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劇的大逆転勝利に大興奮!スーパーラグビー2022 R2レビュー

開幕から白熱した試合が繰り広げられている2022スーパーラグビー
Round 2(R2)も新チームのモアナ・パシフィカがコロナウイルス感染者が出た影響が続いたため準備不足となりチーフスとの試合は延期になったものの、その他の試合は開催され引き続き熱い試合繰り広げられました。
R2のニュージーランド(NZ)のチームの試合を詳しく振り返ってみます。

貫録勝ちのクルセイダーズ

「ハイランダーズ 19-34 クルセイダーズ」
南島同士の対決でライバル意識が強く毎試合白熱試合になるこのカード。

前半ハイランダーズが1PGで3点を先制。その後、得意のセットピース(スクラム、ラインアウト)の攻撃(この時はスクラム)でサインプレイが上手く決まりが⑭S・ギルバードがトライ取って13-0とリードで昨年のクライストチャーチでの勝利を思い起こさせる展開に。

しかし、試合巧者のクルセイダーズがハイランダーズの気の緩みを見逃さず速攻を仕掛けてあっさりとトライを奪い反撃開始。その後も強かに攻めてトライをあっさり取り逆転に成功。 お互いに1PGを決めて前半16-17クルセイダーズリードで折り返します。

後半に入りハイランダーズにPGを決められて逆転を許すもオールブラックスを多く含むクルセイダーズの豪華なBK陣が自由に展開して2トライを奪い途中まで粘っていたハイランダーズを終盤に突き離し開幕2連勝。

キーポイント

「前半」:
13-0とハイランダーズがリードした後にクルセイダーズの初めての得点のチャンスが訪れた場面。クルセイダーズが敵陣ゴール前でペナルティーを得た時にハイランダーズの選手はPGまたはタッチに蹴りだしてくると思ったのか・・・その一瞬の気の緩みを見逃さなかった⑭S・リースが後ろから来てクイックタップしてそのままインゴールに飛び込んで取ったトライ。

簡単に7点(コンバージョン成功)を与えてしまい、その後クルセイダーズに勢いがついたのは明らかなのでハイランダーズの気の緩みが流れを変えたか。

「後半」
前半と同じく後半の立ち上がりも良かったハイランダーズが連続攻撃でジワジワ前に出て最後は⑩M・ハントがトライかに思えたがTMOの判定はノートライとなり、昨年からのルールのゴールライン・ドロップアウトとなりチャンスを逃した。
後半もハイランダーズが有利に進めながらクルセイダーズのディフェンスに阻まれてトライを阻止されてメンタル的にもきつくなってきたところで、逆にクルセイダーズが少ないチャンスを物のしてトライを奪いハイランダーズにダメージを与えて試合を決めたと言っていいだろう。

地域、ボール支配率ともに五分に近いがトライ数は4-1でクルセイダーズ
少ないチャンスをものにしたクルセイダーズの強さはここにある。

筆者の注目した選手

この日まるでSBW(サニービルウイリアムス)のようなオフロードを連発してチャンスを何度も作っていた⑪L・ファインガアヌクは、この日もパワフルなランもしていたしオールブラックス入りは間違いないか。

乗りに乗ってる⑮W・ジョーダンがディフェンスを何人かわしたか分からないくらい最後は3人引きづってトライは言葉が出なかった。
ハイボールのキャッチも良く、キックも上手く50‐22も成功するなどランプレイだけでなくオールラウンドで活躍するジョーダンの成長は果てしない。

その他では、前週も触れたクルセイダーズ⑩F・バーク。2試合連続で安定感のあるプレイでしぶとく粘るハイランダーズ相手にも司令塔の役割を果たしたか。途中出場の新入りのS・ヒッキーもバークに負けない良いパフォーマンスでモウンガの不在の間も安心できる二人の活躍でクルセイダーズの層が更に厚くなったか。

ハイランダーズは、かなり良い試合しながらも取れるところで取り切れなかったのは痛かったが、開幕週の反省をいかして途中まで内容ではクルセイダーズを勝っていたので試合を重ねて行ったら面白いチームになりそう。

その中でも、⑫トーマス・ウマガジェンセンのパフォーマンスは良かった。ボールキャリーでの力強さがあり必ずゲインできるのが強みでもっと高いレベルでプレイするのを見てみたい。

強いクルセイダーズの攻撃が見れるハイライト動画

劇的逆転勝利で大興奮!

「ブルーズ 32-33 ハリケーンズ」
開幕週は試合が延期となったブルーズが今季の初戦で開幕戦を落としたハリケーンズとの対戦。ブルーズは開始早々から怒涛の攻撃で有利になるもなかなかトライが取れず苦戦したものの徐々に力の差が出てきて前半3トライを奪った。しかし少ないチャンスでも2トライを取ったハリケーンズが苦戦しながらも10点差で食らいついたと言える前半か。

後半に入っても内容で有利に戦っていたブルーズが1トライ1PGを追加して18点差を付けて残り時間が約10分となり試合を決めたかに誰もが思った。

しかしそこからハリケーンズが3連続トライを奪って逆転サヨナラ勝ちと信じられない結末にただただびっくり!

地域、ボール支配率も圧倒していたブルーズが残り10分で逆転を許したのは、ゲームをしっかりコントロール出来ていない証拠か。

キャプテンだったトム・ロビンソンを早い段階で代えたがチームをリードする選手が居ないに等しいのにロビンソンを代えたのにも疑問が残る。

キーポイント

「前半」
ブルーズが開始から12~13分くらい凄い攻撃でずっと敵陣に攻めていながら1PGの3点のみだっただけでなく、不注意なパスで⑪ラヤシにインターセプトからトライを奪われて3-7とあれだけ攻めていながらリード出来ない序盤の展開は後になって響くことになったか。

逆にハリケーンズは少ないチャンスで2トライと効率が良かった。

「後半」
68分の時点で18点差にしたブルーズは勝ちを確信したのか気が緩んでハリケーンズに残り10分で3トライを許した。
まず一つ目のトライがあっさり取られ過ぎか。良い攻撃をされたので取られるのは仕方ないにしろ時間をかけさせて取られないといけなかったかと。

2つ目のトライで1トライ1ゴールで逆転のところまできて、残り僅かなところでキックオフからハリケーンズ⑫J・サヴェアが自陣22Mからパワーを活かして中央付近まで突破したのが大きかったか。 
そしてその後39歳の大ベテランのプロップのベン・メイの見事なクイックパスを受けた⑬B・サリヴァンがブルーズ⑫RTS(ロジャー・トゥイヴァサシェック)のタックルを振り切り最後はA・サヴェアに繋いでトライ。
このトライもコーナーぎりぎりでのトライになると思いきやA・サヴェアがインゴールに入る前に内側に切れ込みタックルをかわして中央にトライしたのでコンバージョンを決めやすく大逆転に繋がった。

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最後は兄のジュリアンの突破でチャンスを作り弟のアーディーが劇的トライ
(写真は2021年EdenParkにて筆者撮影)

筆者の注目した選手

ブルーズ
昨年消化不良だった⑪C・クラークが今季は体も更にフィットして強さだけでなくスピードも増した印象でキレもあり期待できそう。
プレシーズンマッチでも見せていたキックオフ(アタック側)でクリーンキャッチをこの試合でも披露してチャンスを作るなど空中戦の強さも見せた。

もう一人は、ニュージーランドラグビーで一番の注目されている選手と言っても良いRTS(ロジャー・トゥイヴァサシェック)のスーパーラグビーのデビュー戦は、一言で言えば「良かった」
積極的に前に出ようとする姿勢とステップのキレ、そして前に出た後のオフロードは素晴らしかった。相手に恐怖を与えるランニングスキルだと思えるくらキレが良かった印象。最後の逆転されるトライに関わるタックルミスは良くなかったがデビュー戦でかなりのインパクトを与えたと思う。

上の動画は、ユニオンに慣れてきたらまだまだ伸びそうなRTSを特集

ハリケーンズ
ABsのA・サヴェア、J・バレットの個人技頼みの前半の印象だが、後半の劇的逆転に繋がるプレイをした控えの選手の活躍もあった。

チーム分析でも触れた⑳イオセは昨年からインパクトプレイヤーとして良い仕事をするのは今年も健在。筆者の推しの㉓P・ウマガジェンセンはベンチではもったいないくらいだが、後半から出て来ると相手には嫌な存在か。

⑬B・サリヴァンの勝負強さは昨年のNPC(NZ州代表選手権)でも証明したがこのレベルでも十分通用することがこの試合で証明された。前半の⑭フーセンのトライを演出したB・サリヴァンのキックも見事で状況判断も良いので将来が楽しみな選手。まだ数試合しか経験していないので早すぎるかもしれないが、今年サプライズでABs入りもあるか???

⑪ラヤシの決定力とあのサイズトとスピードはABsに入れたい素材か。
一番すごかったのは、⑧アーディー・サヴェアで80分間あれだけ動いて最後にあのトライは凄すぎる。

劇的な幕切れの試合のハイライトをお楽しみください。

NZのチーム以外の試合の結果

NSW Waratahs 16 v 20 Queensland Reds
Brumbies 42 v 3 Fijian Drua
Melbourne Rebels 3 v 28 Western Force

昨年のスーパーラグビーAUの決勝を戦ったレッズとブランビーズが開幕から2連勝レベルズはフォースに敗れて2連敗。新チームのフィジアンドルアは良いところなしで開幕2連敗と厳しい洗礼を受けている。

R3は、通常の開催になるか?

当初の予定は3~4週間クイーンズタウンに滞在して試合も行う予定だったが、週末試合が延期になったチーフスは水曜日くらいには既にハミルトンに帰っていて、他のチームも地元に帰る予定で(すでに帰っているチームが殆ど)モアナパシフィカはあと4週間はクイーンズタウンに留まる事になったようで、今週、クルセイダーズと試合をする場合は結局クイーンズタウン周辺で試合をすることになるか? 

R3からは、モアナ・パシフィカの試合が開催されると期待したい。



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