ブックレビュー/ 月の立つ林で
本の紹介:タイトル
著者(敬称略):青山美智子
発行日:2022年11月7日
出版社:ポプラ社
読んだ目的
BtoB事業が中心の現職に転職して数ヶ月たったころに、自分のやっている仕事が「誰」のためになっているか、実感を感じづらくなっていて、少しモヤモヤしている時期がありました。ゲームや洋服といった、消費者に近いところでビジネスをする企業が長かったからかもしれません。
ちょうど、そんな時に、普段まったく見ない、土曜日の王様のブランチ(笑)で、特集されていた本書が「自分が関わったことが、地球のきっとどこかのだれかのためにはなっていて、それを感じることができる・・」そんな紹介をされていて、ポチッとしました。
レビュー
いくつかの短編が、「月と月にかかわるポットキャスト『ツキない話』」を通して、ゆるやかにリンクし、各編の主人公たちの人生・生活がすこし変化していく展開が、やさしく、また、美しく、とても読後感が良かったです。
大どんでん返し!みたいな作品ではないですが、ゆるやかなリンクに心を動かされ、人の縁のすばらしさを感じます。自分のためだったり、何か特定のことだけに向いたベクトルの努力や思いであっても「誰か」のためになっていることを、ちゃんと肯定してくれる、とても気持ちの良い作品でした。
久しく、こういったエンターテイメントに触れていなかったですが、こういう時間も大切にしなければいけないなと、改めて、エンタメのすばらしさを感じました。
4月10日7時 少しレビューを編集しました。