生存率が1割を切る】


とか出てきますね。

あれ、おかしいぞ?笑

5年生存率が1割を切るってことは、
5年経たずしてこの世を去ることになるケースも
多々あるでしょう。

自分の置かれている状況を
ちょっと理解し始めました。


とはいえ、私はとても元気なのです。


お腹が痛いこともほとんどありませんし、
ご飯だって3食きっちり美味しく食べられます。

とりあたまに
「なんか5年生存率が1割切ってるとか出てくるんだけど」
と伝えてみると、

「その1割に入れば問題ない!!!」


と返ってきました。

なんと頼もしいことでしょう。

可能性が低かろうがなんだろうが、
良くも悪くも「絶対」はあり得ません。

「よし、とりあえず60歳までは生きるぞー!!」


と、改めて気合いを入れます。

まだクリニックで言われただけの結果ですし、
すぐに大きな病院に行けと言われているので、
詳しい検査などで結果も変わってくるかもしれません。

毎度のことながらあまり考えすぎても仕方ないので、
明日朝一で大きな病院に行くことにしました。

さすがに1人でいきなり大きな病院に行くのは
状況も状況ですし心細いものがありますが、
病院慣れしているとりあたまも一緒に来てもらえるので安心です。

こういう時、自営業だと何かと予定の調整がしやすくて
ありがたいですね。

「いや〜、昨日までとは一転してこんなことになるとはな〜」


夜、布団に潜って改めて感じました。

明日から一体どんな日々が待っているのか...

この時の私には全く想像することはできませんでしたが、
ちょっとワクワクしつつぐっすり眠りました。


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