![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159840023/rectangle_large_type_2_d84675238b57e26ce601c43cc88e0a24.png?width=1200)
手根管症候群(CTS)の電気診断を解説!手のしびれが止まらない?原因はここかも
今日もちょっと医学的な話題に触れます。
これ、普段パソコンやスマホを使っている人
には無視できないテーマです。
「手根管症候群(CTS)」って聞いたことありますか?
手がしびれたり、痛んだりするやつです。
特に最近では、長時間スマホやPCを使っている人に
多発しているので、要注意ですよ!
今回は、この手根管症候群を診断するために必要な
「電気診断」というテーマを掘り下げていきます。
特に、どのように診断されるのか、
なぜ電気診断が重要なのかについて、
わかりやすく解説していきます。
手根管症候群とは?
手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome: CTS)は、
手首の内側で正中神経が圧迫されることで、
手や指にしびれや痛みが出る疾患です。
正中神経っていうのは、
手の感覚をコントロールしている大事な神経なんですよ。
特に、親指、人差し指、中指、薬指の半分くらいまでを担当しています。
この神経が手首のトンネル、
いわゆる「手根管」の中で圧迫されると、
手のしびれや痛み、
場合によっては筋力低下なんかが起こってしまうんです。
パソコン作業やスマホを長時間使っていると、
この手根管が狭くなって神経を圧迫しちゃうわけです。
どうやって診断するの?
ここで登場するのが、今回のテーマである「電気診断」です。
CTSの症状が出ているかどうかを確認するために、
神経伝導速度検査(NCV)や筋電図(EMG)を使って、
神経の状態を調べます。
これ、簡単に言えば
「神経がどれくらいちゃんと信号を伝えているか」
を見る検査です。
神経伝導速度検査(NCV)とは?
まず、神経伝導速度検査について説明します。
この検査は、手首や腕に電極をつけて、
神経に電気刺激を与えるんですね。
そして、電気信号がどのくらい速く神経を伝わっているかを
測ります。
正常なら、電気信号はスムーズに流れるんですが、
CTSの場合、正中神経が圧迫されているので、
信号が遅くなるんです。
つまり、電気信号が遅れるほど、
神経の圧迫が強いことがわかるわけです。
この検査で、CTSの診断がより正確に行われます。
筋電図(EMG)って何?
次に、筋電図(EMG)です。
こちらは、神経が支配している筋肉が
正しく動いているかどうかを調べます。
特に、CTSでは手の親指の筋肉(母指球筋)が
影響を受けやすいです。
筋電図では、細い針を筋肉に挿入して、
その筋肉の電気信号を測ります。
もし神経が正常に働いていれば、
筋肉はちゃんと動きますが、
CTSの影響があると、筋肉の動きに異常が見られるわけです。
電気診断がなぜ重要なのか?
電気診断が重要なのは、
CTSがどれだけ進行しているかを客観的に評価できるからです。
症状だけでは、CTSの程度を正確に判断するのは難しいんですね。
患者によっては「ちょっと手がしびれる」と
思っている程度でも、
実際には神経がかなり圧迫されているケースもあります。
一方で、電気診断を行えば、
神経伝導速度や筋肉の電気活動を数値として確認できるので、
どれだけ進行しているか、あるいは治療が必要かどうか
が明確にわかります。
これが特に役立つのは、手術が必要かどうかの判断をするときです。
神経伝導速度が極端に遅い場合や、
筋肉に明らかな異常が見られる場合は、
早急な治療や手術が推奨されます。
一方で、軽度のCTSであれば、
スプリント(固定具)や理学療法などの保存的治療でも十分です。
論文の方法論
この論文では、実際に複数の患者を対象に、
電気診断を行い、CTSの診断が
どれだけ正確にできるかを調査しました。
特に、正中神経だけでなく、
他の腕や手の神経と比較することで、
CTSが他の神経障害とは異なることを証明しています。
また、電気診断の結果と患者の症状を照らし合わせることで、
CTSの進行具合を分類しています。
電気診断は、CTSが軽度なのか、中等度なのか、
あるいは重度なのかを決定するために非常に重要な役割を果たします。
結論:電気診断はマジで大事
論文の結論としては、
電気診断がCTSの診断において
極めて重要であるということです。
なんとなく「手がしびれる」とか「痛い」だけでは、
CTSがどれだけ進行しているのか、
正確に判断できません。
だからこそ、電気診断を使って、
神経の状態をきちんと評価することが必要です。
また、電気診断によって、
他の疾患との区別もつきやすくなります。
例えば、似たような症状を引き起こす
尺骨神経障害や神経根症などと、
CTSを正確に区別するためには、この電気診断が役立ちます。
さらに、電気診断は、患者にとっても有益です。
なぜなら、数値で状態を確認できるので、
自分の病状がどの程度進行しているのか、
適切な治療を受けるべきタイミングを知ることができるからです。
まとめ
結論として、手根管症候群(CTS)は、
手や指のしびれや痛みを引き起こす非常に厄介な病気です。
しかし、電気診断を行うことで、
CTSの進行具合を正確に把握し、
最適な治療法を選択することが可能になります。
特に手術を考える際には、電気診断が非常に重要な役割を果たします。
もし、あなたが手のしびれや痛みで悩んでいるなら、
一度電気診断を受けてみることをおすすめします。
早期発見と適切な治療で、手の機能を取り戻し、
痛みのない生活を目指しましょう!
論文タイトル: 手根管症候群の電気診断
著者: 野寺 裕之
掲載誌: 臨床神経生理学
巻号: 第41巻、第3号、ページ164-171
掲載年: 2013年