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人生で酒を一度も飲んだことがない人間
僕は現在30代中盤なのだが人生で一度も酒を飲んだことがない。
飲食店で注文するドリンクは常にオレンジジュース一択だ。
酒を一度も飲んだことがない理由はいくつかあるが、最大の理由は自分の意志の弱さにある。
頭では正解が解っていても、本能的な欲求にあらがえず不合理な選択をしてしまう。
長期的に見ればマイナスに働くのが自明であっても、つい目先の快楽を優先してしまう。
そんな自分の性格をよく理解しているのだ。
むろん人間なら誰しも多かれ少なかれ同じような傾向性を持っている。
だが僕は他人と比べてもとりわけ意志が弱い。
たいていの人間は自動車学校を2日しか行かずに退校するような愚行は犯さないだろう。
酒は中毒性が強い(らしい)。
むろん適度に飲んでストレス解消やリラックス効果を得られる人もいる。
酒を飲んだ経験のある人にしかわからない良さもあるのだろう。
別に他人が酒を飲むのはまったく気にならない。
だが僕のような依存傾向の高い意志薄弱者の場合、アル中になってしまう可能性が大いにある。
一度味を覚えてしまうと意志の力でそこから抜け出すのは難しい。
これを僕は三大欲求のひとつで体験した。
20年以上口を利いていない父親を見ていてもよくわかる。
しかし一度も飲んだことがなければ、そもそも飲みたいという欲求自体が生まれない。
これ以上に効果的な禁酒方法はおそらくないだろう。
ほとんどの人は生まれてから20年近く酒なしで生きてきたのだから、別に酒を飲まなくても困ることはない。
ビールも日本酒もワインもチューハイも違いをまったく知らないが、とくに不都合を感じたことはない。
リラックス方法やストレス解消法は他に山ほど持っている。
飲まないことで生じたデメリットを思い返してみても、せいぜい「付き合いが悪い」と言われる程度のものしかなかった。
おそらく酒は僕がこれまで見たことのない世界を見せてくれるだろう。
それが僕にとって魅力的なものかどうかは経験したことがないのでわからない。
しかし一度知ってしまったら知らなかった世界には戻れなくなるため、知らないままでいることに決めている。