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テニス肘にスプリント療法!? 徹底解説

みなさん、テニス肘ってご存知ですか?
正式には「上腕骨外側上顆炎」っていうんですが、
肘の外側が痛くなる病気です。
なんでテニス肘って呼ばれるかというと、
テニスのような肘を酷使するスポーツや
仕事をしている人に多いからなんですね。

さて、このテニス肘、放っておくと痛みが長引くし、
日常生活にも支障をきたします。
一部の研究ではテニス肘に「スプリント療法」という
アプローチが注目されています。
今回は、その最新の治療法についてわかりやすく解説します。

そもそもテニス肘って何?

テニス肘、つまり上腕骨外側上顆炎(外側上顆炎)とは、
肘の外側部分にある「上腕骨外側上顆」に炎症が起こる病気です。


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日常生活で物を持ち上げたり、
手首を動かすときに痛みが出ます。
この「外側上顆」には、
手首や指を伸ばすための筋肉が付いています。
この部分に負担がかかりすぎると、
炎症を起こして痛みが生じるんですね。

スポーツ選手だけでなく、日常的に手を酷使する仕事の人、
例えばコンピュータを使っているデスクワーカーや
大工さんなんかもテニス肘に悩まされることがあります。

論文の内容

今回紹介するのは、60歳代の男性患者さんの症例です。
彼は、1年半前に右のテニス肘と診断されていましたが、
その後一旦回復。
しかし、仕事の負担でまた再発してしまい、
病院に再度来院したわけです。

通常、テニス肘の治療は炎症が収まってから始まることが多いです。
つまり、薬で炎症を抑えて、痛みがなくなったらリハビリを始める、
というのが一般的。
しかし、この研究では
炎症期から早期にスプリント(固定具)を使った治療を行いました。
これがポイントです。

方法論:どうやって治療したの?

1. スプリント療法とは?

まず、「スプリント」って何?って話ですが、
これは手首を固定するための装具です。
この患者さんには、手首を「伸展位」
(つまり手首をまっすぐ伸ばした状態)
に保つスプリントが使われました。
手首を動かさないようにすることで、
肘への負担を軽減し、炎症を抑えるわけです。

特に、夜間にスプリントを着用することで、
寝ている間に手首が不自然に動いて
痛みが悪化するのを防ぎます。
さらに、症状がひどい時は
日中もスプリントを装着するようにして、手首や肘を守りました。

2. 超音波治療も併用

次に「超音波治療」。
聞いたことありますか?
これは音波を使って体内の組織に働きかける治療法で、
非温熱作用を利用して炎症を抑えるんです。
音波の力で患部の血行を良くし、自然治癒力を高めます。
簡単に言えば、超音波で炎症を鎮めて治癒を促進する治療ですね。

3. リハビリ:ストレッチと筋トレ

炎症が落ち着いてきたら、次に行うのが理学療法、
つまりリハビリです。
リハビリでは、まず「手首背屈筋群」のストレッチから始めました。
手首背屈筋群というのは、手首を伸ばすときに使う筋肉です。
この筋肉を適切にストレッチすることで、柔軟性を回復させます。

その後、段階的に強度を増やしていき、
筋力トレーニングも行いました。
ストレッチで筋肉をほぐし、筋力をつけることで、
再発しにくい状態に持っていくのがこのリハビリの目的です。


結果:どうなったのか?

この治療を行った結果、驚くほど順調に回復しました。
具体的なタイムラインは次の通りです。

  • 2週間後: 夜間の痛みが完全に消えました。

  • 4週間後: 患部を押したときの痛みも消え、手首を動かしたときの痛みを誘発するテストも陰性になりました。

  • 8週間後: 手首の可動域が完全に回復。健側(痛みのない方の手)と同じレベルにまで回復しました。

  • 10週間後: 手首背屈筋の筋力トレーニングを開始しました。

  • 16週間後: 日常生活や仕事に全く問題がなくなり、リハビリが終了しました。

要するに、スプリント療法と超音波治療を早期から組み合わせた結果、
通常よりも早く、そして確実に痛みが軽減され、機能が回復したわけです。

結論:テニス肘の新しい治療法としての可能性

この研究から学べることは、
炎症期でも治療を始めた方が良いということです。
一般的には、炎症が落ち着いてからリハビリを始めるのが通例ですが、
早期にスプリントを使うことで、
炎症を抑えながら患部を安静に保つことができる
というのは大きな発見です。

さらに、超音波治療を併用することで、
自然治癒力を高めつつ、
組織の回復を促進することができました。
これにより、炎症が収まった後の
ストレッチや筋力トレーニングの効果も向上し、
最終的には再発を防ぐことができたというわけです。

リハビリで重要なのは段階的なアプローチ

もう一つ重要な点は、リハビリは段階的に行うべきということです。
無理をして早く結果を求めると、
再び炎症を引き起こすリスクがあります。
この研究では、患者の状態を見極めながら、
徐々に負荷を増やしていくことで、
確実に機能回復を達成しています。

特にテニス肘のような慢性的な炎症では、
焦らずに、適切なタイミングで次のステップに進むことが重要です。


今後の展望

テニス肘に対するスプリント療法の効果がこの研究で示されたことで、
今後はさらに多くの症例でこの治療法が試されるでしょう。
特に、早期からの治療介入がいかに有効かという点が
明確になったので、炎症期だからといって治療を遅らせるのではなく、
むしろ積極的に治療を進めるべきという新しい考え方が
広がるかもしれません。

論文タイトル: 上腕骨外側上顆炎症例における理学療法―炎症期にスプリント療法を用いた一例―
著者: 根本 大貴1)、中木 右京1)、平田 史哉2)、石井 斉1)


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