良い嘘ほど危険な嘘はない
世の中には"良い嘘"と"悪い嘘"がある。
良い嘘とは、他人のためにつく嘘を指す。
「優しい嘘」と言い換えてもいいだろう。
嘘も方便という言葉があるように、それは"ついても許される嘘"として多くの者に受け入れられているのが現状だ。
たとえば哲学者の亀山純生が行なったアンケートによれば、
「医者がガン患者に彼の生きる意欲喪失を恐れて慢性胃炎だと告げる」
という嘘に対し、"悪い"と解答した学生は5.6%しかいなかったという。
どうやら僕と気が合う学生はとても少ないらしい。
というのも、この例のような"優しい嘘"こそ、僕はあらゆる嘘のなかでもっとも危険だと考えているからだ。
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