絶対はない

悪性:☠️☠️☠️

「絶対なことはない」という主張は、一見、真理を捉えたように聞こえてしまうし、これをドグマとしている人を見ることは珍しくないが、あまりよい論拠ではない。

素朴には、「絶対はない、というのは絶対なんですか?」という返しが考えられる。この返しは一定の美しさを持つが、本項では、また別の───そして美しさも忘れないよう───より珍しい返しとして、“論理の限界”(白猫本 p.17参照)の理屈に基づいた対処を紹介する。

端的には、論理の限界の理屈を説明して、「よって、静的な論理体系(信念体系)には、必ず担保を持たない領域が存在することが、少なくとも非構成的に言えます。」と結論付けられれば良いだろう。

ちなみに、この際に相手が「じゃあ、俺の公理系にあたる命題ないし信念を1つでも示してみろよ。」と要求してきたとしても、基本的には答えなくて良い。

というのも、非構成的な説明があれば、「絶対はない」といった命題への反駁は十分だからである。

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