充実のチーフス&クルセイダーズ!スーパーラグビー2022 R1レビュー
コロナウイルスの感染が日に日に広がる中でも2022年のスーパーラグビーが開幕されました。開幕週のRound1(R1)を振り返ってみましょう。
※トップの写真は2020年のスーパーラグビーEdenParkにて筆者撮影
新チームがいきなりの試練
2022年のスーパーラグビーの概要については、ニュージーランドの日本語の情報サイトに寄稿させていただいているので参考にしてください(こちら)
今年は新たにパシフィックの2チームが追加になってスーパーラグビーの歴史が変わって注目されていましたが、開幕直前にニュージーランドベースの新チーム「モアナ・パシフィカ」の複数の選手にコロナウイルスの感染者が出てしまった為2月18日に行われる2022年のオープニングゲームのモアナ・パシフィカ v ブルーズが延期になり新チームがいきなりの試練。
この延期により2022年のオープニングゲームは、こちらも新加入のオーストラリアベースのチームのフィジアン・ドゥルアがワラターズと対戦し2022年のスーパーラグビーが幕を開けた。
以下の動画は、開幕戦で披露したフィジアン・ドゥルアの「Na Bloe」
★Round 1 試合レビュー★
Waratahs 40 v 10 Fijian Drua
昨年良い所なく終わったワラターズ相手に新規加入のフィジアン・ドゥルアのサプライズ勝利を期待したが、フィジアン・ドゥルアのメンバーが若くて経験が浅いせいか全体的にプレイの雑さが目立ちペースを掴めず敗戦。
反則が多くハンドリングエラーも目立っていたのが気になるが、フィジカル面ではかなり激しく上記に触れた事を改善すればもう少し良くなる可能性もあるかも知れないが、まだまだ時間がかかりそう。
Chiefs 26 v 16 Highlanders
まだ暑いなかで昼間の試合で選手の表情がきつそうだった。
チーフスは、大スターのD・マッケンジーが日本に移籍しても充実のメンバーで前半からチーム分析の所でも取り上げた⑥L・ジェイコブソン、⑦S・ケーン、⑧P・G・ソワクラの3人の選手のパフォーマンスが良かった為か終始有利に進めて最後まで逆転を許さず試合を支配していた。
ハイランダーズは、後半途中から長期の怪我から復帰したF・ファカタヴァを投入してフィジカルの強さを活かしてチームに勢いをつけ7点差まで追い上げたが一試合通じてハンドリングエラーが多かったのが響いて逆転するまでには至らなかった。
筆者は、BKのメンバー選考が良くなかったと思っているがトニーブラウン氏が自身で選んだが彼自身もそう思っているかも知れない。
チーフスは、特に前半ラインアウトのスローイングで戸惑う場面がなければもう少し得点できたかもしれないので今後の課題か。
既に書いたようにルースフォワードの3人プラスして久しぶりのスーパーラグビーになるB・レタリックのプレイはこのレベルではずば抜けていた。特に47分のナラワのトライをアシストしたオフロードパスは圧巻でBKの様なハンドリングスキルをロックが簡単にしてしまうのはただただ驚くばかり。
最後にレビューとは関係ないですが・・・
この試合は、クイーンズタウンのクラブラグビーのチームのグラウンドで行われました。まさかコロナの事があるにしてもクラブチームのグラウンドでスーパーラグビーの公式戦を行うとは思ってもみなかったので、テレビ画面で映ったクラブチームのロッカールームを見て懐かしく感じました。
Crusaders 42 v 32 Hurricanes
昨年のAotearoa大会のチャンピオンのクルセイダーズが序盤に簡単にトライを取る場面を見ていたらこの試合大差でクルセイダーズが勝利と思いきや前半は点数上では五分になっていたのは不思議なくらい。
後半クルセイダーズのトライの山で大差をつけ途中で試合が決まった感じに。その後クルセイダーズが中だるみを見せたところでハリケーンズが猛烈に追い上げるも遅すぎるエンジンのかかりに今年も苦戦する予感さえ感じるハリケーンズでした。
チーム分析でも書いたようにハリケーンズの課題はやっぱり10番か。
ここぞという時に10番ラブのパスの精度がいまいちでチャンスを活かしきれていなかった印象があり、後半途中からバショップを投入してからはパスが綺麗に繋がり猛烈な反撃を開始できた印象。
ラブはランプレイは良いものを持っているが、司令塔で周りを活かすタイプと言うよりは、自分で行けるところまで行きたい感じに思えるのでウイングかもしくはフルバックが無難か。
クルセイダーズは、⑩バークがこの試合では落ち着いたプレイで無事に司令塔の役割をこなしモウンガのバックアップの悩みを今年は解消できるか⁉
この試合で目立ったの⑪L・ファインガアヌクは、やっぱり昨年オールブラックスに入れておくべきでした。簡単にハットトリックをしましたが、トライ以外でも持ち前の強さを活かして攻守に活躍で今年のABs入りは間違いないでしょう!
2年前から推しているW・ジョーダンの華麗なランはいつ見ても惚れ惚れして元ABsのクリスチャン・カレンを彷彿させる。
ファインガアヌクの前半の2トライいずれもジョーダンがディフェンスラインの裏に抜けてビックゲインしてチャンスを作っていました。
特にファインガアヌクの二つ目のトライは、ジョーダンが簡単に裏に抜けてトライをアシストしたが、この見事なラインブレイクに筆者は思わず声を出してしまうほど凄まじいランだった。
このタイミングでこのコースに走れば自分なら抜けると言うのが解っていて簡単にラインの裏に出てしまうランはジョーダンならではのプレイ。
とりあえずジョーダンにボールまわせはチャンスを作ってくれるし、後ろからライン参加されると相手には恐怖で今年はさらに進化したジョーダンが見れそう。
敗れたハリケーンズは、3つもトライを取り損ねた感じでした。一つはTMOのジャッジミスであれはベン・メイはボールに触れていなかったのでノックオンの判定には疑問が残りました。あのトライがあればかなりの僅差になっていたので・・・ あれがトライでも勝利するのは試合内容から難しかったと思うが乗っていたところだったしあの判定はいただけなかった。
しかしアーディー・サヴェアは相変わらず凄い。ジョーディー・バレットも体格を活かしてフィジカルバトルでも目立っていました。ジョーダンが15番でいけるのでABsのミッドフィールドでのポジションをアピールか?
⑪Goosenのパフォーマンスもなかなか良かった。
Reds 23 v 5 Melbourne Rebels
昨年のオーストラリア大会のチャンピオンのレッズがレベルズ相手に戸惑うも1トライに抑えて開幕戦を勝利した。
Brumbies 29 v 23 Western Force
ブランビーズ優勢の予想を覆して残り時間数分のところでフォースがトライ & コンバージョンも決まり逆転で金星(?)と誰もが思ったが・・・
残り時間僅かでブランビーズがまさかの逆転トライで激戦を制した。
フォースが今季も何気にしぶといラグビーで盛り上げてくれそう。
ニュージーランドのチームのレビューがメインなのは、オーストラリアのチームの試合を見るには見ているのですが、NZの試合でお腹が一杯でしっかり見ていないと言えるので偉そうには語れないと思い簡潔に書いています。
昨年はほとんど見ていなかったスーパーラグビーAUですが、今年は敵の研究の為に見るべきかなと思ってます。
チーフスもクルセイダーズも充実していますね。二つの試合は同じ10点差ですが得点差以上の差がある気がします。
やっぱりスーパーラグビーは面白いですね。NZダービーは特に面白い!
Round 2は、試合が出来る見込みとなっていたモアナパシフィカは、試合の準備が人数にしろ調整にしろ出来ないと見て2週連続で延期になったのは残念なニュースでデビューはR3以降になりました。