斬新なアイデアを考えたいときに役立つWho Said That ~?
<更新>
ページ下部におまけとして有料部分を追加し、ワークショップとして使用したスライドを添付しました。ほとんど無料で読めます。
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デザイン思考にはHMW(How Might WE)というメソッド?があるそうです。僕自身はあまり明るくない分野なので、ここでは詳しい方の説明を貼ることにします。以下のブログがとてもわかりやすかったです。
デザインにおけるHow Might Weとは何か:具体例とその効果 - デザインダイアローグコペンハーゲン
How Might Weと言うのは、日本語にすれば「我々はどうすれば◯◯できるか」というカタチで、解くべき問題を定義する方法です。約10年前にIDEOが使い始めたのち、今では世界中の多くのデザインファームやデザイン教育機関で使われているらしく、もちろん、私の居るCIIDでも例外ではありません。
要は、テーマを与えられてリサーチをした結果、問題にまつわる状況が色々とわかった。じゃあその状況の中で何を問題として設定するのか?その時に「我々はどうすれば、○○できるだろうか」という構文に当てはめて、アイデアを考えやすくする、ブレストがしやすくなる、というのがHMWだ。広告業界の偉い人もリサーチした後で、どういう問題設定をするかがセンスだ、みたいなことを言っていたような気がする。本当に誰だったか忘れちゃったんだけど。
濱口秀司さんのBreak The Bias
ある人のnoteを見ていたら、「デザイン思考」を超えるデザイン思考 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー が紹介されていて、つい最近読んでみた。そこでは、いわゆるIDEOに代表されるデザイン思考をDesign Thinking Driven Needsに対して、濱口秀司さんは自身のBreak The Biasもデザイン思考であるとし、その思考をDesign Thinking Driven Frameworkと名付けて整理していた。濱口さんのBreak The Biasの方法論が個人的にはとても好きで、イノベーティブなアイデアをフレームワークを用いて工学的に生み出していく試みはすごくわくわくする。
濱口さんの手法はめちゃくちゃすごいのだが、これを集団でなく個人で、しかもブレストのような時間のかかる方法をせずともバイアスを発見するための方法がないかなーと常々思っていた。そんなときにHMWを見て思いついたのが、WSTです。
WST (Who Said That ~)
色んなアイデアを考えた中で思うのは、僕たちは思っている以上に対象をそのまま捉えてしまい、疑うことなくそのままアイデアを考えはじめてしまっているなということ。
WSTは簡単です。アイデアを考えるときにその言葉をつかって考えてみるだけ。Who Said That~はもうそのままの意味で「誰が○○だって言ったの?」という問いかけ。この○○の部分にアイデアを考える対象の前提を当てはめていくことで、バイアスを外して簡単にアイデアが浮かぶ。
例えば、本棚のアイデアを考えるとする。 (本棚にしたのは、目の前に本棚があったので)
①本棚という存在を自分がどう解釈しているのかを明らかにする。例えば本棚という存在を言葉で説明してみる。または絵で描いてみる。
②そして、出てきたアウトプット、例えば説明なら文章、絵なら絵を見て、ツッコミを一つ一つ入れていく。
▶「誰が本棚って、地面に対して垂直じゃないといけないって言ったの?」
▶「誰が本棚って本をいれないといけないって言ったの?」
▶「誰が本棚って個体じゃないといけないって言ったの?」
▶「誰が・・・」
こういうように、色んなツッコミを入れていく。
③ツッコミをアイデアに変換する。
このように、WST=ツッコミに呼応してアイデアが生まれる。例えば垂直でいいの?というツッコミだったら、斜めになっている本棚、階段状の本棚とか坂になってる本棚とか登れる本棚とか、色んなアイデアが生まれてくる。
ググってみたら本当に登れる本棚があって笑った。
仕事やプロジェクトで、どう導入するか?
これは「頭を柔らかくするストレッチ」のようなものだと思っています。WSやスプリントなどで、アイデア発想セッションの前に使ってみて、参加者の頭をやわらかくしてみるなどの使い方ができるかもしれません。他にもHMWをやって問題を特定した後に、WSTを使ってアイデア発想を広げていくのもいいかもしれないです。
僕も思いついたばかりなので、これをどうやって実務やプライベートのプロジェクトに導入したらいいのか、まだしっかりと考えきれてないです。これが役立つのかどうか、どう役立てそうなのか、色んな人の意見を聞いてみたいなーと思っています。もしよければコメントください!
以下、実践の方法についてまとめています。スライド付きです。有料としましたので、興味のある方はご購入いただけると嬉しいです!
スライドはこちら。実際にワークショップに使ったスライドの抜粋版です。基本的には活用してもらって構いませんが、他のワークショップやイベントで使われる際には、一声お声がけいただくか、このnoteを転載していただけると幸いです。
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