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社員・メンバーにおもしろいアイデアを考えてもらうためのワークショップにするための、3つの仕込み(3/3) #ファシリ編

こんにちは。アイデアを生むためのワークショップのコツ第三回です。もともとは、<当日設計>チームメンバーで相互にインスピレーションを与え合う機会を設ける というテーマでやろうとしてましたが、

第二回で割と書いてしまったなということもあり、第三回ではワークショップを良いものにも悪いものにもするファシリテーションに関するコツを書いてみようと思います。

また、ワークショップと銘打っていますが、普段のアイデア出しにも全然使える話ですので、もしよければ会議のアイデア不足に悩む方もぜひ。

ではさっそく。

※ちなみに第二回と第一回はこちら👇


ファシリの役割は、議論を「拡げて」「纏める」こと

アイデアを生むための場において、ファシリテーターの最も重要な役割は何でしょうか?色々解釈がありますが、個人的には「集団のパワーを使って、当初想定していたよりも、良い着地点にまとめる」ことだと思っています。

要は、
①一人でなく複数人だからこそのパワー(発想, 視点)を引き出せているのか?
②当初の着地点を見据えておき、最終的に議論を集約してまとめることができるか?という2点です。

結局、一人で考えたほうがよいアイデアが出るならそれでいいわけです。でなくて、なんで複数人で考えるのかという話です。

悪いファシリテーターは、
・みんなの意見を引き出せない
・議論をまとめられない
・着地点を描けない
・納得感のある合意を導けない

などをしてしまって、議論が消化不良のまま終わらせてしまうことがしばしば。じゃあどうすればそれを解決できるのか?というのを考えていきます。


参加者の議論を引き出す、心理的安全性をつくる

余談なんですが、先日関係が良好なクライアントから「伊藤さんって、なるほどが口癖ですよね」と指摘されました。バレたか、という感じなのですが、僕はとりあえずなるほど、を言うようにしています。

というのも、集団の議論においてまず重要なのは「相手の意見をいったん受け入れること」だからです。良い意見や発想というものは、そうかんたんに生まれるものではありません。プロ野球選手の打率じゃないですが、3割でコンスタントに出せる優秀な人もいれば、10本に1本な人もいます。

あなたがファシリテーターなら、そういった人からも面白い意見や視点を導き出さなくてはいけません。そして、ヒット的な発想を導きたいなら、とにかく打席数が重要。つまり「気軽に発言できる空気感をいかに醸成するか」が極めて重要なのです。

この概念を「心理的安全性」と言います。Googleが高パフォーマンスのチームについて研究した際に発見した概念です。


別になるほど、じゃなくてもいいです。いいね!でもおもしろいね!興味深いね!でも何でもいいです。とにかく「いいなと思ったことはみんなに共有しよう!」と参加者が感じられる雰囲気をつくること、これを徹底しましょう。

ただ一点だけ補足すると、常にいいね!と言えというわけではありません。重要なのはアイデアをいったん出し合う「発散」のフェーズにおいての話です。これから議論を収束させていこう、というときに無秩序に意見を出し合うことは却って効果的でないこともあります。使い分けていきましょう。

これも余談ですが、発散のときはぜひPost-itとサインペンを活用し、1アイデア1枚でやってみてください。詳しくは以下のnoteを👇


あらかじめ、仮の着地点を描いておく、逐次修正する

次に重要なことは、仮でいいので着地点を描いておくことです。

ではなぜ着地点をあらかじめ描いておくことが重要なのか?想像してみてください、着地点の見えない議論を。着地点を定めておかないと、自分たちはいま何に向かっているのか、何をつくらないといけないのか、を見失い、意味のないアイデアや見当違いな議論を延々と続けることになります。それは参加者にとって負担ですし、議論が結局終わらずに消化不良のまま終わります。時間の無駄になってしまいます。

だからこそ、着地点をあらかじめ描いておくことが重要なのです。ワークショップならば「どんなアイデアを生み出したいのか」「何をつくるための会なのか」を先にファシリテーターから参加者に提示しましょう。

そして、もう一点。なぜ仮でいいのか。先に述べたように集団による共創が良いのは、一人では思いつかなかった視点や発想が得られることなのです。当初設定した着地点にこだわってしまうと、そういった過程で得られた優れた視点を損ねてしまったり、実はこっちのほうがいいよね、という解決策を選ぶことができません。

なので、あくまで仮でいいのです。むしろ想定外の発見を喜びましょう。見つかったら、着地点を修正すればいいのです。正しいこだわりを持ちましょう。


議論の中で絵を書こう、構造化しよう、

最後は具体的な行動の話です。ワークショップなり、アイデア発散会議なりやるときは必ずホワイトボードや黒板などを用意してください。

なぜか、議論の中で生まれた気づきを整理したり、思いついたアイデアを書いたり、出てきた議論を構造化することが重要だからです。

昨今はリモートでの会議が増えていると思うので、Miroというオンラインホワイトボードのアプリや、Jamboardといったサーヴィスを使ってみてください。それも難しい場合は参加者各自にペンとノートを用意してもらいましょう。

ファシリテーターのあなたがやるべきことは、チームの議論や出てきたアイデアをホワイトボードというみんなが見える場所に書き、いつでも参照できるようにすることです。

人は新しい概念を伝えられたとき、自分の経験に基づいて類推し、想像します。人によって知識や経験は様々です、ということは同じアイデアを思いついても、人によって頭に思い浮かべるものは違います。

「今、Aさんがいったのはこういうことですよね?」と率先して書きましょう。違えば修正しましょう。百聞は一見に如かず、とにかく書く、書く、書く、議論が複雑になれば構造化する、それを心がけましょう。

※構造化の具体的な話は難しいと思うので、また別途紹介します。

また参考になるnoteも貼っておきますので、ご覧ください👇

まとめ

ということで、ワークショップにおけるファシリのマインドセットや立ち回りについてご紹介しました。

この記事に興味をもった、こういうワークショップやってみたい / アイデア発想について困っている!という人がいらっしゃいましたら以下のページからご連絡だったり、DMをいただけると相談にのれるかもしれません。

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