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移住して、地域の消防団に入った話|消防団には入った方がいいの?

こんにちは。峯久です。

本日は都会にいるとなかなか聞きなれない話。
ズバリ消防団について。

消防団について

そもそも、消防団ってご存知ですか?
私は移住を検討し始めてから知りました。

簡単に言うと、地方で火災が起きた場合、
地域のボランティア達から成り立つ消防団員が消火活動をします。
実際に消防車に乗り、放水活動を実施します。

火災の連絡(出火報)が出ると、現場に近い消防団員が、
消防車に乗って駆け付け、消火活動を実施します。
これを一次消火と言います。

その後に、消防署が駆け付け、実際の鎮火に向けた消火活動、
現場検証などが実施されます。

地方においては、消防署だけでは人員も、機動車の数も少ない。
一つの消防署がカバーしているエリアも広く、
消防団員なくしては、火災現場対応が難しい。
というのが地方の実情です。

わかりやすいのはこのドラマ。
ちょっと、あり得ない感じもありますが、まぁドラマなんで。

で、30代前後までの男性が、地方移住をすると、
1~3月頃に制服を着た消防団員たちがスカウトに来ます。

昨今では、消防団員の成り手も少なく、
若い人を見かけると、ほぼ確実にスカウトに行く。
地方のお決まり行事の一つかと思いますw

消防団に入るべきか、断るべきか

そんなことで、この消防団のスカウトが来たら、
入るべきか、断るべきか?という話ですが、
ズバリ、35歳までの男性であれば入団をお勧めします
まぁ、本音は30代前半。

消防団と言いますと、少し前までは、
飲み会が多く、集まりも多く、火事となれば現場へ駆けつけ…
みたいに苦労話の方が多く聞かされるのですが、
どのくらいの熱量で移住をしているか。
という事によって、入団の是非は決定した方が良いと思います。

特に以下の場合は、消防団に入ると楽だと思います。

  • 一軒家を購入、そこに数十年は住むつもり

  • 子供がいて、家族がいる移住

  • 地域の一次産業(農家・漁師など)

  • 政治家を目指している など

などの場合は、絶対に入団をお勧めします。
一方、おススメしない、もしくは考えた方がいい場合は

  • 女性

  • 35歳から40歳以上

  • 二地域居住

  • 仮の住処(一時的な居住)

などがあげられます。
次に詳細を説明します。

地域での消防団の扱い

地域で消防団員と言いますと、
ちょっと、「おっ」という目で見られます。

どういうことかというと、
「こいつ地元の人間になるつもりだな」
という風にポジティブに地元の人からは見られます。

昨今では、地元の若者たちでも消防団員の成り手は減少傾向。
それにもかかわらず、移住者の身でありながら消防団に入団。
ともなると、地域の方々の受け入れ具合が全くの別次元になります。

実際、私が所属する消防団では、移住者が私含めて4名。
内一人は農家なのですが、消防団に入ったことで
地域で畑を広げることに成功。

また、他の者には、子供の学校で、親に消防団員がいる。
ということで、子供の学校生活、学校行事がしやすくなる。

マスオさんで婿入りした者は、お義父さんが消防署勤務。
従って、お義父さんからも、超高評価。

かくいう、私は消防団に入っていなかったら
落選しましたが、選挙などと言うチャレンジはできなかったと思います。

ということで、本気で地方移住を成功させたい場合には、
消防団に入団すると、地元がぐっと近くなり、
団員同士はもちろん、OBの方はメチャクチャいますので、
その方々からも手厚いサポートが受けられます。

とはいえ、消防団員は消火活動を実施します。
任期は10数年以上、長い所では20年以上という話も聞きます。
私は現在で所族が13年、あと2年で退団予定。
つまりトータル15年。

ということで、年齢との相談はした方がよろしいかと思います。
また、女性消防団員というのも最近では増えているようですが、
私はその実態をよく理解しておりませんので、何とも言えません。
一次的な居住の場合も、消防団員は荷が重いと思います。

消防団のいま昔

消防団と言いますのは、元をたどると、
いわゆる町火消に該当します。
いわゆる、江戸の火消しという奴ですね。

そんな派手派手しいのは、城下町位なものでしょうが、
いまの消防団の仕組みの多くは
明治~大正にかけてできているものが多いと思います。
とはいえ、大戦中は男手が減りますから、
現在の仕組みの基礎は、主には戦後ですね。

戦後、日本全体が戦後復興で貧困であったころ、
消防団というのは元々は地域の寄付で成り立っていました。
消防団は命を懸ける仕事、地域を守る仕事です。

家では、毎晩晩酌ともいえぬ時代、
消防団に入れば、集まりと言えばお酒は好きなだけ飲める。
女性を知らない男子は、消防団に入って女性を覚える。
ということも、昔々、その昔はあったようでございます。

そんな名残で、つい最近まで、
消防団と言えば、飲み会、派手な所はコンパニオンなどなど、
そんな昭和戦後の風習が残っていたのは事実です。

で、戦後の中で、行政の仕組みが合わさり、
一方で寄付という風習は残り、
地域内でも消防団活動にご理解いただけない方が出てきて、
まだわずかではあるが、若干のハレーションが発生しているのも事実。

で、その流れを完全に変えたのはコロナ。

集まりは自粛。飲み会はほとんどしなくなりました。
また、たまたま私の所属する部は新婚、出産組が多く、
そんなに遊んでなんていられない。という状況。

私は昨年部長を務めておりましたので、
やり方をガラッと変えてしまいました。
部長というのはいわゆる一個小隊の隊長です。

飲み会はゼロとは言わないけれども減少。
コミュニケーション無しはさすがに現場で大変ですので。
役員会はオンラインミーティング。
ボランティア参加で、報償は外食。といった流れを、
参加したら、有償ボランティアとして都度いくらという支払いをする。
と言っても、一回当たり500円~1,000円位。

まぁ、市内地元、結婚して市街在住などの住まいが遠い団員の場合は
参加してガソリン代になるかどうかといったもの。
もちろん、ボランティアですから、できる人ができることをする。
強制参加はありません。

だけど、私たちは火事があれば出動するわけです。
なぜかというと、
これは火事場を体験した人たち同士でしか分かり合えない世界がある。
というのが正直な所。

すごく、安直に簡単に言うと、
火事場ではヒーローになれるんですよね。

消防団だからと言って、後方支援とかじゃないですからねw
ガンガン燃え盛る炎の直前まで行って火を消します。
LPガスのガスボンベが目の前で火を噴いていたなんてこともありました。

まさに最前線です。

畑がちょろっと燃えた程度のこともあれば、
家一棟全焼、とても残念な状況に遭遇することもあります。

だけど、本当にその使命感というか、鎮火したときの達成感というか、
何とも言えないものがあります。
とても言葉だけでは説明できません。

その状況をOBの方たち、そのご家族なども理解をしているから、
「消防団に所属しています」といえば、とても応援してくれます。
部長まで経験すれば、年寄りたちも、
若者であっても、言葉に耳を傾けてくれるようになります。

移住して、もし、団員になれる年齢であるならば、
もし、地域の消防団が勧誘に来たならば、
是非とも、前向きに検討してほしいです。

たしかに私の所属した部は、最高にやりやすかった。

地域の情報を集めて状況をチェックするのもいい。
だけど、本気のコアな移住者を目指すのであれば、
是非とも前向きに検討していただきたいです。

これは、地方移住して13年、
消防団の部長を経験した、一人の消防団員からのお願いです。
是非とも、ご検討ください。よろしくお願いします。

ということで、最後までお読みくださりありがとうございました。
めちゃくちゃニッチな話ですが、消防団の話は移住あるあるですので
ちょっと書いてみました。

最後にもう一度、ハヤブサ消防団あげておきますね。


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