中山間地における山の問題
こんにちは。峯久です。
最近、中山間地において、耕作放棄地の調査を実施ておりました。
本来は私の業務外なのですが、課内の人手不足と、
私自身も興味があったので市内の色々な地域をまわりました。
やはり、地方において耕作放棄地問題は結構あるのですが、
一方で、場所によっては山に返してしまえ。
という発想があったりします。
それもそのはず、戦後、人口の増えたところで、山間に開墾したケースも多く、結果、獣がおりてきたり、日当たりが悪かったりと、耕作に適さないがゆえに、山に還っていく畑もあります。
耕作者が減少しているわけですから、良い畑が優先的に使用されていくことは致し方ないと思います。
ただ、残念なのは昔々から石垣を組んで、田圃として活用されてきた畑が荒れていくのは、せっかくきれいな水があるのにもったいないなぁ…と、思うところもございます。
さて、そんな耕作放棄地をたくさん見た訳ですが、地元の方々も、山に還る畑があっても仕方ない。という所ではあるのですが、これだけはどうにかしたいけど、どうにもできない。という状況なのがスギ・ヒノキ・カラマツの戦後の人工林問題。
農家の方々は耕作者なので、畑のことは自分たちで何とかできます。
しかし、山のこととなると、農家の方の多くの専門外。
一昔前は畑も山もできて…という方も多かったようですが、現在では畑は畑、山は山。となってしまっております。
今日聞いた話で、とある地域の神社のヒノキを先日間伐したそうです。
神社のヒノキですから、枝打ちもしてあり、それなりにいい材が取れる状態。地域のお年寄りたちは、この木を伐れば数十万円にはなるだろう。
と言って、業者に依頼。
結果、特殊伐採で、むしろ数十万円支払った…と。
他の地域は存じ上げませんが、山梨では戦後、所得倍増計画の頃から山の植林に補助金を出すようになり、一層、針葉樹の植林が進みました。
で、結果、外材に押されて、山は放置、他の地域のように自伐林家が出ることもなく、山は荒れ放題。
山梨の林業の特徴は大型機械林業です。そして、皆伐。
それでもやらないよりはやった方がいいだろう。と。
皆伐した後には概ねカラマツを植えています。
カラマツは現在、合板になるということで売れるとの事らしいですが、前の時代からの教訓が生かされていないわけでございます。
それが何かというと、戦後、住宅用に針葉樹が必要となるだろう。
ということで、スギヒノキをたくさん植え、結果、外材に負けて放置。
山はその時に値段が良くても、数十年後にはどのようになっているかはわかりません。現在も同じことを繰り返しています。
もっとも、カラマツの場合は苗代が安いから。という理由なので、もっとひどい気も致しますが、それが現状です。
そして、カラマツ、スギ、ヒノキは直根と言って、山にしっかりと広がって根を張るというよりも、縦に根が伸びるので、地盤としては弱いものとなります。ニュースなどで土砂崩れの映像が流れると、大概は針葉樹の人工林ですね。
さらに、針葉樹は落葉しないもしくは、落葉しても広葉樹のようにふかふかの土にはなりません。結果樹の下は陰るか、特定の種類の竹のような藪のみが生えたりと、動植物の環境を奪っております。
すなわち、現在、有害鳥獣と言われていますが、シカやイノシシのご飯処を奪ったのは他でもない人間な訳でございます。ゆえに、里に下りて食べ物を求めるわけです。
地球にとってはどちらが有害か。といった話でございます。
そんなわけで、山にどうにか手を入れられないかな~
と思うわけですが、バイオマスガス化発電などが最近では増えておりますが、結局はチップにしてから投入するため、チップにするのにエネルギーを使用し、安定的な発電のためには、ポツポツ木を持ち込むというよりは、ガサっと持ち込む。
となると、結果、皆伐型林業が進んでしまう。
はたまた、国内でもまだ普及しきれていないのがCLT製材、木を交差して重ねて、接着剤とともに圧縮。Cross Laminated Timberと言われるものでございます。
木材ではあるのですが特殊なプレス機で圧縮することで、鉄骨やコンクリ並みの強度を出せるという代物となります。
私はCLTを進めて、出たカスでペレット、もしくは小規模バイオマスガス化発電などの複合型が出口となるのではないかとは思うのですが、いかんせんCLTの普及率が低い。コスト的な面が往々にしてあるのでしょうが、CLTの普及は山を救うのではないのかな~なんて、妄想をするわけでございます。
現在、CLT材を製造できる工場は国内で8か所。とのことですから、まだまだ、増えて良い気もするのですが、需要がないから伸びないというジレンマに陥っている気がいたします。
ということで、だらだらとなりましたが、
いつかは山梨にもCLT材を作れる工場できないかな~
というか、工場作るのにどういう動きが必要なのかな~
なんて模索中な訳でございます。
ということで、私たちの世代で山の問題、
先代の林業行政の失策だとは思うのですが、責任問題を追求しても、絶対に誰も責任を取らないわけですから、そんなことよりも、どうにかできる方法を考えたいな~という、ただの独り言でございます。
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