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文部科学省「大学入試のあり方に関する検討会議」(第18回)議事概要 11月27日(金)
1. 大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査の結果(選抜区分別調査関係(記述式)・多様性確保の取組等関係)について
・ 記述式の出題実態。規模が多くなるほど個別試験での客観式問題のみの割合が増える。私立はその傾向が顕著。国立はほぼ記述式問題が出題されている。
・ 記述式問題を出題している割合は、国立99.4%、公立98.5%、私立54.1%。
・ 個別試験で記述式問題を1問以上解いたと推定される入学者数の割合は、国立99.1%、公立99%、私立53.8%。
2. 団体代表委員からの意見発表
【全国高等学校長協会】
・ 大学入試で成果を測るには公平公正のもとで実施することが必要。
・ 英語4技能については、能力をはかる方向性や民間テストが果たしてきた役割は理解している。共通テストにおいて利用するためには、希望する検定を希望する日時、場所で受験できることが前提。現在は各大学が総合型、学校推薦型で活用している。
・ 記述式問題の共通テストへの導入は採点上の課題から難しい、個別試験で実施すればよい。
・ 調査書については協力者会議が行われているため結論を待ちたい。調査書の電子化は指導要録の電子化と同時に進めていただきたい。
・ 新型コロナウイルスが全国で急拡大している。トラブルなく入試が実施できるよう文科省も最善の方策を。
【国立大学協会】
・ 大学入試センターは成績提供手数料の値上げを行ってもなお経営上の課題がある。国は大学入試センターの存続について最優先に考えるべき。
・ 国立大学における共通テストは基礎的な学習の程度を測る手段であり、重要性は変わっていない。
・ 入学者選抜はアドミッションポリシー(AP)に基づき共通試験(5教科7科目)と2次試験として資質と能力を測る個別試験を組み合わせて実施。今後とも堅持。災害等を考えると、将来に向けて全体システムの検討が必要。
・ 一般選抜における方針として、分離分割を継続しつつ、APに基づき、教科・科目等の点数に加え、調査書等を活用し多面的・総合的な評価に改革するという方針を維持・加速。
・ 総合型選抜・学校推薦型選抜における方針として、学力を担保したうえで、多様な評価方法を活用し丁寧な入試の取り組みを加速。
・ 高校段階の達成度テストを高校関係者が主体となって実施することは重要な役割を果たすため検討が必要。
・ 国、大学入試センター、大学等が連携して共通活用できる高度な記述式問題を研究開発するとともに、作題に係る研究体制の充実を期待。
・ 共通テストの枠組みにおける英語4技能試験について、中長期的には国、センターで開発を要望。
・ 科目の精選は大学入試センターの経営課題とも関わる。作問コストやスケジュールの過密さを踏まえると科目数の適正化について検討が必要。・ 情報に関する能力は重要な力。各大学の特性に応じて入試科目として活用することは必要。2024年からの共通テストへの導入は生徒一人一人の学習環境を考慮することが必要。
3. 大学入試センターからの説明
・大学共同して実施する試験のうち一括して処理することが適当な業務を調査研究を含め入試センターが行う。
・試験の実施運営について。3日以内に回答が集められ、1週間程度で採点、9日後に成績提供。試験問題は約460名の教員により2年間かけて作成し点検を経て完成する。試験終了後には高校教員・研究団体による外部評価、作成者による事後評価が次年度以降の作題に反映。
・記述式問題、英語4技能を入試センターが実施すべきとの意見もあったが、実施するとした場合の課題について。記述式では最も難しい課題は採点。採点体制、公正で正確な採点が大きな課題。英語は記述式問題と同様に採点の課題は大きい。試験実施体制も現在の技術水準では困難。受験上の配慮について検討が必要。ハイステ―クスな共通テストならではの課題。
・リスニングの再テスト者は減少しているが毎年100人程度は再試験を行っている。
・継続安定的な実施に向けて。運営費交付金がなく、自己収入の9割が検定料だが志願者数が減少している。制度上の問題として剰余金のプールや借入れができないことが経営上の制約となっている。大学の協力が不可欠であると同時に、経営改善しなければならない。収支改善は急を要する。成績データの活用、これまでの知見を活かした事業について議論している。
4. 自由討論
・ 共通テストに「情報」を導入し、多くの大学に採用してほしい。情報は2003年から必修になっているが、いまだに担当教員が配置されていないのはおかしい。都道府県の教育委員会任せでは進まない。国としての支援策や工程管理を報告してほしい。(益戸)
・ 4技能は人為的な分け方であり、言語を使用するときに技能を分けることはない。便宜上であることを絶えず念頭に置く必要がある。4技能よりも総合的な能力、読んで聞いて発表する能力など、違った角度から見る必要がある。英語能力に関しては大学入学後の課題が大きいとデータに見えていた。APとの整合性を考えて入試を考えるべき(渡辺)
・ 令和7年試験には実施体制や採点など、共通テストへの記述式問題と英語4技能試験の導入には、検討すべき課題が山積している。(山本理事長)
・ 記述式問題は私立が半分程度の実施、そこをサポートする方法を考えたほうが良い。英語4技能も民間ではなく公的機関がやるべきと考えている。入試センターのWTに経営的手腕を発揮できる人材がいるのか。どのような働きかけができれば打開策があるのか伺いたい。(小林)